many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

夢のあもくん

2022-05-15 18:47:25 | 諸星大二郎

諸星大二郎 2022年3月 角川書店
3月に発売になった諸星大二郎の新刊、『アリスとシェエラザード』と一緒に買った、いちどきに諸星マンガの新しいのふたつ読めるなんて至福至福。
シリーズとしては『あもくん』の続きである、と言って今ふりかえると、前刊出たのは2015年だった、もう7年も経ってんのかと驚く。
しかし、本書の「あとがき」で著者自身は、シリーズ最初の「ことろの森」を『幽』に描いたときから18年経ったと、もっとすごい驚き方してます。
初出は、途中で『幽』から『怪と幽』に変わったそうですが、帯によると年3回の発行らしいので、それぢゃ単行本になる本数までたまるには時間がかかる。
でも、前は一話6ページくらいだったりだけど、新しい媒体では12ページとか16ページの長さになっているようなので、また待っていれば単行本にはなるかもしれない。
それでもなんでも、雑誌購読しない私としては単行本にしてくれるとありがたい。
さて、主人公の「あもくん」は少年で、本名は「守」なんだけど、年下の親戚の子が幼くて口が回らないときに「まもる」が言えなくて「あもくん」と読んだのが由来。
親戚の子も今では「守おにいちゃん」と言えるようになった、ときどき父親がからかうように「あもくん」と言うのを守はすごく嫌ってる。
でも、オバケたちとか夢の中の友達とかが、なぜか「あもくん」と呼びかけてくる。
このことについては、かつて「雨の日はお化けがいるから」のなかで、不思議な少女「茜ちゃん」が、「その方がいいわ、ああいうのにはほんとの名前を知られない方がいいの」と名言を残しています。
その茜ちゃんが本書では「逢魔が時」にゲスト出演。
それだけぢゃなくて、「夢のともだち」には、なんと稗田礼二郎先生まで出演、長いことファンやってる者にとってはうれしい演出です。
あ、前作を読んだことないひとのために言うと、なかみは、なんつーか現代風な怪談です、街のなかにいる見たくないのに見えちゃうオバケのこととか、悪い夢で怖いおもいして目が覚めても何が現実か夢なのかわからないとか、そういう感じ。
コンテンツは以下のとおり。
人形少女
羽毛田君の奥さん
こっちでもへび女はじめました
塀の穴
登山君の遭難
海で呼ぶもの
風の強い日
給水塔
夢のともだち
ムンクの女
回談
しつこい夢
マスク
夢の集会
またまたあもくん
逢魔が時
夢の劇場


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パンダの死体はよみがえる | トップ | 視点をずらす思考術 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸星大二郎」カテゴリの最新記事