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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

パンツをはいたサル

2010-02-28 22:01:07 | 好きな本
栗本慎一郎 昭和56年 光文社カッパサイエンス
動物としての人間つながり、っていうか(?)
持ってるのは昭和59年の17刷なんで、たぶん河合雅雄とか今西錦司を読む前に読んだってことになる。
だから、ハヌマンラングールの、あの有名な子殺しの行動について、初めて知ったのはこの本だったかもしれない。
ハヌマンラングールというサルの一種は、群れのリーダー(っていうかオス1匹と多くのメスという群れ)のオスが交代すると、新しいリーダーは、前のリーダーの子供を片っぱしから殺していって、子供を殺されたメスは、その光景をみて発情して、新しいリーダーと交尾してくっていう、個体数が増えすぎないための調整と、強いオスの優秀な子孫を残すというふたつのことを同時にやっている、すごい仕組み。
それは、動物行動学の一例をひいただけで、本書のテーマは、むしろ人間、人間はなんで余計なことをするのか、ってあたり。
それは、生きてくうえで最低必要である以上のものを生産して、それを蕩尽することで陶酔するっていう人類の性格による、と。
ふだんは秩序を守って、黙々と働いて生産して、あるとき非日常的な時間において、それを破壊して喜ぶ、その繰り返しをして生きていくのが人間の特徴なんだと。
だから、ふだんは、保温とかの目的ではそれほど必要なくても、パンツをはいて隠しておいて、あるときそれを脱いで非日常的なことをするほうが快感がでかいから、パンツをはくようになったってわけで。
ほんもののパンツ以外の、その他、なんでも余計なものは、本来ただ生き延びるためだけだったら要らないんだけど、それを脱いだときの、破壊の喜びみたいのが大きくなるって意味で、パンツなんだという結論になります。
筆者のほんとの専門は動物学ぢゃなくて経済人類学なんで、当然経済の話が主になりますが、>必要以上に生産された財物は、祝祭における贈り物というかたちで蕩尽される。これに返礼がなされて交換の起源となり、今日私たちのいう貨幣の起源ともなった なんて、“おカネも、パンツだ”と言っております。
思えば、贈り物合戦を意味する「ポトラッチ」なんて単語を知ったのも、この本が最初だったなー。
あと、人間が社会的っつーか文化的っつーか、とにかくいろいろ余計につくったものは、みんなパンツ、宗教とか道徳とか法律とかね。
法律といえば、法律の本質ってなにかっていうと、とてもバカバカしい感じの法律ってことになるんだが、その例としてメリーランド州ボルチモア市にある(今もあるかは知らないよ)「劇場にライオンを連れてはいることを禁ず」って条例があげられている。
誰もライオン連れては行かんだろうと、普通は思うんだが、誰かがやったから法で決めなきゃなんなくなっちゃったに違いない。べつにアメリカは進んでる国でもなくて、そんな当たりまえのようなことでも、いちいち法律で決めなきゃなんないようなところだってこと。
つまり、異文化というか違った価値観もった人間が寄り集まってる場所では、暗黙の了解なんて麗しきものは通用しないので、何でもかんでも法律に定める。
ある共同体にとって、自然の摂理であるかのようにメンバーが共有している行動の基準のようなもの、そんな共同幻想があるうちはいいが、それと違ったものがもちこまれたとき、異文化同士のぶつかりあいが生じたとき、人間ってのは争いを始めちゃうんだよね。困ったもんだ。

んー、動物行動学のみならず、心理学とか文化人類学とか、その他もろもろ、いろんな勉強に私が手を延ばしていくようになったのは、このあとなんで、ある意味スタートは、この本だったかもしれないなぁ。
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攻撃

2010-02-27 20:26:01 | 読んだ本
コンラート・ローレンツ 日高敏隆・久保和彦訳 1970年(1985年新装) みすず書房
副題は、「悪の自然誌」。きのうの「森林がサルを生んだ」の副題「原罪の自然誌」は、これへのオマージュ。
持ってるのは1994年の新装第9刷、学生のころ図書館で(当時ちょっと高かったんだ、この本)借りて読んだ記憶があるけど、後年また読みたくなって買ったのかな。
というか、最初読んだときは、面白さがいまひとつ分かんなかったし、なんか読むのに骨が折れた。いま思うと、もとがドイツ語で書かれた科学の本なんで、パラグラフとかのつくりがガッチリしてて、一方で私は当時すでに、だいぶスカスカした感じのものを読むことを好むようになってからぢゃないかという気がする。

村上龍いわく、>ローレンツに一番感動したのは『攻撃』。何回読んでも泣きそうになってくるんだよね。結局人間というのは動物だなと思うわけでしょう。今、書かれている小説の九五パーセントぐらいはそれを認識したら書かなくてすむようなことと思うよ。(EV.Cafe Stage0)
ということですが、このフレーズが、私が「攻撃」を手にとった直接の誘因だと思います。
で、タイトルにもなっている攻撃というのは、主に種内攻撃のことです。
冒頭、色鮮やかな熱帯魚の観察が記されていますが、同じ種類のサカナ同士が攻撃しあい、違う種類のあいだでの闘いは基本的に起きない。もしかすると、普通のひとは、違う種類の生き物同士が争って、勝ったほうが繁栄して負けたほうは滅びていく、みたいな自然界の法則を幻想するかもしれませんが、そうぢゃなくて、同種同士が攻撃しあうことで、空間内にその種が均一に分布するような働きがあるってこととかが述べられてます。
種の内部のもの同士の攻撃は、べつに悪いことぢゃなくて、種を保つための仕組みです。
すべての系統樹を育ててきた突然変異と淘汰というふたりの大園芸家は、まさに種内攻撃という荒っぽい技を選んで、これに個人的友情と愛の花を咲かせているのだということだ。(第三章 悪の役割) とかサラッとかっこいい表現が出てくるのがいいですね。

最初のうちのサカナの話とかよりも、第五章「習慣、儀式、魔法」ぐらいから、ぐっと面白くなってくる。
ムダな攻撃しあいのないように、ある動作が攻撃を回避するための象徴的な「儀式」として発達するというところが、生物にプログラミングされているものなのか、考えさせられて、すごくいい。
あと第十章の「ネズミたち」のところが衝撃的ですね。
ネズミどおしのなわばり争いで、すごい咬みつきあいが行われ、ひと組のつがいが勝ち残る。
そのつがいから、短期間のうちに、子孫が増え、社会ができあがると、その大家族のなかでは本気の闘争は起こらない。しかし、よそものネズミが迷い込むと、群れ全体が殺気立って、同じ種に属する仲間を攻撃する。
なんか人間見てるみたい。
それと、有名なシチメンチョウの話は、第七章「道徳類似の行動様式」にある。
シチメンチョウは、巣の近くで動くものには、なんでも突っつきかかるんだけど、ある一羽の雌の内耳を手術して、耳を聞こえなくしたら、卵からかえった自分の雛を即座に突っついて攻撃したという。
攻撃を抑制するのは、雛の鳴き声だけであって、特定の鳴き声しないものには攻撃をしかけちゃう。逆に、模型を近づけてもテープで音声をしかけてあれば、母親らしく接する。
“母性本能”なんてものは無いんだ、あるのは攻撃と、その抑制の仕組みだけ、って話。生き物の真理として、すごい。
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森林がサルを生んだ

2010-02-26 06:51:48 | 好きな本
河合雅雄 昭和60年講談社文庫版
副題は「原罪の自然誌」
以前読んだ本をいくつも探していくうちに、やっぱりこの本が読みたくなって、古本屋で探して文庫を買ってきた。
これを初めて読んだときの衝撃というか、その刺激的な視点は、文学とかばっかり読んでたし、いわゆる文系だなって自分の道を決めてた私に対して、しばらく自然科学に目を向けさせるものになりました。
だって、哲学とかなんとかいって「人間とは」なんて考えるよりも、この本読んだほうが、よっぽど人間のことわかるんだもん。

副題にある「原罪」ってのは、なにかっていうと、本書のテーマになることだと思う。
人類は生態系からはみだした存在であり、そのことによって自然に対してもろもろの罪科を重ねる存在である、との認識をしっかり持たねばならない。人類は自然界における異端であり反逆者である。人類は存在において不自然であるゆえに、その行為はすべて自然を乱すものにつながっていく。これこそ人類が担った現在の一つなのだ。(第三章 人間、この不自然な生物) ってとこですね。
人間ってのは、自然界においてはヘンなんだ、なんでこんなヘンな生き物が出てきちゃったかって疑問を解くには、たぶんサルから出てきたんだから、サルを調べようってとこに目を着ける。
で、サルを研究すると、サルってのが、これまた哺乳類のなかでも、やはり飛び切りヘンだってことがわかる。
で、そうしてサルがヘンかっていうと、森林を棲みかに定めたとこに起因するようだと。
森林に住んでると、まず食物が豊富、サルの数に比べて、食べきれないほどの量の食物に恵まれている。そして、もうひとつ、天敵がいない。つまり、食うもんいっぱいあって、一方で自分たちは食われる心配がない。そういうなかで、独自の進化をしていったと。
通常は、自然のなかで動物は、食う・食われる関係があって、それなりのバランスがとれている。草食動物を保護しようと、その草食獣を襲って食べてしまう肉食獣を人間が駆逐すると、そのうち草食動物が増えすぎて、エサである草を食いつくして、やがてその草食獣も減っていくことになる。そんな連鎖がはたらいている。
だけど、樹上生活をしているサルたちには、そういうのがない。そこで問題になるのは、人口(って言わないか、動物は?)調節をどうするか。ありうる手段は、病気と、仲間同士での殺し合い。人間が何故戦争するかって、サルまで遡ると、見えてくることもあります。
そのほかにも、文化って何なのか、それはどうやって伝えられてくのか、ってあたりについても詳しい考察があります。
個々のサル類の観察の報告もすごく面白くて、読んでて楽しいけど、とにかく読むたび、人間ってなんなのか、すごく考えさせてくれる本です。
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NANTOKA NARUDE SHO!(江口寿史のなんとかなるでショ!)

2010-02-24 20:06:09 | 江口寿史
江口寿史 昭和63年 角川書店あすかコミックスDX
「アクション」で「爆発ディナーショー」を始めたときくらいに出た江口の単行本。
前作(「寿五郎ショウ」)から2年ぶりらしかったけど。
帯の裏表紙側に「江口寿史、今世紀最後の単行本!?」とか書かれちゃってて なんか毎度そんなこと言ってるなーって感じ。

CONTENTSは、
「章のある漫画」
「なんとかなるでショ!」(20話)
「不治は日本一の病」
「あぶないしりとり」
「ジョージ・A・ロメロに捧ぐ」
「だからいったじゃないの」
「とにかく若大将!」
「恋はガッツで」
「背徳のリフレイン」(杏樹&紫苑)
最後に「あとがき」と「作品中用語解説」と「ニューバトル座談会」も収録。

「なんとかなるでショ!」は、1986年から約2年「月刊ASUKA」に連載されてたらしい。(さすがに連載時には読んでなかった。)
1回8ページなんだけど、あの江口が、連載つづけてるってだけで、貴重な価値があったんぢゃないでしょうか?
後半には、「やばい?原稿落ちそうだったのを、ギリギリ凌いだか」って感じの作品(妙に大ゴマとかベタとか多い)もあるけれど、連載のなかには、何気に「トーマス兄弟」とか「地獄少年うしみつくん」とか傑作キャラも生まれてます。

で、今回とりあげたのは、「だからいったじゃないの」という、わずか2ページのマンガがあるんですが。
これは「こんな女や、こんな女が、キライ」って、つづってくマンガなんだけど。
そのなかで、
「飯食う時 すぐ人の皿に 手を出す 女や」
「いつも 部屋が 散らかってる 女や」
「郷ひろみとリーの 結婚式の生中継に かじりつく 女や」
「やたら クイズや プレゼントに 応募する 女や」
「電車の中で だらしなく寝る女や」
「チャゲ&飛鳥の ファンだったり する女や」
といったのと並んで、
「本を読んでもいないくせに ルックスで 島田雅彦の ファンになる 女や」
ってーのが、あるんで、こないだから島田雅彦つながりってことです。
そうなのか、島田雅彦? 巻末の用語解説には“美形の作家。読んだことないけど。”って書いてありますが。

ちなみに、私は、飯食う時、人の皿に「ちょっとちょうだいよ」って手を出してくるのは、キライぢゃありません。少食のひとなんかより、なんていうか、信用できます

↑装丁、ビニールカバーや小口の黄色塗りなど、凝ってます。
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ノヴェルシチーに(で)挑戦

2010-02-23 19:54:38 | 馬が好き
先週、ルバスク乗って、後日、担当者に感想をきかれ、
「いままで乗った馬とタイプが違って、うまく乗れなかった」と答えたところ、
「タテガミつかんでるだけで、120センチまで飛びますよ」と言われました。
ううう… どーせオイラは、乗ってるだけで馬の邪魔をしてしまう、ヘタクソさ

さて、火曜日なので、いつものように、乗馬に行く。
「火曜日って決めてるんですか?」と聞かれるけど、決めてるわけぢゃない。
ただ、乗馬に時間を割けるのが、月曜か火曜しかなくて、月曜には身体を休めて、火曜に来てるってパターンが続いてるだけ。逆も可、そのほうが身体休めるのにはいいかもしれないけど。
あとは天気次第。今日も天気いいです、あったかくなってきました、当然今日はシャツの袖まくって乗りました

「馬、なんでもいいですよ」というので、敢然とノヴェルシチーを指名 先週同様「障害飛ばないですよ」と言われましたが、きょうは断固それでもいいからって言って、念願かなって初めて乗ることになりました

ノヴェルシチー、サラブレッド16歳(1994年生まれ)、父トウショウペガサス・母フジザクラ・母の父トレボロ。…ってなんかすごい古い血統だな、時代を感じるぜ 母の母の父はシーホークだし。サンデーサイレンス以降に競馬を始めた人にはわかるまい…。競走馬時代の成績は23戦2勝。ま、それは関係ない、乗馬は乗馬の役目がある。

馬装して、小さい角馬場で準備運動。
なんだ、おとなしいぢゃないの? 体験乗馬とかに使ってるから、おとなしいに決まってるんだけど、最近ちょっと落馬が多いというので、何をするのか興味があった
私は、前に一度、トレッキングの帰りに、常歩だけでちょっと乗ったことがあるんだけど、そのときは何かつまんない物見をした記憶があるんで、ビビリやすいのか(何かに驚くと急に走ったりする馬からは、人は落ちやすいものです)と思って、身構えて乗ることにしたんだが。
身構える、ってのは何かっていうと、正式なそういう技術があるんぢゃなくて、私個人の感覚なんだが、より深く座るっつーか、鞍にどしっと座って、フクラハギより下の部分で馬体をUFOキャッチャーのクレーンのようにつかむイメージを、より強くするんである。あくまで本人の意識の問題なんで、傍から見てちゃんとできてるかは知らないけど
木々が揺れたり、遠くで物音がしたり、障害がいくつか置いてあったりするけど、2,3周常歩してる限りでは物見するようなこともないんで、問題なく速歩を始める。

すると、ドスンドスンドスン、ああ、こりゃダメだ、サスペンションが固い サスペンションが固いってのは、私の勝手な表現だけど、いわゆる反撞が高いことを指します。馬の脚が着地したときの、地面を踏んだドンという衝撃が、もろに伝わってくるんで、高速道路(特に横羽線とかね)の継ぎ目を、サス固い車で走ってるとき、ゴツゴツ揺れるのになぞらえて、そう勝手に呼ばさせてもらってます。
馬によって反撞が違うのは何故なのかわからないんですが、最近、馬のカラダがかたいと、乗っててそう感じることがあるってのを改めて知りました

軽速歩で、手前を頻繁に替えながら、最初は手綱を伸ばし気味にして、大きめにグルグル乗る。アブナイ馬に(←まだ警戒してる)いきなりプレッシャーかけるようなことすると、ロクなことがないんで、なるべくゆったり速歩
なんの問題もないんで、ときどきドスンドスンしながら巻乗りを入れて、回転、回転 なんだ、問題ないぢゃない。
「きょうはおとなしいですねー」と声がかかる、やっぱたまたまマシなだけなのか。「最近、尻っパネがすごいんですよ」 …って、そういうことは乗る前に言ってください
尻っパネを、いつ何故やるかは馬によって違うんで、よくわかんないんだけど、前(手綱もつ手)を強くしたままガンガン歩かそうとすると(特にカリカリしたサラブレッドの場合?)やられることがあるんで、依然として前をラクにしておく。もともと私の乗り方は、馬の口との接触がチャランポランなとこあるんだけどね

歩度を伸ばしたり詰めたりしはじめると、その反応もまずまず何の問題もない。ゴトンゴトンと正反撞うけながら、回転していると「もっと下半身を安定させて」と言われる。たしかに巻乗りしてると、アブミぬげちゃうまであるんだよね
「ダメだ、この馬ぢゃ、できねー」と思って、アブミの長さをひとつ詰める。もともと私は、ちょうどいい長さより1つか2つ長くして乗るのが好きなんである。それは、別に足を長くみせようと見栄張ってるわけでもなんでもなく、アブミに頼らないでバランスでちゃんと乗りたいと思うんで、そうしてるだけ
アブミ短くすると、ヒザで馬のからだの上のほうを挟んぢゃうような気がするので、長くしたら重心を下にできんぢゃないかと思って、そうしてる。重心を下にって言い方がヘンなら、あくまでUFOキャッチャーのような脚が目標。
それはともかく、アブミ脱げちゃうってのは、揺られてヒザでしがみついてるからで、逆にアブミ長いのがわざわいしてるってこと。なので、短くしてしっかりと踏むようにする

はい、それぢゃ駈歩。バキューンと跳び出しちゃったりしないか、恐る恐るだったんだけど、何の問題もない。あまり前を強くしないで、馬の動きに乗っていく。うん、いいぞ、輪乗りもちゃんと大きさコントロールできるし、暴走する気配もない
「あー、やっぱ各個乗りだといいですね。最近、部班に入るとダメなんですよ」と言われる。部班に入ると、動きが速いせいなのか、他馬にすぐ追いついちゃったりして、そのあとハネるんだそうだ。
想像がつくなー、ほかの馬のペースに合わせるのがイヤで、鞍上はスピード落とそうとギュッと押さえて、馬がそれにイラっときてドカン! …って、そういうのは、乗る前に教えてくださいよ

駈歩の輪乗り、歩度を伸ばしたり詰めたり、なんの問題もなし。
「ぢゃあ、ちょっと障害やってみますか?」
きた来た、キター! この馬は障害飛ばないと言っといて、障害を飛ばせてみようって、この提案 ここに、なぜ乗馬っていうと、障害飛んだりするのかって、答えがある。何も、障害の高いの飛ばすとか、いくつノーミスで飛べるとか、そういうこと目指して飛ぶんぢゃないのよ。馬を、意のままに操作してみようかって思うと、必然と「ぢゃあ飛ばしてみるか」ってとこに話が行きつくんである。一列縦隊になって、部班運動してるときに「手綱が長いよ」とか言ったって、直んない、それでも馬が勝手に歩いて、不自由なく乗れちゃってるから。そうぢゃなくて、列から離れて独りで、障害に向かってけば、手綱が長いと操作できなくて、障害へ馬を誘導することができないって、すぐ分かる。障害飛ぶっていうのは、そういうこと。だから、馬を上手にあやつろうとすると、障害飛ぶ方向に話がいっちゃうんである。
おお、やったろうじゃん 障害飛ばない馬を障害飛ばすのは、前もやらされたことあるけど、けっこう面白いぞ、チャレンジ、チャレンジ

まずは、地上横木を一本だけ置いて、これを駈歩で跳んでみてください、という
駈歩でと言われても、やっぱ用心して、最初2回くらい速歩でまたぐと、特に問題ないんで、次は駈歩の輪乗りのなかで、横木をまたぐ。
輪乗りの形がイビツになんないように。横木の真ん中に馬をつれていくように。
手前を替えて、3,4回ずつ、止まったり横にぶっ飛んだりする気配なし、問題なく横木をまたぐ

大丈夫だよってことになると、いよいよ障害へ。と言っても、せいぜいが30センチくらいか、一番下の段に横木をかけた垂直。
とは言え、地上横木とちがって、走るなかで跨ぐわけにはいかない、ちゃんと踏み切んなきゃ飛べない
駈歩で向かってく、ペースはいい勢いなので保って、障害の真ん中へ馬をつれていく。ピョンと跳んだ。なんだ跳べるぢゃない、馬のクビをポンポン
手前を替えて、もう一回、真っ直ぐ障害へ、自分の手のなかに馬の口を感じて左右に行かないように、ピョン! あれ?なんかヘン、ガタッと後足で障害を落とす
なにが良くなかったかわからないけど、そんなにっちもさっちも跳ばないって感じでもないんで、もう一回。あれ?なんか馬に勢いが出てきたぞ ちょっと速過ぎ!って思ったけど、そのまま飛越。おお、飛んだあとも何かエキサイトしてきたかも? 真っ直ぐ止めて、クビをポンポン

障害の高さを少し上げて、何回か練習。しっかり座って駈歩で向かって、馬の真上にいるように心掛けて、それ!飛ぶよ、飛ぶ飛ぶ、だいじょうぶ、このくらい。
なんだか、だんだんエキサイトしてきたぞ、馬 障害に向かおうとすると、ガツンときて駆け出そうとする
一回はそのまま飛んだけど、次からは、そうさせない。障害に向かって走り出そうとしたら、そこで巻乗り、落ち着いた駈歩をつくる、場合によっては2回巻乗り、こっちのいうことをきいたペースになったら、それで向かってって飛越!
「今ぐらい、障害前で馬がイラつかなければ、OKです」はいはい、わかってますって、エキサイト状態で飛ぶのは、誰より私が恐いから

だいぶ上手に飛ぶようになったんで、最後、障害をもう少し上げて、挑戦。
ゆっくり、ゆっくり行け、突っ込んでかなくても飛べるから、って声をかけながら(ちなみに私は「ホー」とか言わないで、ほんとに「ゆーっくりぃ」とか言うことがある)、それ! 危なげなく飛越、真っ直ぐ進んでゆっくり止める、ポンポン。上出来、最高のイメージで練習終了

「いやー、1年半ぶりくらいですよ、その馬、障害とぶの」 あ、そうなの、やっぱ何度かやったんでしょ。
「前は、前脚折りたたんで、そのまま、跳ばないで、障害の上に倒れこんでいったんですよ それで、何回かやって、あきらめてヤメました」 …って、そういうことは、先に言ってください

きょうは、同じ馬場で、グッドリーズンが120センチくらいを例によってバンバン飛んでた。ふつうの人だったら、どれ乗ってもいいって言われたら、そういう飛ぶ馬を選んで、いつもより高いの飛ぶことを好むかもしれない(ちなみに、私は別の場所・別の馬で、一度だけ120センチを跳んだことがある)んだけど、私はノヴェルシチーと障害に挑んだほうが、よほど無理目なレベル設定だったんで、きょうの練習、久々に充実感あった ちょっといつもより高度なことをクリアできると、乗馬ってのは楽しいものだけど、普通のひとと満足をおぼえるツボがズレてるのが、私の扱いにくいとこだろう
ちなみに、最後に飛んだのが約60センチ。「だいじょぶだよ、年末の乗馬大会にはクロスに出そう!」と言っておいた。そういうこと言っておいて、自分はクロスに出ないし、乗らないんだろうけど

「いやー、最近、部班に入ると、速歩だすところでハネて、けっこう落とされるひといるんですよ。実は私もこないだ、乗り替わって、直そうとしたら、落とされました。○○さん(←ベテランの先生)も落とされました。」と、先生の述懐。
…だから、そういうアブナイ情報は、先に言ってください


ノヴェルシチー、チャームポイントは、もちろん、おしりのイニシャル「N」
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