三十年近く経過した我が家の「モンステラ」

2007-12-09 20:32:29 | 植物と動物

 この植物が我が家にやってきたのは、私が初めて自宅を建設した昭和50年(1975)頃であり、義姉が観葉植物の小鉢を抱えてやってきて、その名を知ったと記憶している。そして、他の観葉植物と一緒に食堂の北向きの出窓に置いて、定期的に水遣りをして、約25年間経過した。しかし、斜めに茎が少し伸びた状態で成長がほとんど止まっており、枯れることなく存在感もなく、名前も忘れていた。 
  そして平成11年(1999)に近くのマンションに移住することになり、モンステラの鉢はマンションのベランダに移動し、冬季には室内で育てることになった。ところが、眠っていたモンステラの葉が急に大きくなり、太い茎部が伸びてきたので、茎の節部で根の生えているところをカットし、直径20cmくらいの大きい鉢2つに分けた。新しく挿し芽した鉢が数年でさらに大きく育ったので、直径40cmの大鉢に植え替えた結果、2年後には葉の長径が80cmくらいとなり、現在の葉の広がりは畳半畳くらいに育った。

 
  私は観葉植物の育成についてはまったくの素人で、専門家の立場から見れば当たり前のことと思うが、初めて観察を続けると不思議なことに気がついた。12月に入って冬場は成長を止めて休んでいると思っていたモンステラの新芽がでた。そして新葉についている丸い穴の数や位置が親葉と異なっていた。
 
 
通常、同じ茎から出る葉は同じ遺伝子にもとづき同じものと思っていたが、よく観察すると一枚ごとに穴の位置と数が異なっていた。
 
また、一度に多く水を与えると、葉の先端から水を垂らすことも観察した。モンステラはサトイモ科に属しており、大きい根から水分を吸収する力が強いので、葉の吸収力と葉からの蒸散力を超えて水滴となって落ちると想像される。 
  さらに想像を重ねると、葉に切れ込みや丸穴があるのは、葉から水分の蒸散速度を高める目的で蒸散面積を増やし、風通しをよくする目的ではないかと考えた。モンステラの語源がラテン語のモンステラム(お化け、怪物)と書いてあるが、不思議なことの多い植物である。京都府立植物園の観覧温室で育っている数メートル高さのモンステラを観ると、水や肥料を控えて生育を抑える必要がありそうだ。しかし、モンステラには花と実が出来るのでそれを観るまで生育させたい気持もある。今後私の寿命を越えることは間違いない「モンステラ」の鉢の由来を振り返ると、この三十年に起った多くのことを思い出すこのごろである。


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