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村井チェアマンのサッカー愛7

2021-12-02 00:01:00 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 先日、サッカーダイジェストを読んできたら、先日のホームタウン制度撤廃報道について、村井チェアマンの肉声のコメントが掲載されていました。これは面白いという事でリスペクトしてみました。あの時は、村井チェアマンも最近は考え方が変わってきたのかなと思いましたが、今回のコラムを読んで、ちょっと一安心です。
   
【信じられなかった“撤廃報道”。村井チェアマンが改めて強調する「ホームタウン制度の重要性」】
〔骨格の部分は一切いじっていない〕
「地域密着の理念は、いわばJリーグの背骨です。『スポーツで、もっと、幸せな国へ。』というキャッチフレーズが付いている『Jリーグ百年構想』に『あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設を作ること』との一文があるように、『あなたの町」と謳っているところに地域密着へのこだわりが表現されていると思います。
 『あなたの町に』と宣言している以上、47都道府県にクラブチームを作ることをコミットしないといけないですし、Jリーグの具体的な世界観をそこからどんどんブレイクダウン(詳細化)させる必要もあります。
 そのこだわりはJリーグ規約にも反映されています。例えば入会基準の項目には、ホームタウンを定めること、ホームタウン内にスタジアムを所有すること、そのスタジアムで年間80パーセント以上のホームゲームを開催することなどの記載があります。またJリーグ規約の第24条では『Jクラブはホームタウンにおいて、地域社会と一体となったクラブ作り(社会貢献活動を含む)を行い、サッカーをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない』ことまで求められています。これは単なる掛け声ではなく、厳格なルールであることを強調しておきます。
 厳格と言えば、入会審査もそうです。同24条には『自治体および都道府県サッカー協会から全面的な支援が得られること』とありますから、ホームタウンの市長、場合によっては知事に『本当にクラブを支えますか』と面会の場で意思確認したうえで、『全面的に支援します』という誓約書までいただいています。
 Jリーグのホームタウンについてこれほど細かく規約を定めているにもかかわらず、『ホームタウン制度撤廃か』との報道がなぜ出たか。不思議でなりません。改めて主張したいのは、この骨格の部分は一切いじっていないということです。
 Jリーグがここまで発展できたのは、例えば『鹿島アントラーズ』が一貫して『鹿島アントラーズ』だったからです。仮に最初のクラブ呼称が『住友金属フットボールクラブ」だったらどうなっていたでしょうか。住友金属はその後、新日鉄と合併して新日鐵住金になり、19年には日本製鉄に商号変更しています。今、アントラーズの筆頭株主はメルカリなので、もしかすると、『メルカリ・アントラーズ』になっていたかもしれません。地域名称をチーム名に取り込んでいたからこそ今日までクラブのブランドが変色しなかったわけで、地域名称の部分が企業名だったらファン・サポーターは根付かなかった可能性があります。
 私はチェアマンになる前、3年ほど香港に在住していました。そこでは企業が変わるたびに、サッカークラブの名称、ホームタウンなども変更されました。当時の記憶を辿れば、リーグ戦の観客数が1000人にもいかないような試合が普通にありました。これはコーポレートカラーによってチームカラーが変わってしまうことが多少なりとも影響している結果だと感じました。翻って、Jリーグは創設のタイミングからホームタウンについての規約をしっかりと定め、一貫して地域との関係性を築けました。それはこれからも変わることはありません。
 Jリーグが法人設立された当初はバブル経済崩壊前で、企業の力がとても強い時代でした。そんな企業の支えなく、Jリーグが発展するのは無理だろうと考えられていましたが、それでも『地域に根ざす』というスタンスを崩さなかった川淵三郎さん(当時のチェアマン)の慧眼には恐れ入ります。30年先を見据えた決断で、結果的にそれは正解でした。
 もっとも、ドイツには『50+1ルール』という決まりがあって、投資企業がクラブのオーナーシップを独占できないようになっています。そういうモデルがヨーロッパにある中で、川淵さんたちはJリーグを世界と遜色のないリーグにしようと高い志を持っていました。世界のリーグ事情やクラブ経営をスタディしていたからこその決断でもあり、地域密着が決して突飛なアイデアではなかったわけです。今日までクラブの価値が変わらない状況を保った意味で、地域密着は極めて重要な要素になるのです。
 だからこそ、撤廃報道を耳にした時は正直、憤りを感じました。すぐさまJリーグの公式サイトを通して『そうした事実はない』と表明したくらいですから。その報道に対するファン・サポーターの反応からも、いかに地域密着が大事な思想かが改めて分かりました。

 ここまでは今までのJリーグの取り組み、価値観の中で「ホームタウン」が占める意味を具現化されて、至極ごもっともな話になっています。模範解答のような内容で、過去に何度も耳にしてきた言葉。当ブログでは、やはりJリーグの中に未だにMLSなどオーナー制による商業主義を進めたい、いわば「アメリカ派」がいると個人的に思っています。そして、シャレンに代表する昔ながらのJリーグ百年構想を進める「ドイツ派」が多くを占めている。
 しかし、最近IT関連企業を中心にオーナー制に近いクラブが増えてきて、それらの経営者(実行委員)達の声がJリーグに響くようになってきた。理事会等で地域(ホームタウン)を余り意識しないアメリカ派が発言力が増してきた。また、執行部にも同調する役員が増えてきたのではないでしょうか。その声を聞いた末に、じゃあ観測気球を上げてみて、ファン・サポーターの反応を見てみましょうという流れになったのではと、勝手に妄想にふけっています。アメリカ派には上の村井さんの言葉をぜひ聞いて欲しいですね。

〔地域に閉じこもることが密着ではない〕
勘違いしてもらいたくないのは、地域に閉じこもることが密着ではないということです。東京のターミナル都市で物産展が展開されているように、アピールの仕方はいくらでもあります。Jリーグも地方クラブの新宿や渋谷でのPR活動を数年前から認めていますし、それはごく自然な流れだと考えています。こうした現状と時代の変化を含め、クラブのマーケティング活動についてルールの一部を見直すというのが我々の動きであって、断じて撤廃などではありません。もっとも、こうした動きも議論を重ねていて、今に始まったわけではありません。」
「Jリーグの全57クラブに求められているのは、それぞれのカラー。クラブフィロソフィーを言語化する作業を推進しています。社長や監督が変われど、サッカーのスタイルは不変。そのような理想を体現してほしいと願っています。
 単純に競い合うというよりも、57通りのサッカーでスポーツ文化を豊かにしてほしいです。57通りの戦い方や人材育成の体現こそが、ホームタウン制度の醍醐味だと考えています。」
「サッカーはとにかくミスが多い競技です。プロが試合をしても0‐0で終わるケースが珍しくありません。どれだけ挫折するか、それがサッカーの定義と捉えていいのかもしれません。ただ、その挫折を味わえるからこそ、困難を乗り越える力も育めます。ですので、選手たちにはホームタウンを愛するファン・サポーターに“生き様”も示してもらいたいです。現役時代の中村憲剛さんが大きな怪我から復帰して活躍したように、選手の頑張りがそのクラブの地域に与える力は特別なものだと信じています。」
引用:SOCCER DIGEST Web

 後半のお話はいくらか突っ込みどころがあります。村井チェアマンの話の中に、ホームタウンの外でのPR活動のルールの見直しとありますが、現在の紳士協定的に大都市圏のクラブに了解を取るスタイルのままで、なぜダメなんでしょうか。お互いの意思疎通があるからこそ、今まで何のトラブルも無かったのに、それをオープンにしてしまうとどうなるか。例えば岡山駅前でサンフレさんのPR活動が行われ、補助陸でサンフレさんのサッカー教室が勝手に実施されます。地元岡山は表向きはどうぞどうぞという態度でも、足元でそんな事を勝手にされては、そりゃ内心面白くないでしょう。
ホームタウンの外でのPR活動のルールを見直すという事はそういう事なのでは。
 J1クラブはホームタウンの外に出れても、果たしてJ3のクラブが同じ事ができるでしょうか。まずは地元で愛されて、地元ファンにスタジアムに足を運んでもらう事が優先課題でしょう。そこら辺の「格差」が軽視されていると思います。いわば「J1目線」かなと。JリーグはJ1だけのリーグではありません。J2、J3、そして百年構想クラブを始めとするJリーグ入りを目指すクラブのものです。
 当ブログでは旧国立で過去にJクラブが興行した事があるので、絶対にダメとは言いません。今までどおりでいいではないですか。ややこしい事を考えるから、誤解が生まれ、ファン・サポーターが離れていき、更に地域密着を図ろうとするBリーグ等に目が行ってしまうのではないでしょうか。

 もう一つ、ケチをつける訳ではないですが、どうして都内にもう一つスタジアムを作ろうとするのか。新国立競技場を積極的に活用すればいいじゃないかと思います。そうでなくても負の遺産化する「ハコモノ」で、今後稼働率など問題になってくると思われるので。
 あと、東京には中立地があるような言われ方をしていますが、クリアソン新宿さんがJFL入りを狙っています。ホームタウンは新宿区だそうですが、将来的に広げられていくのでは。他にも23区をホームタウンとするクラブが増えてくるでしょう。そうなると中立地でなくなっていきますね。その辺りも都内中立地で都外クラブがPR活動をするという話がずれてくると思われます。
 もう一つ、今回のコラムを読んでいると、何だか村井さんはネーミングライツ構想をやんわりと否定しているかのように読めます。やはり、アメリカ派とドイツ派が存在し、村井さんがドイツ派なのかなと思ってみたり。来月新チェアマンが発表されると聞いていますが、新チェアマンもこの村井さんの路線を受け継いで欲しいです。
Jリーグホームタウン規制緩和&ネーミングライツ騒動関連④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211028
   〃                                    ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211026
   〃                                    ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211022
   〃                                ①:
https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211020
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers 

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