J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

1年で上へ16

2021-12-12 00:10:57 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 今回、J3に降格するJ2クラブの2つ目、愛媛さんです。降格に至ったその背景について、だいぶネットで探しましたが、ほとんど情報が無かったですね。こういう情報が流れていないという事はどういう事なのか。クラブの事業規模からして、降格してもおかしくないクラブだったのか。
 ただ、地域の公共財としては素晴らしいクラブだと思います。ご当地選手制度もほぼルーツの存在。何といっても災害復興支援。確か東日本の時は選手で災害ボランティアに行かれていたのでは。同じように被災地クラブとなった豪雨災害でも地元岡山より立派な活動をされていたイメージがあります。そんな中四国で、山口さんや鳥取さんと公共財としての付加価値の高さを争うような優れたクラブがJ2を去られるのは本当に寂しい事です。
 もっとも、地元紙の愛媛新聞にはシリーズ記事が出ていたようです。ただ、フルオープンでの閲覧はできず、読者会員限定記事だったのでリスペクトを断念しました。興味がある方は以下のページで会員登録の上で、閲覧して下さい。
   
【「16年目の陥落 愛媛FC J3降格」シリーズ】
1.準備不足のスタート チーム再建へ見通し甘く
2.定まらない戦い方 結果が出ず自信も失う
3.支える企業や行政 将来ビジョン求める声も
4.J3の来季へ、フロントは 復帰構想 具体性乏しく
引用:愛媛新聞

【愛媛がJ3降格…実好礼忠監督「自分自身の力の無さを痛感」J2で16年戦うも昇格できずついに降格】
「J2の第41節が各地で行われ、愛媛と松本のJ3降格が決定した。1試合を残して残留の可能性のある19位との勝ち点差が4に開き、20位以下が確定した。愛媛の実好礼忠監督は、「自分自身の力の無さをすごく痛感しています。選手たちにも申し訳ない気持ち」と声を絞り出した。
 この日はJ1経験のあるGK岡本昌弘、MF山瀬功治、FW唐山翔自らが先発出場。前半17分にMF内田健太のゴールで幸先良く先制するも、後半に2点を奪われ逆転を許した。
 クラブは2006年から今年まで、16年連続でJ2に在籍。15年には5位に成績を収めたが、その後は徐々に順位を落としていた。今季はシーズン途中の4月、G大阪U―23や京都を率いた経験を持つ実好監督を招へい。立て直しを図ったが、1試合を残してクラブ史上初のJ3降格という現実と向き合うこととなった。」
引用:スポーツ報知

 愛媛さんはJ2歴16年なんですね。地元岡山は何となく愛媛さんとの相性は良くなかった印象がありますね。特に何年か前のアウェー戦でしてやられた記憶があります。元岡山の藤本選手にも決められましたね。
 2015年に5位となり、J1昇格プレーオフに出場されていますね。その時の監督が木山監督。この方の名前は最近ネットでなぜかよく耳にするようになりました。
 今季の昇降格劇についてはどこも、クラブの成長や変化よりも「監督」の部分が大きいイメージが強いです。愛媛さんも實好監督が頑張りましたが、残留させる事はできなかった訳です。前任監督が集めた選手構成なので、やりにかったでしょうし、途中交代した指揮官で反転攻勢で残留させたという事例は余り観た覚えがないかも。

【ウィキペディアからの今季の動き】
「開幕戦で東京Vに0-3で敗れ、2戦連続引分の後3連敗し開幕から6戦未勝利、最下位となった後の4月4日に監督の和泉が辞意を表明、コーチの實好が後任監督に就任した。第8節アウェー大宮アルディージャ戦でシーズン初勝利を挙げ、続く第9節ホーム松本山雅FC戦で連勝し16位まで浮上したが、結果的にこれがシーズン唯一の連勝となり、直後の第10節で敗れ再び同年のJ3降格圏となる19位に転落。その後は第13、15、19、26各節終了時に18位浮上した以外は常に19位以下に低迷し、第41節アウェー水戸ホーリーホック戦に敗れた時点で同シーズンの20位以下が決定、17年間所属したJ2リーグから降格することとなった。最終節ホームレノファ山口戦で引き分け、同節大敗したギラヴァンツ北九州に勝点35で並び得失点差で逆転、最終的に20位でシーズン終了。アウェーゲームでは6勝5分10敗で勝点23を獲得しながら、ホームゲームでは同年J2全22チーム中最低の1勝で勝点12しか挙げられなかったことが影響した。シーズン最終戦終了翌日の12月6日、實好監督の退任が発表された。」

 今季の降格チームの共通点が開幕ダッシュの失敗、低迷のような気がします。監督交代効果で16位まで上がりましたが、激しい残留争いの中で、降格圏からなかなか抜けられなかったようです。ホーム戦1勝のみというのは良くないですね。シーズン途中から指揮を取った實好監督は地元の愛媛県出身だったのですね。Jクラブの監督経験は昨季の京都さんの1季。翌季で残留争いの後任監督は荷が重かったのかもしれません。

【愛媛FCを応援していただいているすべての皆様へ】
「本日の水戸ホーリーホック戦の結果をもちまして、愛媛FCは来シーズンJ3リーグに降格することが決定いたしました。当クラブを応援していただいているすべての皆様のご期待に沿うことができず、深くお詫びを申し上げます。
 今シーズンは「原点回帰」をスローガンに掲げ、クラブ再生に尽力して参りました。しかし、トップチームはシーズン序盤より厳しい戦いを強いられ、最後まで思うように勝点を伸ばす事ができず、このような結果となりました。この現実を真摯に受け止めております。
 来シーズンは1年でJ2に復帰することを目標にクラブ一丸となって皆様と共に闘ってまいる所存です。愛媛FCらしさを追求し、強くて魅力あるクラブになるために再び一歩ずつ前進してまいります。」
引用:J2愛媛公式HP
   
 ネタリストに1つ、経営関係の情報が出てきました。去年10月に村上社長が私財1億円増資され、筆頭株主になっています。2019年決算で過去最大の7,500億円の赤字計上したため、債務超過を回避し、クラブを存続させるために決断したとか。一見牛耳るみたいな物騒な話ですが、愛媛さんには県内全20市町をはじめ79の企業や団体が出資。現在の筆頭株主は県と四国電力で、持ち株比率はともに9.7%。個人が筆頭株主となることについて、村上社長は「比率を高めることではなく課題解決が目的。今後も株主79団体の思いを大事にしていく」と強調され、村上社長個人の持ち株比率は24.5%と、よそのIT企業の事例とはちょっと違います。地方クラブの立派な社長さんの行動でしたね。どこだったか、代表オーナーが過半数の株を持ち、長く個人商店化していた事例を思い出しますが、えらい違いです。

 来季からJ3ですが、愛媛県民サポにおいて賑やかなシーズンになる事でしょう。同じ愛媛県の今治さんがいるからです。まさに「愛媛ダービー」が待ってます。J3では同じく因縁の深い「信州ダービー」もあるし、J3は一気に熱いリーグになりそうですね。
 愛媛さんは行政色が強い県民クラブです。一方の今治さんは岡田オーナーと民間色が強いクラブ。ホームタウンも愛媛さんは「松山市を中心とする愛媛県全県(今治市も含まれています)」に対し、今治さんは「愛媛県今治市」とかなりバランスの悪い構図(ひょっとして行政は愛媛さん寄りだったりして)。でも全く同じカテゴリに所属。
 個人的には人口の少ない愛媛県にJリーグを目指す2つ目のクラブを作った岡田氏には正直いい印象を持っていません(同様の理由でJFLのいわきさんもそう)。というか、代表監督時代からずっと、当ブログでの評価は良くないままですが。
 ずっとJ2という意味で、愛媛さんは地元岡山にとってJ2の大先輩でした。経営面やコンプライアンス面で過去にいろいろありましたが、個人的には社会・地域貢献活動が光る存在で、いつか地元岡山もああいう取り組みをして欲しいと思わせた存在。そんな大先輩がJ2を去っていくというのは本当に残念です。しかも、鳥取さん、讃岐さんに続いて中四国のクラブでJ3に行かれるのは本当に口惜しい。ぜひ1年でJ2に帰って来て下さい。
J2愛媛関連: / / / / /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /

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