明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

わたしの求めるもの。

2007-11-08 12:29:00 | 想い
ぼんやりと、時間が過ぎるのを見ている。
空の青さが眩しい。

今週に入ってから、
心が浮き立つ、ということがない。

料理をあれこれ作って、家の中を磨き立てて、
ライター仕事にしがみつくのは、
こういう時間をもちたくないだけのことだと気付く。

自分と向き合う時間。

お金に困っているわけでもないのに、仕事がないと落ち着かないのは、
「仕事」を理由にできないため。
わかっているけれど、自分と向き合うことができない。

生活は楽しく、幸福で、美しい瞬間がある。
仕事先の人からも認められ、評価を受け、実際の仕事も次々もらえている。
世の中で一番小さな単位くらいの「成功」はおさめているように思える。
だけど、こうやってたっぷりの時間と自由が自分に与えられたとき、
私は自分の底にある空虚さを知る。

それが何なのか、見つめることすら億劫だ。

なのに、偉そうに人の心にはドカドカと土足で入り込むようなことをする。
泥をつけて、それを拒まれると「あんたはそんなに清潔なのか」と叫ぶ。
人の人生なんて誰にも背負えないと知っていながら、
それでも、人の心を動かせるものは、やっぱり人だけなんだと、
その想いが湧き上がるのを押えきれず。

がんばれ、がんばれと、人を口先だけで応援し、
自分の誠意は、相手の心に土足で入りこむ「真っ直ぐさ」なのだと主張する、
こんな愚かなことはない。

人は、人に、決して踏み入られたくない弱さをもっている。
そこに無理に踏み入れると、異常なほどの頑なさで壁を作られる。
そんな壁を、何度も見てきた。
そのたびに後悔してきた。
相手を傷つけたのと同じ衝撃が心に迫るのだ。
鏡みたいに跳ね返る。

人のことにお節介するなら、まずは自分と向き合わなくては。
自分は一体どうなのか。
結婚して、いろんなことが良い循環で動き出して、
まるで最初から傷ついたことも傷つけたこともない、幸せな人間みたいな顔して生きている。
向き合うことも忘れて。

壁を作られて、跳ね返ってきたものを、まともに心にくらったときから、
私は自分の底にある空虚さから目をそらせなくなった。
そして、相変わらず「いい訳」と「逃げ場」を探している。

この日記もまた、いい訳であり、逃げ場でしかないのを知りながら、
自分の心を整理するために、書いている。

最近の食卓。秋はおいしいものが多いよね。

2007-11-07 22:01:58 | 美味しいもの
料理の写真がたまってきているので、少しご紹介。

今、どんな野菜がおいしいか?
やっぱり「春菊」でしょう。
「水菜」もいいし、そういう葉物がおいしい時期。

春菊は熱を加えると独特の匂いがして、あれがあまり好きじゃない。
なので、だいたいサラダにして生で食べるのだが、
今日は火を通すことに。


↑新レシピ。
「春菊の豚肉巻き・照り焼き風」

春菊をさっと茹でて水に放ち、よく水気を切る。
それを豚肉(しゃぶしゃぶ用)を何枚か並べて大きくしたもので巻く。
フライパンで焼き、醤油・酒・みりん・砂糖という王道の4点調味料で照り焼きにするし、切って出来上がり。

この器、久しぶりに使ったけど、やっぱりいいなぁ。


↑いわしの生姜煮。
生姜・酒・酢・醤油で煮た後、さらにたっぷり生姜の千切りを乗せる。
これだけで、ご飯3杯はいけますね!
いわしは栄養価が高く、安くていい。


↑しろ菜と油揚げの煮物
「シロナ」って売られているのは、関西だけって聞いたことあるけど、そうなんかな?
小松菜のようなチンゲン菜のような・・・。
さっと茹でたあと、水に放ち、しぼって切って、油抜きした油揚げと一緒に炒め、そこに出汁・醤油・みりん・砂糖を。
肉厚の油揚げと一緒にさっと炊く。
こういうおかずは毎日食べても飽きないと思うのは・・・私だけ?


↑さつまいもの鶏そぼろあんかけ。
芋の時期なので、芋料理のレパートリーを増やそうと思って作った。
あっさりした鶏そぼろと、さつまいもの甘さ、それに生姜のピリッとした味が良いハーモニーです。


↑しいたけのおかかマヨネーズ焼き。
彼がしいたけを嫌いなため、これは私のお昼メニュー。
粉チーズとかつおぶしとマヨネーズを混ぜたものをしいたけにたっぷり乗せて、オーブントースターで焼くだけ。
簡単で、ビールに合う!


↑海老チリ卵。
栗原さんの本に、牡蠣で載ってるんだけど、それの海老バージョン。
辛味はほとんどなく、卵がさらにまろやかにしてくれる。
彼もお気に入りの1品。


↑いつのご飯だか・・・。
たまに、興がのって作りすぎると、こうなる。
定番料理ばっかりだから、作りすぎてもたいした時間はかからない。
芋が家に山ほどあったんだろう、芋料理のオンパレード。

きんぴらごぼう、万願寺唐辛子の煮浸し、チンゲン菜の卵とじスープ、里芋の含め煮、ジャーマンポテト、さつまいもと海老のかき揚げ。

食欲の秋だからね。
根菜、葉物、芋類、きのこ、秋刀魚、秋鮭など、おいしい食材がたくさんあって、料理も楽しくなる季節。
みなさんもおいしいもの食べて元気に頑張りましょう!

珈琲を飲めるようになった。

2007-11-07 12:11:31 | 美味しいもの
最近、私に驚くべき変化があった。
昔から私をよく知っている人なら、一緒に驚いてくれるだろう。

なんと、「コーヒーを飲むようになった」のだ。

実は今も、仕事をしながらコーヒーを飲んでいて、
おお、これは報告せねばと、仕事中断。(なぜ?)

私はずっとコーヒーが苦手だった。
「味」や「香り」が嫌いなわけではない。
むしろ、コーヒーの香りがしてくると「いい匂いだなぁ」と鼻をクンクンさせたし、「コーヒーゼリー」や「コーヒー味」のお菓子も喜んで食べた。

だが、この夏まで、コーヒーを出されて飲んで「美味しい!」と思ったことがなかったのだ。
なんだか水っぽく感じたし、変に苦さだけが舌に残る。
かといって、ミルクや砂糖をふんだんに入れると、コーヒー独特のもったりした甘みに変化し、後味が非常に悪い。
そのうえ、胃にもたれる。
なぜかわからないが、コーヒーを飲むと必ず気分が悪くなった。

それで、私はずっと「紅茶党」を貫いていたわけだ。
まあ、紅茶が好きなのは別にコーヒーが飲めないからではないが・・・。

でも、コーヒー道具って素敵なのだ。
豆をひくミルも、サイフォンも、いろいろかわいいのがある。
デロンギのコーヒーメーカーも、それ自体を所有したくて何度か買おうとしたことがある。
調理器具フェチの私には、たまらない。
一番欲しいのは、水出しコーヒーの装置。
1滴ずつ水で出していくコーヒーを家で淹れられたらどんなにいいだろうかと長年思っていた。
だけど、肝心の「コーヒーを飲む」という行為が無理なのだから、道具を揃えても意味がないと諦めていた。

「よし、結婚したらダンナさまのために美味しいコーヒーを淹れてあげよう」
なんて、昔は思い描いていたこともあったが、
実際結婚してみたら、なんと彼も紅茶党。
飲めないわけじゃないようだが、「コーヒーを飲みたい」とは一度も言ったことがない。

ちなみに、今年は食に関する目標を2つ掲げていた。
1つは「チーズを極める」で、
もう1つが「コーヒーを飲めるようになる」だった。

「チーズ」のほうは、ただチーズを食べまくっていただけで、「極める」にはほど遠いまま、今年を終えようとしている。(来年に持ち越そう)
が、「コーヒー」のほうは、なんとかクリア!
来年はコーヒー道具を揃えてみようかとも考えている。
凝り性だからなぁ、私は!
ハマッたらどうなるかわからない。また散財しそうで怖い。

ところで、なぜ急にコーヒーが飲めるようになったのか、ということだが、これはゆうちゃんのお陰である。
京都に行ったとき、UCCが経営している「上島珈琲店」に連れて行ってくれたのだ。
全国に数店舗展開している「上島珈琲店」。
京都にも河原町・烏丸辺りに2、3店できている。
大阪だと、キタにはあまりなくて、心斎橋や北浜などだ。

ブログにも書いたけれど、ここで「オレンジミルク珈琲」を飲んだのだ。
これが、まあ、旨くて!
それ以来、寝ても覚めてもこの珈琲のことばかり!

先日も、取材の後、近くだったので北浜のお店まで行ってきた。
夏限定だったので、もうこの珈琲はなく、代わりに黒糖ミルク珈琲を飲んだのだが、これも美味しかった。

それで気付いた。
そこそこ美味しい豆を使っていれば、甘くしてもコーヒーは美味しい。
缶コーヒーの砂糖が入っているのは後味が悪いし、取材先の会社などで出されるコーヒーもたぶんインスタントを溶かしているから水っぽく、砂糖を入れるとおかしなことになる。
でも、この甘くて美味しいコーヒーなら、飲める!

また、砂糖を入れなくても、甘いフレーバーコーヒーなら飲めるようだ。
これもあまりに安物はたぶんダメだけど。
ちなみに今飲んでいるのは、1つずつパックされたドリップコーヒーだけど、クレーム・ブリュレのフレーバーコーヒーだ。
1杯分100円なので、めちゃくちゃ安くはないし、それほど高くもない。
これだと、ほのかに甘い香りがして、砂糖やミルクはなしでも美味しい。

まだまだコーヒーに関しては邪道な私。
紅茶だったら、「フレーバーティーが一番好き」なんて言っている人がいたら、メッタ斬りにしてしまうだろうに(笑)。
フレーバーティーは気分を変えるのには悪くない。
私もいくつか持っているし、気に入ったフレーバーのものは飲んでいる。
だけど、紅茶の本当の美味しさには、茶葉にしかないし、その茶葉をいかに極めるかが紅茶の面白さだ。

だから、たぶん本当のコーヒー好きな人に言ったら、同じことを言われるだろう。
コーヒーは「豆」だと。
豆と焙煎と、淹れ方で決まるんだ、とかなんとか・・・。

でも、まだまだ私はコーヒー初心者。
人生でまだ30杯も飲んでないんじゃないか?
そんなコーヒー界の新参者だから、許してもらおう。

とりあえず、今年7杯目のコーヒーを飲んでいる。
それも、自ら淹れて!
これがすごいことだ。

また、これだけ大人になってから、新しい味を好きになるというのは、なんだかとても新鮮で嬉しい。
ビールが苦くなくなったときや、
40度のウイスキーをストレートで飲み干せるようになったときや、
芋焼酎の匂いが気にならなくなったときや
寿司の酢の酸味が喉を通ったときの、
あの喜びに似ている。
(今でも悪い寿司は、ネタよりシャリの酢の匂いが気になって食べられないけど。)

「食」というのは、単に「美味しい」かどうかだけでなく、素材や製法まで知ってこだわり続けると、とても面白いものだ。
身近な例でいうと、ウイスキーでも、ただ「美味しいなぁ」と飲んでいるだけじゃなくて、工場へ行ってその製造の過程を見れば、歴史と開発し続けた人々の想いを感じ、そこにある種の「ロマン」を垣間見ることができる。
何年もの間、貯蔵庫で寝かされ、熟す機をじっと樽の中で待っているのを感じると、その琥珀色の液体が愛しくさえ思えてくる。
だから、実際に口に含んだ時、感動する。
美味しいんじゃない、「感動する」のだ。
美味しいだけなら、本能で動物でも感じられる。
食に関して感動できるのは、人間だけが与えられた感謝すべき特権だ。
でも、それは、素材や製法、そこに関わる人々の思いや歴史を知らなければ得られないものだ。
だから、「食」は奥が深くて面白い。飽きない。

話が思い切り逸れたが、とにかくコーヒーを飲めるようになった私。
これから少しずつコーヒーのことを知って、極めていこうと思う。
私をそんな気にさせたUCC「上島珈琲店」、本当の珈琲好きからしたら邪道かもしれないけれど、好きになるきっかけを与えてくれた店だから、なかなかのツワモノだと思う。

来年は、珈琲とチーズ。
そう、チーズに関しても、今年は「チーズが家にないと落ち着かない」という、チーズ大好き人間になっただけで、全くの無知。
来年こそ、ちゃんと勉強しないとね。

※「○○大好き人間」って、死語っぽい。

梅乃宿、蔵開きに行って来ました

2007-11-06 22:30:11 | 
11月3日、奈良の酒蔵「梅乃宿」の蔵開きに行ってきた。

小さな酒蔵だけど、私はここのお酒が好きで、阪急に来るたびに買っていた。
最近ではDMも来るようになり、通販で買うようにもなった。
それで、蔵開きがあることを知ったのだ。

夫と、あやととしくん夫妻と4人で行った。
蔵開きというイベントは初めてで、わくわく。

2時間近くかかったけれど、会場に着くとかなり盛り上がっている。
既に酔っ払って赤い顔をしたおっちゃんなども歩いていて。

会場では、お酒の試飲が自由にできる。
ちょっとしたおつまみの屋台も出ていて、無料の立ち飲み屋みたいなもんだ。
奈良らしく柿の葉寿司や、お惣菜の「おつまみセット」、ポテト、鳥皮焼きなどを購入し、それをアテにいろいろ試飲した。

時間制で蔵見学もでき、それにも参加。
ビール工場もウイスキー工場も何度も行ったが、日本酒造りの工程を見るのは初めてで、とても面白かった。
前に、伏見の酒蔵には行ったことがあるが、そこは実際に使っている道具などを見せてくれるのではなく、「記念館」になってしまっていたので、また違った。

小さな酒蔵だけど、真剣に酒造りに取り組んでいることがわかる。
それにしても、日本酒をちゃんと造ろうと思ったら、なんて手間がかかるんだろう!
醸造アルコールをぶちこんでごまかして造っている会社の酒がおいしくないわけだ。
本当に美味しい日本酒を造ろうと思ったら、手間と時間と技術がいる。
なんとも奥が深い。

改めて、この文化を守っていきたいなぁと思った。
好みはあるにしろ、日本人なのに「日本酒だけは苦手」なんていう酒飲みがいることはやっぱり悲しい。
それはきっと、本当に美味しい日本酒が、あまり出回っていないからなのだと思うし。

そんなことを考えながら、蔵見学を終えた。
としくんが「うちの工場とそっくり!」と言っていたのが面白かった。
もちろん、としくんの会社はお酒を造っているわけではない。
製造工程が似ているということなんだろうなぁ。
・・・中身はプラスチックだけど。

他にもイベントは盛りだくさんで、抽選会もあり、当たるとお酒が一斗も貰える。
「当たれ、当たれ!」と本気で祈っていたが、4人ともはずれた。
だけど、「利き酒大会」があり、それは正解者全員に4合瓶のお酒が貰える。
これは絶対当てないと!と気合を入れて臨んだ。
しかし、この利き酒が難しい!
「銘柄」ではなく、「度数」を当てるというもの。
確かに、こんな酒飲みばっかり集まってる会で「銘柄」だったらほとんど全員当たってしまうだろうしなぁ。
でも、日本酒の度数って、15度~19度くらいが普通だから、ほとんど1度刻みの違いを当てなければならない。

「い」「ろ」「は」「に」
の4つのお酒が置いてあり、自由にお酒を利くことができる。
何度でも飲みなおしてよし。吐き捨ててよし。水もある。
あやは、やる気があるのかないのか、一度飲んだだけで記入していたが、こちらはなんとしても当てなければ気がすまない。
何度も飲み比べた。

実は、やるまでは全く自信はなかった。
普段、40度以上のアルコールをストレートで飲んでる私にとって、15度や18度の違いなんてわかるわけないだろうと思っていたからだ。
だけど、ちゃんと利いてみれば、違いは明確!
「わかる!」と思ったら、必死!

「は」「に」「い」「ろ」と並べた。
彼は「は」「い」「に」「ろ」だった。
あやととしくんも、誰一人として同じ並び順はなかった。

私は自信があった。
伊達に何年も日本酒好きを豪語してきたわけじゃないよ!と思った。

・・・それが。

なんと、彼が正解。

正解はたった15名だったという。
真ん中の「い」と「に」が反対だった私。
彼は偉そうに「こんなんすぐわかるって!」と私をあおるし、悔しくてたまらなかった。
あやととしくんの前だから「すごいなぁ。残念!」なんて大人の対応をしていたが、家に帰ってから暴れた。
猛烈に暴れた。
子供の頃から私は自分が負けると泣いて暴れるのだ。

不覚だ。
悔しい。

でも、家に賞品の4合瓶がもらえたことはまだ良かった。
こうなったら腹いせに全部飲んでやろうかと思っている。

救われたのは、その後、会場内にある「飲みくらべバー」に行ったときだ。
ここには、普通では買えない秘蔵のお酒が置いてあって、こちらは有料。
1杯ずつ飲んだ。
そのとき、隣のテーブルにいたおっちゃんが話しかけてきたのだ。
おっちゃんも私と全く同じ間違いをしていたという。
「あれは『に』の順番が難しかった。あれは難しいお酒やった」
とおっちゃんは言う。
私も同意して、こんないかにも酒マニアみたいなおっちゃんと同じ間違いをしていたのだから、まあいいかと思うことにした。

そんな感じで楽しい時間が過ぎ、帰りにお酒もたっぷり購入した。
まだ夕方だったので、ここからまた飲みに行くことに。
としくんが「ここと、ここと、ここと、3軒候補がある」と言うから、「じゃあ、3軒とも行こう!」ということになって、既にいい感じの4人。

1軒はお休みだったのだけど、結局3軒ハシゴして帰ってきた。
すごく楽しかった。

最近、思うことがある。
友達はもちろん、友達の夫、友達の家族、友達の友達など、そういう小さくて身近なコミュニティを大切にしたいなぁと。
人間というのは不思議なもので、基本的に同じような人間が「輪」を作る。
だから、私の友達と夫はすぐに仲良くなるし、私も彼の友達と仲良くなる。

結婚式が終わった後、うちでホームパーティーをしたことがあった。
私の友達、総勢9名が一声で集まってくれた。
私の友達は、なんだかわからないけれど、「私の友達」と仲良くなる。
誰一人として「知らない人ばっかりやから行きたくない」というような態度は見せない。
むしろ、私の話に聞いている「○○さん」と話してみたい!と言って、参加してくれる。
私も基本的に人が好きなので、友達がその友達を連れてきても全く平気だし、新しい人と知り合えることも嬉しい。
でも、もしそれが「合コン」だったり、自分の信頼していない人の知り合いだったりしたら、全く会いたくない。多少、面倒くさい。
やっぱり、自分の好きな人が仲良くしている人だから会いたいと思うのだ。
だから、たぶん、私の友達もそういう想いで来てくれるのだろう。

友達の夫、友達の友達、夫の友達、夫の友達の家族、夫の友達の彼女。
そんなふうに、輪が広がっていく。
それは、なんだか今の自分や、今後の自分、これからの世の中にとても必要なことだと、漠然と思うようになっていた。
でも、それをはっきりと言葉で表現したことがなかったので、彼の友達のけんちゃんのブログにこんな言葉が書かれているのを読んで、「ああ、これだ」とはっきりわかった。

  今日本は従来の価値観が壊れ、誰も一般的な「幸福」の
  ビジョンを示せない、
  それでもあえて幸福の基準を問うなら、
  それは「自分自身の最小の共同体を持っているかどうか」
  にあると考える、
  というのは作家の村上龍氏の言葉ですが、
  自分も説得力のある意見だと感じます。

これを読んだときに、うわぁ・・・と思った。
何度も読み返した。
自分が漠然と感じていたことが、こうやって明確に言葉になると、非常に衝撃を受ける。
私が漠然と感じていた、自分の小さなコミュニティ。
これが今の、そしてこれからの、幸福のビジョンなのかもしれない。

もっと具体的に言えば、あやとこんな話をしていたことがあるのだ。
もし、としくんが死んだら・・・(としくん、ごめん)、それでも、私やふみこがいて、小さいけれどこういう共同体があって、それでなんとかやっていけるかなぁと。
逆の立場でもそう思う。
もっと物理的な話になってもそうだ。
年金も社会保障も信頼できない世の中。
高齢化は進み、私たちが老人になる頃の日本なんて、おそらくひどいもんだと思う。
その前兆は既に現れている。

親は既に自分より年老い、おそらく他界している。
そうしたとき、一体何を頼りにするのだろう。
夫が生きていればまだいい。子供が生まれていればまだいい。
だけど、それすら保証されない今の時代。
自分の今の幸福、そして今後の幸福のビジョンは、小さな共同体以外には見出せないような気がして。

ホームパーティーで、学生じゃあるまいし、30歳もとうに過ぎた女性ばかりが、明け方まで飲んで騒いで。
そういうことを「良し」と思える人たちが周りにいて。
あの時、私は本当に幸せだった。

あや、ふみこ、もんちゃんなど、家族ぐるみで一緒に遊ぶことも増え、私の共同体は少しずつ広がりを見せている。
こういう人たちが自分の周りにいることが幸せだし、これからもずっと守っていきたいといつも思う。

蔵開き、本当に楽しかった。
彼と二人でも楽しいだろうけど、やっぱりあやととしくんがいてくれたことで、楽しさはぐんと増した。
私の、大切に守っていきたい人たちだ。

晩酌。

2007-11-02 23:25:00 | 美味しいもの
今日のゴハン。

白菜の豚肉ロール煮。


いよいよ白菜の季節だなぁ。
これは去年初めて作って気に入ったレシピ。
今年も何か1つは白菜を使った新作を作りたいと思う。



こちらは、何かバーボンに合うおつまみはないかと調べて作ってみた。
ジャガイモを柔らかくしてつぶして、オリーブ油、牛乳、にんにくのすりおろし、ツナ、レモン汁を入れてペースト状に。
クラッカーにのせて食べるといい感じだ。

結婚のお祝いにいただいたバカラのグラスに、バーボンはファイティング・コック。
今日の私の晩酌。
ちょっとお洒落にね。

河井寛次郎 炎の造形展へ行く

2007-11-02 14:41:14 | 生活
  『新しい自分が見たいのだ―――仕事する』

陶芸家・河井寛次郎の言葉だ。

こうも言う。

 『昨日の自分には人は皆用がない。繰返しなんかには用がない。
 いくら繰返しをやって居ると思つても、
 その繰返しの中にいつも繰り返さない自分を見ようとして居るのだ。』

新しい自分を見たくて、仕事をする。
仕事は暮らしで、暮らしは仕事。
私はこの考え方がとても気に入っている。
私の生き方に合っている。

水曜日、あまりに天気がよく、急ぎの仕事もなかったものだから、
ついつい散歩に出かけてしまった。
行き先は決まっている。
大山崎山荘美術館だ。
本当にまあ、私は飽きもせず、せっせとここに通っている。

自分の「美」の感覚の原点ともいえる場所であり、
この世の創作物で私が最も美しいと思える作品を所蔵しているのだから、何度行っても飽きることはない。

それに、今は「河井寛次郎 炎の造形展」をやっているので、早く行こう行こうと思っていたのだから、ちょうどよかった。

いつものようにてくてく歩いて40分。
緑の中に、あの美しい建物が見えてくると、心浮き立つ。


河井寛次郎の作品は、それこそいろいろな場所で見てきたが、
今回の展示会はなかなか面白い趣向で展開されていた。
寛次郎の技法と造形の多様さに焦点をあてて検証する、というのだ。

そういう意図で展示説明もあるため、非常に興味深い展示会だった。
「釉薬の魔術師」といわれていた寛次郎の、類稀なる才能がよくわかり、
改めてすごい人なんだと思わざるを得なかった。



「辰砂」といって、銅の成分を含んだ釉薬で焼く技法があるのだけど、
寛次郎はこれがとても好きだったらしく、辰砂の焼き物は非常に多い。
私もこの辰砂が好きで。
河井一門の中で、私が持っているのは河井久氏(寛次郎は大叔父にあたる)と、その息子の達之さんのものだけだが、やはり辰砂の薄い赤色に惹かれてしまう。
ただ、寛次郎のような赤に近い色や時には緑も混じったような色のものは見たことがなかった。
この画像の奥の蓋物の色といったら・・・!
写真では全く伝わらないが、本当に素晴らしかった。
いつまでも見ていたい気持ちになった。

私は陶芸を学んだこともないし、釉薬のことを勉強したこともないが、
とにかくこういうのばっかり見ていると、自然にちょっとは知識がつく。
今回の展示会は、そのちょっとした知識を少し固めてくれるようなもので、久しぶりに知的欲求が満たされた気がした。単純に、面白かった。

例えば、呉須といって、寛次郎がよく造っている青っぽい色の焼き物があるのだけれど、それとは少し違う、もう少し明るい青で緑がかったような作品もある。

今まではその違いがわからなかったのだが、どうやらこれは「碧釉」といって、呉須とは全く違う、寛次郎があみだした釉薬とのこと。
なるほどなぁ。

あと、釉薬だけでなく、「練上」などの技法も習得していて、
寛次郎の練上はあまり見たことがなかった(印象になかった)ので、本当にこの人はどんな技法もものにしてしまう天才だったのだと実感。

こういうのは、とても寛次郎らしい。
三色を使った作品。
この色合いにいつも心くすぐられる。


陶器だけでなく、こういうオブジェのようなものも結構あって、
特に「手」をかたどったものが多いのだが、
こういうセンスもまた好きだ。
わかる人はわかると思うからあえて書くけど、なんで「サバラ!」やねん。
「グワシッ」もあったらよかったような・・・。
(by 楳図かずお「まことちゃん」より)


このぐいのみも素敵だったなぁ。
これでお酒を飲んだら、どんなに美味しいだろうかと妄想が膨らみ、ちょっと泣きそうだった。


結構じっくり見て、寛次郎の魂を堪能した。
音楽と一緒だなぁ。
テクニックや実用性、見た目の美しさ、それを兼ね揃えた作品というのはたくさんあるけれど、「魂」の入ったものは少ない。
でも、SOUL TO SOULで響いてくるものというのは、この世にいくつかはあるのだ。
そういう、魂の造形だった。
だから、美しいんだろうなぁ、普遍的な美だ。

いつものように、2階から私の町を愛しく眺め、


安藤忠雄建築のもう1つの美術館でモネの「睡蓮」を観て、
それから庭園でいつものように、ここの主の木にあいさつをして、


また、40分かけて歩いて帰った。
とても穏やかな午後だった。

ずっとこういう生活をしたかったんだよなぁ。
天気の良いきれいな日に、思いつきでこうやって散歩して、好きな場所へ行って、好きなものを観て・・・。
そういう自由な生活。
仕事もあるにはあるが、まあ、今日は夜やろう、と。
そんなふうに、自分でスケジュールを管理できるのがいい。

歩いているとき、ふと母のことを思い出した。
まだ母が会社勤めをしていたときのことだ。
私は大学生くらいだったと思う。

ある日の夕方、家に帰ると母がいて、いたずらを告白するように私に言ったのだ。
「今日、詩仙堂に行ってきちゃった」
「え?なんで?会社は?」
「さぼった」

なんでも、朝、普通に会社に行こうと家を出たのだが、ふと詩仙堂に行きたくなって、会社をさぼって一人で京都まで行った、というのだ。

詩仙堂はお寺だけど、江戸初期の文人・石川丈山が隠棲した山荘でもあって、仏教色は薄く、とても風情ある庭をもつ。
母がここを好きなのは知っていた。
だけど、会社をさぼって一人で行くなんて・・・。

あのときの母はどんな気持ちだったのかな、なんて歩きながら考える。
辛かったのかな、淋しかったのかな。
今となっては、それを尋ねるのは難しい。
だけど、なんとなく、なんとなくだけど、今ならあの時の母の気持ちがわかるような気がするのだ。


せめて料理でもしてあげんとな・・・

2007-11-01 22:04:51 | 美味しいもの
また仕事が忙しくなってきた。
・・・と言っても、私のことじゃない。
夫のことだ。

憔悴しきった顔で帰宅し、「今度は900ページのサイトやらなあかん・・・」と重荷な様子。
大きな仕事を任されるということは、認められているのだろうし、嬉しいことだが、また終電続きの日々が始まるのだなぁ、と、複雑な気持ちになる。

私はというと、相変わらず細かい仕事をせっせとこなしている。
また今週末もコピーの仕事が1本入った。
例によって、金曜夕方に最終ラフがあがって、月曜朝イチで原稿アップ。
また土日に仕事をしろと・・・。
さすがに3週連続なので、先方も「すみません・・・」とようやく謝ってくれた。
快く引き受けると、「よかった!」と安心した様子。
そういうのを聞くと、まあいいか・・・と思ってしまう私もどうなんだか。

とにかく私は真面目に仕事をこなすし、
最近は、認められること、褒められることが増えている。
今日も某企業の取材インタビューの原稿を提出したら、
修正一切なしで返って来た!
こういうのが最高に嬉しいんだよなぁ。
「地道に頑張ろう」と思ってしまう。

こうやってのらくらやっているようだが、仕事も順調に増え、この2ヶ月くらいは収入も結構ある。
だけど、彼がめちゃくちゃ働いているので、あんまり遊んでいると申し訳なく感じてしまい、せめて料理くらい・・・と、かなり力を入れている。

今日の新作。
「大根とセロリのスープ・柚子風味」


ベーコンと大根、セロリを軽く炒めて、そこに水とスープの素を入れる。
あとは、セロリの葉、柚子、コショウで風味付け。
簡単、ヘルシー!
これなら真夜中に帰ってきて寝る前でも、少しおなかに入れられるだろう。
今日はあと、カレー風春巻きと、里芋のサラダ。(まだ写真撮ってない)

ちなみに、昨日は秋刀魚の新作。
せっかく秋刀魚の美味しい時期だから、いまのうちに秋刀魚レシピはもう少しレパートリーを増やそうと思っている。


↑こちら、秋刀魚のネギ味噌焼き。
ネギと味噌、みりん、酒、砂糖を混ぜておいて、フライパンで焼いた秋刀魚に乗せて、さらにふたをしてじっくり焼く。
味噌が香ばしく、ネギと合って美味しい。
ご飯でもいいけど、酒の友にもなる1品だ。


↑久しぶりに作った、ピーマンの肉詰め焼き。
ハンバーグの中身みたいなのに、チーズを混ぜて、それをピーマンに詰める。
さらに、パン粉を付けて焼く。
ソースをかけて食べるとおいしい。

こういう夕食メニューとは別に、お弁当はお弁当用のおかずを作る。
なるべく、朝・お弁当・夜のメニューがかぶらないようにと配慮している。
今朝も、「朝早く行って仕事したいから、7時過ぎに家出る」と言い出して、眠いしイヤだったけど、6時半に起きて、から揚げ弁当を作った。
寝るのは彼に合わせて2時前なんだから、ちょっとカンベンして欲しい・・・

でも、こういうとき、自分は料理好きで良かったなぁと思う。
基本的に楽しいし、まあ、趣味も兼ねているから、そんなに面倒でもないのだ。
第一、自分で食べれるからね。

ただ、料理好きの妻をもった夫は、LLサイズになりますが(笑)。