植ちゃんの「金沢・いしかわに恋をしました!」

金沢に永住して金沢・石川が好きになりました!その魅力を紹介します。

卯辰山「碑(いしずえ)」巡り ①

2017-06-25 04:20:04 | 日記


金沢の観光スポットレポート その690(No.1046)

◇卯辰山「碑(いしずえ)」巡り ①

5月14日(日)石川県ウオーキング協会の5月例会「卯辰山碑探訪」に参加した。

今回のテーマは卯辰山の顕彰碑、功労慰霊碑、歌碑、句碑、書碑などの建立の場として金沢市民に親しまれている「碑林 ひりん)」の約65あるといわれる内の20碑を巡り金沢の歴史訪探をするものです。

■写真は金沢駅をスタートする参加者



○卯辰山

 卯辰山は金沢城の向かいに位置することから、金沢市民には「むかいやま」と呼ばれいる。標高141.2m、周囲約8km、春日山・観音山・愛宕山・茶臼山など多くの峰や丘の間には鴬谷・梅谷などの谷があり、鴬・梅・紅葉の名所といわれてきた。
 卯辰山が一般に開放され、公園になってからは、顕彰碑・功労碑・歌碑・句碑・書碑などの建立の場としても市民に親しまれ、「碑林」とも呼ばれ、今日では金沢の歴史探訪の場ともなっている。
 山頂には国土地理院の二等三角点があり、この三角点は「金沢」と命名されている。

■写真は浅野川右岸(梅の橋付近)



1)潮の響き・矩 幸成 (かね こうせい) 1903-1980

 彫刻家、金沢市玄蕃町生まれ。1928(昭和3)年東京美術学校・彫刻科本科卒業、日展会員・審査員・評議員を歴任、昭和44年金沢美術大学を定年退職し名誉教授となる。幸成が作成した金沢市内の主な記念碑として、殉難乙女の像(卯辰山)・自由と正義の像(中央公園)・鈴木大拙先生の碑(本多町)・浄(武蔵ケ辻)などがある。
 天神橋を渡って卯辰山への坂(記念新道)を上がりはじめると、すぐ帰厚坂への分かれ道にでる。ここ自宅の前に、幸成の最終作「潮の響き」の像が、昭和56年、妻邦子によって建てられた

■写真は潮の響き・矩 幸成



2)泉 鏡花句碑、比翼塚(いずみきょうか) 1873-1939

 小説家、本名は泉 鏡太郎、金沢生まれ。明治23年上京し、24年尾崎紅葉の門に入る。同29年の「照葉狂言」でその本領を発揮するに至った。鏡花の作品は、抑圧された庶民、ことに女性への同情を主題にしていたといえる。記念新道を上がると洗心庵跡の一段上のカーブに、1947(昭和22)年泉鏡花顕彰会建立の碑が建っている。
 碑面上部に「鏡花先生の碑」下部には「はゝこひし 夕山桜 峰の松 鏡花」の句が刻まれ、裏面には略歴などが刻まれる。
そして、文字もはっきりとはしないが「比翼塚」と製作年と思われる「文政十二己丑・・・・・・」とを刻んだ古い自然石が、鏡花句碑のすぐ横にさりげなく置いてあつた。 心中した者を憐れんで作られたのを、誰かが運んできて置いたらしい。何となく鏡花の風情にふさわしく感じられた。 その石も何処かに運ばれ、その跡に現在は比翼塚と刻んだ新しい石が置かれている。

■写真は泉 鏡花句碑、比翼塚



3)綱村流水歌碑 (つなむらりゅうすい)

医師・俳人。本名藤沢基行、金沢市生まれ、明治32年叔母の綱村家の養子となるる1927(昭和2)年歌誌「閑古鳥」に入会、同21年「新雪」を創刊、その主宰となる。花菖蒲園の右、卯辰三社への登り口の左手に、昭和41年古希を祝って綱村流水歌碑建立建設委員会によって建てられた歌碑がある。表には「冬潮ははひたぶるよせて川口
の洲をつくときに白く波あぐ」と刻み、裏面には流水の略歴が刻まれています。

■写真は綱村流水歌碑



4)津田米次郎翁発明顕彰碑と像(つだよねじろう) 1862-1915

 織機製造、金沢生まれ。1880(明治13)年木綿力織機を案出した。わが国の動力織機の草分である。
のち、津田式絹力織機の完成をみた。豊田佐吉の綿自動力織機とほぼ同時代である。さらに工夫を凝らし絹織物業界の急速な発展に寄与した。
 紅葉谷から飛鴬台へ登る段の右側に、大正6年建立の津田米次郎翁の銅像が高い台座の上に立っている。その右側に大正6年と昭和34年の顕彰碑が並んでいる。銅像は太平洋戦争末期の金属供出をまぬがれた珍しいものである。

■写真は津田米次郎翁発明顕彰碑と像



5)清水誠先生顕彰碑 (しみずまこと)1846-1899

 科学者、金沢生まれ。1870(明治3)年フランスへ留学し工学を修める。留学中から、マッチの製法を研究していたが、製造法の改良に苦心の末、輸入を削減し輸出するまでになった。この碑は津田米次郎翁銅像の上、飛鴬台上にある。昭和39年9月清水誠顕彰会の建立で、碑面には「清水誠先生顕彰碑」と刻み、碑裏には略歴・建立者(顕彰会)などが刻まれている。題字は畠山一清の書である。

■写真は清水誠先生顕彰碑

(つづく)