many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

巨人たちの伝説

2010-01-31 21:13:16 | マンガ
星野之宣 1978年 集英社ジャンプスーパーコミックス
きのうのつづき。
持ってるのは1984年の第8刷。そのころ、諸星大二郎のコミックスとかを、やおら集め始めた時期だったと思うから、やっぱり昔読んで強く記憶に残ってるこのマンガもあらためて単行本買ったんだと思う。
お話は、二部構成からなっていて、最初が“古代巨人族タイタン”の物語。氷河期がおとずれようとする地球上で、生き延びるために宇宙をも動かす超能力で戦うんですが、運命には逆らえず滅亡していく。
そのあとが、現代っていうのか近未来っていうのか、1981年が舞台のSF。これまた人類の危機を回避するために、科学の力を駆使して戦おうとします。
二つの物語が微妙にリンクしているんですが、なかでも、それが直接現れる場面として、第二部で出てくる“6万年前の氷のなかからみつかった巨人族”の絵は、私が知っているマンガのなかで記憶に残る美しいシーンのなかでも屈指のものです。
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ブルーシティー

2010-01-30 21:40:03 | マンガ
星野之宣 平成7年スコラ漫画文庫版
ということで、ハルマゲドン系マンガの話題に戻りまして。好きなSFマンガ、「ブルーシティー」です。
初出は、昭和51年。少年ジャンプに18回連載とされていますが、リアルタイムで私は読んでました。以来、ずーっと記憶に残ってたマンガで、後年にようやく文庫版を買うことになりました。
タイトル「ブルーシティー」ってのは、なんのことかというと、人類が住む海中都市です。
最初は海洋開発とかって目的で造られたんですが、あるとき人類が死滅して、ここに住むものたちだけが生き残るという、ドラマになってきます。
どうして人類がほんの一握りを残して滅亡しちゃうかっていうのが問題なんだけど、ある事件を契機に「6・9(シックス・ナインズ)指令」ってのが発令されるという、すごい展開によるものです。
子供のときジャンプ読んでたときは何とも思わなかったんだけど、とんでもない名称の「6・9指令」ですが 別にHなことはなんもなくて 恐ろしいことに、「99.9999%」(←6個の“9”)人類の破滅が確実になったときに全人類を安楽死させるという、最終的な手段のことです。
まあ、どんなものかは読んでみてもらえばわかることですが。
で、そのような災厄を乗り越えて、海中の都市で生き延びていく少年たちの成長を描くのが主眼、っていうありがちな冒険ものかと思わせといて、そうぢゃないってとこが、本作の一番の驚かされるところ。
そこへ、ドクター・ジェノサイドという悪役、文庫版の解説では諸星大二郎が絶賛している悪役が出てきます。このキャラは確かにいい。
すべては偶然ぢゃなくて仕組まれたことだってことが発覚、地球に残ったもの同士の戦いになっていくんですが、ここに“水棲人類”という、これまた強烈なものが登場してきます。
このあとの展開、どうなるんだろうってとこで、残念ながら(少年ジャンプはいつもそう、いい作品でも平気で打ち切るから)、未完の物語となっていますが、もし完成してほしいマンガを挙げろって言われたら、私としてはかなり上位に、この作品の名前をあげたいと思います。
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ROCK

2010-01-29 20:12:10 | 岡崎京子
岡崎京子 1991年 JICC出版局
きのうのつづき、っていうか、手塚マンガの名キャラクター「ロック」が出てきたんで、最終戦争系からは脱線して、岡崎京子の「ROCK」。

ロックは主人公の女の子モデルの名前。
手塚治虫のキャラクターであるロックからお借りしたと、著者があとがきで語っています。
ちなみに、ダンナの名前は、アトム。

あとがきにいわく
>このお話の主題(…とゆーほどのもんでもないが)は、「だらしなくいいかげんであるところの人々の愛、その他」というものです。人間とゆうもんはとんでもなくスチャラカなもんですが、「愛」は一種の規律を産み出します。規律、またはリズムのようなもの。

ということで、運命と資本主義と人々の気まぐれな感情に翻弄されながらも、愛ある人生を求めてく、うら若きモデルの物語です(なんのこっちゃ?)。この成り行き任せのスピード感ある流れが結構好きです。

作中には、例によって、数々の名フレーズがありますが、
「男なら 男らしく セキニン とるべきよ!!」と言われたアトムが
『“セキニン・ドリョク・ニンタイ”オレの三大キライなもんのひとつ』
って心のなかでつぶやくとこ、けっこう好きです。
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来るべき世界

2010-01-28 18:46:16 | マンガ
手塚治虫 平成7年角川文庫版
きのうのつづき。手塚治虫の初期長編のひとつで、発表は1951年。
宇宙の黒いガスが地球をつつんでしまい、すべては死に絶える最後の日が来る。突然変異で進化した小型の人間のような生物フウムーンが、動物を選んで空飛ぶ円盤に乗せ、ノアの方舟よろしく地球を脱出するというストーリー。
その前段に、アメリカがモデルと思われる“スター国”と旧ソ連がモデルと思われる“ウラン連邦”とが、原子力開発をめぐって対立し、戦争に入るなど、物語のひだが深くてあちこちに同時展開のエピソードがある。
一方で、絵のほうも、重力をあやつる力により戦艦が宙に浮いたりするシーンとか、善良な村民たちが平和を祈る教会で静かに鐘が鳴り響くシーンとか、映像化しても印象的なショットのようになかなか見せ場が多い。コマ割は、基本がほぼ4段で、ちょっと凝った形もあり、また見開きページでのモブシーンもあったりで、前にあげた「ロストワールド」の単調さと比べると、だいぶ技巧が進んで、現代のマンガに近くなっているといえるのではないか。
登場人物としては、悪役・アセチレンランプは「ロストワールド」から引き続き出てくるんだが、ほかにも手塚キャラクターのなかで人気のある「ロック」が出てくるのが印象的。(ちなみに、ヒョウタンツギも、さりげに登場します。)
50年以上前の作とは思えない、SFマンガとして価値あるものだと思います。
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ロストワールド

2010-01-27 18:50:19 | マンガ
手塚治虫 平成6年角川文庫版
この文庫の収録作は『ロストワールド』と『一千年后の世界』
作品の最初の発表は1948年。マンガの超古典だ。
どうしても、こないだ「デビルマン」のとこで触れたハルマゲドン系マンガのことが気になってるんで、そっちのほうの路線で。
「Quick Japan Vol.3」にあった“最終戦争コミック年表”の最初に並べられてたのが、この1948年の「ロストワールド」。
とは言うものの、最終戦争を描いたものぢゃないと思います、これ。
太古に地球から分離して宇宙に飛び出した「ママンゴ星」、それが地球に大接近して、その星の秘密を探りにロケットで旅立つという、冒険活劇だから。
ママンゴ星は、地球より時が進んでなくて、恐竜などが地上を跋扈している前世紀(ロストワールド)という話。
いかにも手塚マンガの原点みたいなストーリーと絵柄です。作画の基本は、1ページ3段の3コマっていう、現代とはちょっと違う絵物語風(?)です。
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