明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

ばかもの

2010-09-29 23:16:46 | 
どとーの取材月間も明日で終わる。

今月は取材記事とちょこちょこした依頼が多い月やった。
取材は全部で14件あった。
明日の彦根で終わりだ。
これでようやく一段落(といっても原稿はまだいっぱい残っているが)

昨日の取材はすごく楽しかった。
社内報の記事で、成果のあった取組をした人をクローズアップするコーナーなんだけど、
このコーナーに載るのも初めてで、全面的に仕事を任されたことも初めてという人で。
緊張しつつも、取材されることを本当に嬉しそうに、いろいろ話してくれた。
帰り道に、「めっちゃいい人・・・」とひとりごちて、
とてもあたたかい気持ちになった。

こんなふうに取材は楽しいのだけど、昨日はちょっとハードだった。
朝取材に行って、帰ってお昼ご飯を食べて、
午後からまた取材に行って、帰って3品作ってご飯食べて、本を読んで、
塾に行ってフォローに入って、その後、採用の面接をやって。

家から駅まで3往復はきつい
(片道15分強)
でも、充実した1日だった。

本は、絲山秋子さんの『ばかもの』を読んだ。
ブログによく書き込みをしてくれるhiroさんのオススメだったので。
絲山さんの作品は、たぶんデビュー作の『イッツ・オンリー・トーク』しか読んだことがなかったと思う。
その作品は、特に印象がなかった。
可もなく不可もなく、という感じ。

今回の『ばかもの』は、なかなかよかった。
とにかく読ませてくれる。
まあ、私は結構速読で、それも面白いと思えば何があっても(ご飯を抜いても、徹夜しても)一気に読みきってしまうタイプなので、とりあえず一気に読んだ。
取材先の近くの本屋で買って、移動中の電車で読み、
残りは家に帰って読んだ。(単行本1冊1時間半くらい)

最初は延々と性描写が続くのだけど、不快感はなく、
あまり下品な感じもせず、「あー、わかるわ」みたいなリアルさがあった。

その後、アル中の話は身につまされるような気がしたが、
まあ、まだ自分はここまではいっていないだろうと、逆に安堵したりも。

とりあえず、先へ先へと読み進ませる力があり、読後感も悪くはなかったが、
ただ少しだけ自分の中に違和感が残った。
私は誰にでも感情移入してしまうタイプなのだけど、
この小説に出てくる額子という女性にはなぜか感情移入できず、
最後まで彼女の本心というか・・・
心を理解することができなかった。
自分とは全く違うタイプの人間だからだろうか・・・

それだけが残念で、変な違和感は残ったが、
それでもなんだか引き込まれ、かついろんなことを考えさせられる作品だった。
(hiroさん、ありがとう)

そして、読み終わってからこの『ばかもの』というタイトルの重みが
なんだか迫ってきたのが心地良かった。
上手に生きている人だって、誰しも「ばかもの」になるのかもしれないな。
セックスに溺れたり、アル中になったり、宗教にはまったり。
弱さがあって、人を傷つけて・・・
「今日」から目をそらして、「自分」を見ないようにして、
そうやって生きていきながらも、闇の中でもがいて、何かにしがみついて。

でも、最後に生きる力になるのは、やっぱり「人」なのかもしれない。
本当に大事なのは、たいしたことじゃなくて、
吹けば飛ぶような幸せ。
でも、小さくても、とても確かな。
そんなことを感じさせてくれた。

もっと絲山さんの小説を読んでみたくなり、今は『ダーティ・ワーク』を読んでいる。
ストーンズが好きな、ギタリストの女性の話。
面白かったら、勧めようかなと思っている人がいる。

この夏は本も読まないし、自分でも書かないしで、言葉から遠ざかっていた。
秋になってまた本を読み始めたし、ブログも最近は毎日更新中。
こういう習慣を大事にしたいと思う。

さあ、明日は朝早くから彦根だ。
頑張ってこよう