明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

感謝ばかりしている彼

2007-04-26 21:51:26 | 
長い長い独身生活にも、あと2日で幕を下ろす。

25でフリーライターになってから、ずっと一人で仕事して、
26で家を出てから9年、一人暮らし。
思えば、何かと一人で頑張り続けた10年だった。

でも、私は人に恵まれているから、いつもいろんな人に助けられてきた。
誰も私を幸せにはしてくれなかったけれど、
自分で幸せになる「力」を与えてくれた。

彼が、私を「幸せにする」なんて言うと、私は「そんな言葉いらない」という。
「幸せっていうのは、自分の心の中にあるものだから。外からやってくるものではないから。だから、私のことを幸せにするなんて言わないで。一緒に幸せになろうよ」
私がそう言うと、素直な彼は目を細めて「かおり、すごいな」なんて言う。

「これから、未来は楽しいことばっかりあると思うで!」
出会った最初の頃、彼はよく私にそう言った。「楽しみやな」と。

「未来を楽しみにする」とか「幸せになる」とか、そういう当たり前のことが、あの頃の私にはどうしてもできなかった。
だけど、彼が「楽しみやな」と言うと、なんだか本当に楽しみになったし、
一緒にいる時間や空間が、いつもやわらかくてあたたかいから、
いつしか心がふわふわしている状態が、当たり前になってきて。

数ヶ月経って、ふと気付く。

ああ、これが「幸せ」っていうやつか、と。

未来が楽しみで、心がふわふわ。
優しくて、あったかい。
これが、みんなのいう「幸せ」ってやつなんだ。
確かにコイツは、一度味わったら失いたくないな。

毎日、「幸せやな」を繰り返す彼。
友達や親戚や上司、たくさんの人が忙しい時間を割いて、自分のために結婚式に来て、祝ってくれる。
そのことを実感するたびに、「幸せやな」と笑う。

でも、この1年、彼はほとんど終電以外の電車で帰ってきたことがない。
早くて、帰宅11時。
土日もよく出社して、家に持ち帰って仕事して。

さらに、挙式前のこの2ヶ月ほどは、本当に仕事のピークで、会社を出るのが真夜中の1時とか2時とか、という時もある。
嫌がらせのように、挙式に合わせて仕事もピークを迎え、この1週間はタクシー帰りや始発帰りも多かった。

そんな中、お父さんの病気・手術もあったり、わがままな私の言うことをきいたり、週末はバンドの練習だ、式の打ち合わせだと、休む間もなく。

自分の夫になる人のことを、こんなところで褒めたって仕方ないけど、
この人の本当に偉いところは、ハードな仕事をこなすことでも、人に気を遣うところでもなくて、絶対に「愚痴を言わない」ところだ。

私がいくら「その会社、おかしいんちゃうん?どうにかならないの?!」と怒っても、彼は決して愚痴を言わない。

今日、こんなことを書いているのはなぜかと言うと、昨日、本当に彼に感謝したからだ。

昨日、もんちゃんが私の結婚式のために、栃木から帰ってきた。
8時半頃、新居に遊びに来た。
当然、彼は真夜中帰宅だと思っていたら、1つの仕事の山が終わったらしく、一度体を休めようと、珍しく10時にもならないうちに帰ってきた。

私の作ったオムライスを食べて、もんちゃんと3人で飲んでしゃべる。
※もんちゃんは飲めないので、水を飲んでいた。
それが、楽しくて楽しくて、あっと言う間に夜中の1時になってしまった。

もんちゃんを見送った後、私はちょっと悪いことしたな、と思っていた。
「今日は疲れてる」とメールしてきたくらい疲れていたようだったし、数ヶ月ぶりにこんなに早く(といっても10時)に帰って来られて、たまっている挙式の準備をしたりとか、いろいろやりたいことがあるのもわかっていたのだ。
なのに、自分がもんちゃんと話したいものだから、構わず話し続けていた。

もんちゃんの姿が見えなくなった後、どんな顔をしているのかと、おそるおそる覗き込んだら、真っ暗な道の真ん中で、なんと彼は笑っていた。
「あ~、楽しかった~!かおりー、すっごい楽しい~!もんちゃん、大好きやー」
そう言って、ニコニコ笑ってるのだ。

・・・この人って。

2人でじゃれあいながら、新居まで走って帰り、灯りの中に飛び込んだ。

この人って、本当に「いい人」だ。
欠点もあるし、悪いこともたまにするけど、それでもやっぱり「いい人」だ。
私みたいに愚痴を言わない。
いつも感謝ばっかりしている。

どんなに仕事が大変でも、「仕事があることに感謝」。
お父さんが病気になっても、「生きてくれていることに感謝」。
疲れた体をひきずって帰ってきても、「ビール1杯に感謝」。
短い睡眠時間でも、「何のためらいもなく眠れることに感謝」。
わがまま言って暴れている私をたしなめた後も、「かおりがいてくれることに感謝」。
友達に感謝、音楽に感謝、美味しいものに感謝、健康に感謝。
とにかくいつも感謝ばかりで、絶対に愚痴を言わない。

もし、彼に欠点があったとしても、やっぱり彼は偉い人だ。
私はこういう人を人生の伴侶にできることが、何より嬉しい。

彼に、出会えたことに感謝