ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

宇部市芸術祭〝俳句の集い〟

2018年12月02日 | 俳句

 今日の予報は晴れのちくもりで、夜が雨でしたが、宇部市芸術祭〝俳句の集い〟が終わって帰る4時過ぎにはポツポツと降り出してしまいました。11時に集合して、席題と詠み込みを決めます。今年は席題が「風呂吹」、詠み込みは「紙」です。

 12時から受付開始、13時投句締切で、開会。最初は「学生の部」事前投句の講評と表彰式。小・中学生から195句の応募がありました。例年に比べると学生の部も一般の部も応募数がかなり減っていましたが、一般の部はもしかしたら選者の徳田千鶴先生(ホトトギス同人)が急逝された影響があるのかもしれません。

 優秀賞は中学生の部10句、小学生の部3句でした。小学生受賞の句、〈あんどんの光がゆれる夏の夜〉で、〝あんどんという言葉をよく知っていましたね〟と、選評の先生が聞くと、本人は恥ずかしがって答えないので、付き添いのお父さんが〝夏休みの工作で一緒に作ったんです〟と。ああ、そういう体験があって出来た句…なるほどと思いました。大人でも子供でも同じですね。何もない所からは俳句は生まれません。やはりその人の歩んできた人生から生まれたもの、それが一人だけのものではなく多くの人々に受け容れられ、広く普遍的なものへと深まっていった時初めて佳句として認められるのでしょう。もちろん俳句も自己表現の一つですので、自分さえ分かればそれでよし…と思う人がいてもそれは自由です。また、小説にSF小説があるように仮想現実で遊ぶ俳句があってもいいかも知れません。それぞれの立場や考え方で創作するのですから、これこそ絶対にこうでなければならないということは誰にも言えないことでしょう。なのに…やり方が違うからといって人を非難するということは、その人にそれだけの値打ちが本当にあるのかと疑ってしまいます。いらぬことを書いてしまいました。人はひと、我はわれです、気にせずにいきましょう。中学生の部では、〈出番待つ日永の隅の薄い月〉の句が印象に残りました。季語の〈日永〉がよかったですね。

 今年から学校賞も設けましたので、修学旅行の時に生徒全員に俳句を作らせ、それを応募させられたF中学校の国語の先生が授賞式に来られていました。オメデトウございます。これをきっかけに市内の小・中学校にも広がっていくと嬉しいのですが…来年を楽しみにしましょう。

 他に宇部には常盤公園がありますので、今年もそこに投句箱を設置して、その中から特別賞として3人の受賞者が出ました。その中に〈あきさめだちょうこくたちがぬれている〉の句があり、賞状を取りに出たのは…、もちろん子供の句だとは分かっていましたが、まだ幼稚園ぐらいの可愛いお子さんで、お母さんと一緒に来られていました。賞状を貰って帰る時に、きっと教えられたんでしょう、それををふと思い出したかのように、一瞬立ち止り私たち選者へペコッとお辞儀をしたのが何ともカワイらしく…みんなの微笑を誘っていました。

 事前投句の一般の部の応募は138句、その中から最高の宇部市長賞は、〈シベリアを知る飯盒や蟻の列〉でした。山口県長門市の画家香月泰男の美術館での所産だそうです。わが教室のHさんも宇部市教育長賞を受賞。句は〈関門へ向く大砲にいぼむしり〉、下関のみもすそ川公園に関門海峡を睨んで長州砲のレプリカが5台並んでいますが、それを詠んだということでした。〈いぼむしり〉はカマキリのこと。他にも4名の入選、席題句でも優秀賞5名のうちの2名が入選と、我が教室のみなさんとても立派な成績をあげられました。メデタシ、メデタシです。ご苦労様!私も…疲れました。写真は、その〝俳句の集い〟の様子です。

 

 

 

 

コメント (2)
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