善導寺型灯篭について

2009-06-07 02:16:00 | 歴史と散策

 高瀬川一之船入り町にある「廣誠寺」の特別公開があり、その見学記をホームページに紹介したが、高瀬川に沿った廣誠寺庭園の東南の隅に大型の石燈籠があり、ガイドの方から「善導寺型灯篭」であると説明を受けた。この石燈籠を高瀬川から見ると、明治維新に際し攘夷派の志士により暗殺された佐久間象山と大村益次郎の遭難碑がある場所と背中合わせの位置に存在する。
 標準型の石灯篭の構造を上部から見て、宝珠・笠・火袋・中台・竿・基礎に分けられるが、善導寺型灯篭の最大の特徴は六角の「火袋」の外面に、茶碗・炭取・火鉢・火箸・茶釜・柄杓・五徳などの茶道具が彫られていることである。
 茶道にくわしい伊集院兼常が設計した茶室の前庭の隅に、この石灯篭が設置されたように、この石灯篭は茶人に好まれたといわれている。

 廣誠寺をでて木屋町通の北の突き当たり(歩いてすぐの距離)に、「善導寺」が存在するので、訪ねてみた。竜宮造りの門前にある解説板によると、六角堂付近に創立されたのが16世紀の永禄年間、火災でこの地に移転したのが天明8年(1788)の浄土宗寺院である。
    
     善導寺の竜宮風の山門            前庭にある善導寺型灯篭

説明板によると、庭には2基の善導寺型灯篭があり、一つは書院奥に鎌倉時代の白大理石の石憧を改めたもの(非公開)、一つは前庭にあるもの(上右写真)である。
善導寺型灯篭の特徴を追加すると、基礎上部に6枚の丸くて厚い蓮弁をつけ、竿部もふっくらと丸味があり、中台の側面にはハート型の彫りこみがある。全体として厚っぽい感じのする石灯篭である。どこかの庭で再会したいと願っている。

 


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