(写真:文藝春秋)
松本で行われた卒業40年の集まりから帰って、5年前に深志の仲間たちと、雑誌『文藝春秋』のグラビア「同級生交歓」に登場したときのことを思い出しました。
それは、ゲストとしてお招きした恩師のお話の中に、「校舎を飾ったゲバラの肖像画」のエピソードが出てきたからです。
懐かしいので(笑)、『文藝春秋』に写真と一緒に掲載された文章を転載しておきます。
ちなみに、この時のメンバーは・・・・
写真右から
・スカイパーフェクト・コミュニケーションズ専務
田中 晃
・日本テレビ報道局長
足立久男
・映画プロデューサー
新津岳人
・写真家
遠藤湖舟
・ノンフィクション作家
下川裕治
・東京工科大学教授
碓井広義
「同級生交歓」松本深志編
碓井広義
私たちが信州の松本深志高校を卒業したのは昭和四十八年の春。映画『さよなら、クロ』のモデルとなった学校犬クロの「最期」を看取った学年である。
田中は夏休みが終わっても上高地から下りてこない“山岳部の猛者”だった。早大から日本テレビに入社し、箱根駅伝や世界陸上などのディレクターとして活躍。後にメディア戦略局次長などを務め、現在はスカパー!の経営陣の一人だ。
下宿生活の高校生、足立は当時から“大人”だった。東外大から日本テレビに入ると報道一筋に歩み、今はそのトップである。新人時代、現場からの第一声が「何と言っていいか、わかりません!」だったのも懐かしい。
深志の文化祭で、校舎を覆い尽くす巨大な「ゲバラの肖像画」を掲げた新津は青学大から日活。フリーに転じると、母校の先輩・熊井啓監督が松本サリン事件を描いた『日本の黒い夏〔冤罪〕』などを制作した。現在は金子修介監督の新作を準備している。
深志の写真部長だった遠藤は早大卒業後に企業の研究者となり、やがて写真家として独立。その天体写真が海外の雑誌やNASA関連サイトに掲載され、昨年秋には写真集『宇宙からの贈りもの』を上梓した。
高校時代から校内誌に文章を寄せていた下川は慶大から新聞社へ。退職後は旅をテーマに多くの本を書いてきた。『12万円で世界を歩く』は今も若い旅人のバイブルだ。近著に『日本を降りる若者たち』がある。
病気になったクロのために募金活動をした碓井は慶大に。テレビマンユニオンではドキュメンタリーやドラマのプロデュースを行ってきた。後に大学の教壇に立ち、慶大助教授、千歳科技大教授を経て、この四月から現職。妻の理枝もまた深志の同級生で、今年銀婚式を迎えた。もちろん家の中では「碓井君!」と呼ばれ続けている。
(『文藝春秋』2008年5月号掲載)
<追記>
上記の各人の肩書きは、「同級生交歓」が掲載された当時のものです。
2017年4月現在、
田中 晃→WOWOW社長
足立久男→福岡放送社長
碓井広義→上智大学教授
となっています。