金沢の観光スポットレポート(No.1772)
◇兼六園の梅林2020-6 番外編(アンズ、梅林の梅でない梅)
〇梅林の歴史
兼六園の梅林は、藩政時代には竹沢御殿や馬場などがあった跡で、明治には長谷川準也の屋敷となった。戦後は兼六園広場として野外催事に使用され、その後金沢大学が城内に移ってからは、昭和43年(1968)明治百年記念事業として「兼六園梅林」が造営された。ところが、長年の放置と踏圧された荒地に植えられた梅株は育ちが悪く、昭和48年(1973)改めて樹間に深溝を掘り、堆肥を補い、高く盛土して勢いを再生させた。
開園時には太宰府天満宮、防府天満宮、北野天満宮、道明寺天満宮、湯島天神、偕楽園、七塚町、兼六園観光協会などより、白梅13種・160本、紅梅13種120本が寄贈され、昭和50年(1975)ロータリークラブより白梅25本が寄贈された。
21)アンズ(杏)
ウメ、スモモの近縁種。梅とちがいアンズは熟すと甘みが出て、種と果肉が離れる。桜に似たピンクの花が咲く。場所は明治記念標左の手向け松曲水沿いにある。
■写真はアンズ(2020.3.17)
■写真はアンズ(2020.3.21)
〇梅林の梅でない梅
1)ソシンロウバイ(素心蝋梅)
中国原産。わが国へは明治時代に渡来したといわれています。高さは2~5メートルになり、卵形から長楕円形の葉が対生。「ろうばい」の変種で、花披片全体が黄色をしています。蝋細工のような花で、芳香があります。12月から2月ごろ、冬枯れのなか、葉の展開に先立って花を咲かせる。
■写真はソシンロウバイ(2020.1.24)
2)ダンコウバイ(壇香梅)
・日本全国の山地に野生する落葉低木。枝を折ると香りがあり、クロモジと同様に枝が楊枝の材料になることで知られる。
■写真はダンコウバイ(2020.3.12)
3)リキュウバイ(利休梅)
中国の揚子江下流域を原産とする落葉樹で、明治末期に日本へ渡来した。開花は4~6月。主張し過ぎない清楚な花が茶人に好まれ、茶庭に使われることが多い。名前も千利休にちなんでおり、「千利休の命日に咲く」という逸話も。
■写真はリキュウバイ(2019.4.22)
4)キンシバイ(金糸梅)
梅雨前後の初夏に咲く濁りのない黄色い花が見所。丈夫な性質と、半日陰でも育つことから庭の低木としてよく見かけるおなじみの花木です。花の形がウメに似ていることから金糸梅の名がつきました。
■写真はキンシバイ(2019.6.12)
(兼六園の梅林2020 完)