many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

TECHNODON

2023-04-26 18:56:41 | CD・DVD・ビデオ

YMO 1993年 東芝EMI
ちょっと前に、教授=坂本龍一が亡くなってしまった。
むちゃくちゃ好きとかそういう感じまでではなかったものの、なんつーか尊敬するミュージシャンのひとりだったので、ちとショック。
(どっちかっつーと、私には『Ev.Cafe』なんかで与えた影響のほうが、音楽より大きい。)
では追悼でなにか聴こう、と過去にここに出してないものを探してみたら、これがでてきた。
(ほんとは「ウラBTTB」ってのを探したんだけど、どーしても見つからない、CD入れぢゃなくてどっか本棚にでもまぎれこんぢゃったのかなあ…?)
当時なんでこれ買ったのか(私にとってYMOはほとんどレンタルで済ませてたはずなんで)記憶は定かぢゃないんだけど。
だって、特にこの曲好きだから、みたいなのが見当たらないしねえ。
でも、ひさしぶりに聴いたら、2.「NANGA DEF?」とか5.「HI-TECH HIPPIES」とか、いいなあと思った。
なんか、トゥクトゥクチャカツク、ピホピホピュンピュン、いってるのが、YMOって感じがする。
1.BE A SUPERMAN
2.NANGA DEF?
3.FLOATING AWAY
4.DOLPHINICITY
5.HI-TECH HIPPIES
6.I TRE MERLI
7.NOSTALGIA
8.SILENCE OF TIME
9.WATERFORD
10.O.K.
11.CHANCE
12.POCKETFUL OF RAINBOWS

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盤上のパラダイス

2023-04-20 18:41:36 | 読んだ本

若島正 二〇二三年四月 河出文庫版
つい最近、っていうか先週か、書店で見かけてつい買ってみた文庫、おもしろそうに思えたんですぐ読んでみた。
単行本は1988年の刊行だという、なぜにいま文庫版が新しく出るんだろうか、謎。
著者の名前だけはさすがに私でも知っていた、いま現在だって「将棋世界」誌に懸賞詰将棋を出題してるくらいだし(私には解けない)。
つーことはタイトルの「盤上」ってのは、詰将棋の話だろうなと手にとったんだが、表紙めくってみて巻頭のいくつかの写真みて、タイトルの「パラダイス」ってのは「詰パラ」のことかい、って気づくのが遅かった。
「詰将棋パラダイス」という専門誌があるらしい、らしいってのは私は本物見たことがないからだけど、あるってことは有名だ。
で、本書は、
>この『詰将棋パラダイスに』には、じつにさまざまな人々が群がっている。(略)
>わたしがこれから綴るのは、そうしたパラダイスの住人たちの、愛の物語である。(p.17)
ということで、マニアな人々が登場するものだった、ちと私にはきびしい。
「詰将棋パラダイス」を立ちあげたひとは、明治45年生まれの鶴田諸兄という愛知のひとだということも、私は知らなかった。
なんでも十代前半の中学生のときに、「大道棋」に出会って夢中になって研究し、景品荒稼ぎしまくってたら怖い筋らしきお兄さんに脅かされた、なんて武勇伝の持ち主だそうで。
ぢゃあアヤシイ稼業にすすんだのかと思いきや、昭和8年には巡査になって、戦時中は大陸にわたったりもしたが、戦後も愛知県で警察署に勤務してたんだという、けっこう意外、酒はよく呑んだらしいけど。
で、警察の仕事のかたわらで専門誌の編集発行をしてたんだが、昭和29年には警察をやめて、一時期休刊にしていた「パラ」を復刊させたんだという、なんかすごいな。
詰将棋はパズルとしては芸術的なものもあるんだけど、ほとんど趣味の世界で、
>(略)詰将棋作家たちは自分たちの作っている詰将棋が一文にもならないということをかえって誇りに思っている節すらある。どんなプロの将棋の名局にも優るとも劣らない、そうした「価値」を持つ詰将棋作品は実際に存在する。しかし、そうした人間の知の限界に達するような大傑作を残したところで、一生暮らせるだけの金が入るわけではない。(略)金銭とはまったく無縁だからこそ詰将棋を趣味として楽しめる――これが詰将棋マニアたちのマゾヒスティックな本音なのである。詰将棋で生活している人など、日本中に誰もいない。その意味で、詰将棋愛好家はすべてアマなのだ。(p.74-75)
ってのが、この独特の世界をよく説明してると思う。
章立ては以下のとおり。
(※著者の書いたものを読んだのは初めてだとばっかり思ってたら、第2章「詰パラとの出会い」を『棋士という人生』というアンソロジーで読んでたことが判明しました。)
1 詰将棋とは何か
2 詰パラとの出会い
3 鶴田主幹
4 詰パラの歩み
5 詰将棋作家
6 解答者
7 検討者
8 読者
9 主幹の死
10 新編集長の誕生

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サム・ホーソーンの事件簿II

2023-04-13 18:42:40 | 読んだ本

エドワード・D・ホック/木村二郎訳 2002年 創元推理文庫
先々月だったか、電車乗って初めて行った場所の古本まつりで、買った文庫。
ワゴン数台ってあまり大きな規模でもなかったけど、意外とバラエティあって、やっぱたまには自分にとって新しい市場ものぞいてみるもんだ。
と言いつつ、これは前に読んでわりとおもしろかったシリーズの続きなんで、ちっとも新発見ではないんだが。
日本で独自に編纂したという短篇集だが、シリーズの発表順の第13作から第24作を順に収録、初出は1978年から1982年だという。
物語世界は、1927年から1930年ころのアメリカ、禁酒法の時代だ、大恐慌が起きたときのことなんかも語り手によって触れられてる。
その語り手・主人公サム・ホーソーン医師は1922年にノースモントで開業したから、二十代後半から三十になろうかというころか。
短篇集を発表順に収録してんのは、ときどき「ぢゃあ次回は、そのときの話をしよう」みたいに、アラビアンナイト的につながりのあるエンディングを使ったりしてるせいもあるんぢゃないかと思ったんだが、ホーソーン医師の自慢の自動車が焼けてしまって新車を買ったりとか、友人でもある保安官が結婚したりとか、物語世界にいろいろとイベントが生じてるんで時系列に沿ったほうが無難ではある。
サム・ホーソーンも1929年の夏には年下の女性との恋をするんだが、そのあとに起きた事件との関わりなんかで、短い仲に終わっちゃう。
そう、サム医師は本職は医者なんだけど、なんかっつーと怪奇・一見不可能事件の現場に立ち会うはめになっちゃって、素人探偵として問題を解決していく。
ちょっと目を離したすきに、他に誰もいないはずのテントのなかで、石膏の立像が手に持っていた剣でもって男が刺し殺されたりとか。
真夜中に、仕掛けを知らないものには入り口を見つけられない隠されたドアを開けて、中からは出ることのできない秘密の部屋に入っていった男が、胸にナイフを刺されて座って死んでいたとか。
まあ、いろいろ不可能殺人が起きるんだが、短い物語のなかで、鮮やかにタネあかしされるのは読んでて楽しい。
収録作は以下のとおり。なお、最後の「長方形の部屋」はこのシリーズには含まれない、ボーナストラック。
伝道集会テントの謎 The Problem of the Revival Tent
ささやく家の謎 The Problem of the Whispering House
ボストン・コモン公園の謎 The Problem of the Boston Common
食料雑貨店の謎 The Problem of the General Store
醜いガーゴイルの謎 The Problem of the Courthouse Gargoyle
オランダ風車の謎 The Problem of the Pilgrims Windmill
ハウスボートの謎 The Problem of the Gingerbread Houseboat
ピンクの郵便局の謎 The Problem of the Pink Post Office
八角形の部屋の謎 The Problem of the Octagon Room
ジプシー・キャンプの謎 The Problem of the Gypsy Camp
ギャングスターの車の謎 The Problem of the Bootlegger's Car
ブリキの鵞鳥の謎 The Problem of the Tin Goose

長方形の部屋 The Oblong Room

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ドルズ・ハウスの映画館

2023-04-06 18:29:28 | 四方田犬彦

四方田犬彦 1993年 悠思社
これ、こないだ3月の古本まつりに出かけてったとき、探してたわけぢゃないけど、たまたま見つけたんで、即買ったさ。
棚に整然と並んでたんぢゃなくて、台のうえになぜかポンと出てた、それで表紙の絵をみた瞬間に、岡崎京子じゃん!って反応したわけで。
(四方田さんとヲカザキさんの関係については、過去に『ゴダールと女たち』記事コメントで教えていただいたことがある。)
なかみは著者の専門分野である映画のこと、あとがきによれば、1988年から1992年に朝日新聞東京版土曜の折り込み「風」に連載した映画評を集めたもの。
>この書物に集められているエッセイは、いずれもがひどく短いものばかりです。ぼくが普通に書く監督論や作品論が何十枚もする長いものであるとすれば、ここにはそのミニチュアが並んでいるといってもいいでしょう。(略)ドルズ・ハウスのように極小のものがびっしりと集められて、ひとつの匱(はこ)のなかに詰めこまれていると考えてください。ぼくがこの本を『ドルズ・ハウスの映画館』と名付けたのは、そこに理由があります。(p.6-7)
というのがタイトルの由来だそうです。
当然のように、とりあげられている映画は(私なんかの知らないような)ちょっとマニアっぽくて、
>ヨモタさんはアメリカ映画はお嫌いですか、とこのあいだ聞かれました。だってこのコラムではヨーロッパやアジアの映画は登場しても、ハリウッドが出てきたことが一度もないじゃありませんかと。冗談じゃない、とぼく。アメリカにも大好きな監督はいっぱいいますよ。(略)ただぼくは、昨今流行のハリウッド映画の子供っぽさが嫌いなのです。ぼくが観たいのは大人の映画。要するにそれだけ。(p.69)
と本文中でも語られてるとおりのチョイスです。
まあ、私は映画にはくわしくないので、そうやってせっかく上質なものを案内されても、特に観てみなくてはって気にはなかなかならないのだけれども。
一読したなかで興味もったのは、まず「てなもんやコネクション」、
>香港の男の子がひょんな偶然で日本観光旅行の懸賞にあたってしまいます。(略)彼は現金もパスポートもなくし、「浅草花やしき」に迷いこんでしまいます。彼はそこでなんと入場五百万人目のお客さんというわけで、夢の香港旅行ご招待。(p.136)
って、なんか楽しそう。
もうひとつは「テラコッタ・ウォリア(秦俑)」、
>時は紀元前三世紀。(略)はるかな東の国へ向かうのが嫌で、列を離れて逃げだした少女が、宮廷警備の若い武官と恋に陥ります。二人はひょんなことから本物の秘薬を口にしてしまい、以後、二千年にわたって離別と再会のドラマを演じます。(p.138)
っていうのも、ちょっと観てみたい感じする。
あと「マドンナ列伝」として、「6歳 オードリ・ヘプバーン」「8歳 浅丘ルリ子」「13歳 ブリジッド・バルドー」「15歳 吉永小百合」「15歳 アンナ・カリーナ」「17歳 ミア・ファーローとジーン・セバーグ」「17歳 ジェーン・バーキン」「19歳 マリア・シュナイダー」「22歳 グレタ・ガルボ」って、憧れた女優をあげてく章はおもしろかったな、ひとのそういう遍歴を読むのは嫌いぢゃないかも。
コンテンツは以下のとおり、なぜか発表順とか国別、ジャンル別とかぢゃなくて、五十音順に収録されてる。
青い青い海
紅いコーリャン
赤いシュート
赤と黒の接吻
アタラント号
アマチュア
安聖基
イザベル・アジャーニ
インタヴュウのコツ
インドシナ
インド夜想曲
美しすぎて
ウディ・アレンの『重罪と軽罪』
ウルガ
映画館でしちゃいけないこと
王手

革命前夜
数に溺れて
勝新太郎
悲しき酒場のバラード
彼女たちの舞台
狩人
カルテット
希望の樹
客途秋恨
キャロル・ブーケ
キャンディ・マウンテン
霧の中の風景
牯嶺街少年殺人事件
鯨とり
クラウス・キンスキー
桑の葉
ケーブル・ホーグのバラード
傾城之恋
こうのとり、たちずさんで
五月のミル
コックと泥棒、その妻と愛人
サワースィート
サンタ・サングレ――聖なる血
獅子座
シーズンオフ
徐楓
地獄の警備員
自由はパラダイス
シャーロット・ランプリング
上海ブルース
人生は琴の弦のように
ジャン=ポール・ベルモンド
シュガーグラス
12人の優しい日本人
ジュリエット・ビノシェ
真実の瞬間
聖なる酔っぱらいの伝説
存在の耐えられない軽さ
太陽は夜も輝く
誰かがあなたを愛してる
達磨はなぜ東へ行ったのか
菊豆
てなもんやコネクション
テラコッタ・ウォリア(秦俑)
遠い声、静かな暮らし
都会のアリス
ドグラ・マグラ
ドミニク・サンダ
囚われの美女
ナイト・オン・ザ・プラネット
夏目雅子
二十世紀少年読本
バイバイ・モンキー
バスティアンとバスティエンヌ・湖畔にて
バタアシ金魚
薔薇の王国
春来る鬼
春のソナタ
バロック
ピーター・ローレ
ピストルと少年
ふたりのベロニカ
冬の旅
冬物語
フランチェスコ
フリーダ・カーロ
ブリジッド・バルドー
林青霞
ペレ
北京物語
ホワイト・ドッグ
ボヴァリー夫人
ポンヌフの恋人
マイライフ・アズ・ア・ドッグ
マドンナ列伝
真夜中の虹
マリア・シュナイダー
マリリン・モンロー
曼陀羅
右側に気をつけろ
見知らぬ人
溝口健二の美学
メトロポリタン
本木雅弘
ヤーバ
山口百恵
浴室
欲望の翼
ラスト・オブ・イングランド
ラ・ピラート
ラ・ヴィ・ド・ボエーム
リビング・オン・TOKYO・タイム
ルイス・ブニュエル
ルイズ・ブルックス
レネットとミラベル 四つの冒険
恋恋風塵
ロベルト・ロッセリーニ
わんわん物語

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