many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

棋士・その世界

2012-06-29 18:51:51 | 読んだ本
中平邦彦 昭和54年 講談社文庫版
前回「ジャズ・アネクドーツ」を読んだこと書いたんだけど、そういう変わった業界の裏話・逸話、奇人・奇行のことだったら、やっぱ私は将棋界のやつのほうがおもしろいかなという気がしたもんで。
これは昭和49年に単行本が出たものらしく、著者は神戸新聞の記者さん。
私の持ってるのは古本屋で買ったんで、けっこう傷んでるけど、なかみは変わりないからいいのだ。
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6月にしてはさわやかな空の下

2012-06-26 16:04:39 | 馬が好き
乗馬にいく。
梅雨どきにしてはいい天気である。ちょっと風が強いかと思ったけど、快適。
日差しがまぶしくてサングラスかけないときびしいとこも含めて、なんか札幌を思い出させるような気候。
ちなみに、土浦アメダスのデータを覗くと、午前10時の気温は19.5度、東北東の風2.9メートル。やっぱり湿度は少し北海道より高いだろうなあ。

きのう休んだ馬のなかから選んでいいよ条件だったので、ウィスパーIIを選択。
先週強鉄に乗ったので、体験乗馬起用キャラつながり、ってのは意識してなくて、決めたあと気づいたことだけど。

ウィスパーIIは、体験乗馬でも安心して見ていられる活躍ぶりなのはもちろん、とにかく抜群の安定感のある乗馬である。
私は常々言ってるように、公道を(道路交通法を守って軽車両として)馬で歩く用事があったら、まちがいなくウィスパーIIを選ぶ。
絶対自信あるよ。この馬に乗ってポクポク歩いてコンビニ行って、適当な柵にでもクルクルって手綱巻いて買い物のあいだ待たせといて、また乗って帰ってくる。車なんかにゃビビんないさ。
ただ、飛び乗りできないと、カッコわるいよなあ、そこ練習しなきゃ。
きょうは天気も良いし、この馬に乗ってピクニックにでも行けたらいいのにねえ、とマジ思う。

そんな私の野心は知る由もなく、のーんびりしてるウィスパーII。
馬装したら、まず小さいほうの馬場へ入る。
正直、ウィスパーIIの運動始めの動きは、よろしくない。だいぶ慣れたから、平気でガンガン前に出すつもりで乗る。
なんか馬のクビが真っ直ぐぢゃないような気もするけど、気にしない気にしない。なんせ今の私は感性の人だから。
人間だってさ、左右の腕の振りとかムチャクチャ非対称でも、走るの速いひととかいるぢゃない。馬本人が動きやすけりゃ、それでいいのさ。
速歩からやがて駈歩へ、詰めたり伸ばしたり。
うーん、フワーッと軽くなってくるような、あの気持ちいい感じが、まだ来ないなあ。

んぢゃ、広いほうの馬場へ行って、ちょっと横木でも跨ぎますか。
駈歩で地上に置いた一本をまたぐ。近くまでゆっくりおさえてって、最後ポコンと飛ぶとき手をラクにする感じを目指す。
んぢゃ、横木2本になるよ。間隔は何メートルだろう、「4歩で」と言われる。
ふつうぢゃ行かないから、相当詰めてったつもりだけど、それでも3歩で通過しちゃう。
大きな楕円の周回のバックストレッチでは少しラクにというか伸ばすまでいかないけど普通に、回転するとこから詰めて、横木向いたら、かなり抑える。
一本目跨いだあと、油断すると伸びるというか完歩ひろがっちゃいそうになるんで、そこでまた抑える。
数え方まちがって、できたろと思っても、3歩ぢゃダメって言われちゃう。次はもっと強く抑えたんだけど、最後んとこで中途半端になって「3歩半」。最後の一歩で気を抜くなって前回言われたのが生きてないねえ。
繰り返すうちに、できてきた、4歩。すごいチョコチョコ走り。でも速歩に落ちたりしないんだよねえ、ウィスパーIIは優秀だ。
ぢゃあ、もう一本、カーブを描いた先に置いて、そこは5歩。
4歩で二本目をまたいだあと力を抜かないようにして、同じように駈歩してくと、ありゃりゃ6歩入っちゃった。
繰り返しても同じ感じ、4歩のとこに比べたら、すこし動いてもいいみたい5歩の区間。なんとなーく、できてくる。
しかし、「上体がカタイ! もっと力ぬいて、ラクに」って繰り返し言われる。うーん、でも力抜くと、行っちゃいそうなんだよなあ。

それにしてもウィスパーIIは優秀だ。常歩にして、手前替えたり、一旦手綱伸ばしたあとでも、駈歩出し直すときは、軽くサッと出る。少し起こした感じの駈歩をイメージして、脚入れて詰めると、前に出てしっかりうけてくれる。そして、どんなに遅くしても速歩に落ちない。でっかいカラダして、けっこう器用。きっと5メートルの輪乗りでも駈歩できるだろうって感じ。
軽く速歩でクビ伸ばしてやる感じでクールダウンして、練習おわり。
「もっと上体やわらかく。肩・ヒジ・拳を馬の動きにあわせて動かすなかで抑える。それと拳が離れてるのはダメ。」
抑えたとたん、ヒジがロックしてしまう。これは障害を飛ぶときに拳が譲れない原因なんで、横木レベルから直してかなきゃ。(っていうかフラットワークでやんなきゃ。)
抑えようとすると、肩や肘関節が開閉せず、引っ張ったまんまの姿勢で、上体だけが前に倒れるから、障害を上手に飛べない。

(※追記 乗れる人は「なんで?そんなカッコで飛ぶほうが余程むずかしいじゃん!」って思うだろうけど、できない・ヘタっていうのは、そういうことです。)
拳が左右に離れるのは、まったく意識してなかった。ヒジを後ろに引っ張ろうとするから、両手が開くんだろうか。
拳の間隔は15センチ、おなかの前に拳を乗せる台があって、そこに置いて上下に動かさないイメージで、って初心のころの注意事項からまたやり直しだな、来週以降は。

おやつにサラダ菜もってきたら、あれれ?食べないよ、ウィスパーII。
困ったなあ、ヨーロピアン乗馬は何でも食うと思ったんだけど、なにが気に入らないんだろう。

小松菜は食った。軸の部分をボリボリうまそうに噛んで食ってる。
歯ごたえある野菜のほうが、好き?
ぢゃあ、つぎは今回初登場のツマミナだ。

大根はやったことないけど、ふつうに馬は食うって話なんで、これも食うだろ。
(つまみ菜とは大根の間引いた芽らしい。)

食った。
最後に、やっぱりリンゴやって、おしまい。
なんか馬に乗りに行ってんのか、おやつやり行ってんのか、わかんないよね、俺。

※おまけ

↑先週末、グッドリーズンが水戸でおこなわれる県大会に出かけてくとこ。
 幸い好成績を収めたので、8月の関東ブロック大会に進出。

※おまけその2

お預かり馬・メトロシュタイン、新潟行き。
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ジャズ・アネクドーツ

2012-06-25 17:51:51 | 読んだ本
ビル・クロウ 村上春樹訳 平成17年 新潮文庫版
また、村上春樹の「雑文集」つながりで。
『ビル・クロウとの会話』という章があるんだけど、そこでこの本が紹介されている。
>彼の最初の本である『ジャズ・アネクドーツ(ジャズ逸話集)』は本当に本当におかしい本で、読んでいて何度も大笑いした。
とあるので、読んでみたわけで。
ただ、私はジャズは聴かないんで、ミュージシャンたちの名前もキャラも、どんな音楽を奏でるのかも偉大さも知らないから、それほどホントの面白さがわかりはしなかったけど。
もちろん、「グーフ(へま)」とか「いたずら」とか「グッド・ライン(名文句)」とか「ジョーク」といった章では、シロウトにもわかりやすい面白さがある。
ただ「カッティング・コンテスト」って章にある、ジャム・セッションでのミュージシャンの対決とかは、名前も腕前も知らないので、いまいちピンとこない。
若いミュージシャンに挑戦された、ルイ・アームストロングがトランペットで、いきなりハイFの音を吹いて、居合わせたミュージシャンはみな茫然とした、って魅惑的な一節があるんだけど、そのあたりの「もの凄い」ことの意味が理解できないんで、残念。
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夜のくもざる

2012-06-23 19:14:19 | 村上春樹
村上春樹 1995年 平凡社
前回からは村上春樹「雑文集」つながりで。
「雑文集」には、「短いフィクション―『夜のくもざる』アウトテイク」という章があって、「愛なき世界」、「柄谷行人」という二つの『夜のくもざる』に収録されなかった短編と、「茂みの中の野ネズミ」という『夜のくもざる』を韓国語か中国語に翻訳出版されるときに序文として書いたものが収録されてます。
で、『夜のくもざる』を読み返してみたわけで。
この本は、村上さんの“超短編”集で、もとはといえば、雑誌のシリーズ広告に使用するために書かれた文章で、パートIはJ・プレス、パートIIはパーカー万年筆がスポンサーなんだけど、あたりまえのように商品とは直接関係ないストーリーになっている。
副題は「村上朝日堂超短編小説」。だから、イラストは、いわずとしれた、安西水丸氏。
この本のなかにも出てくる「渡辺昇・ワタナベノボル」という人名は、一時期村上さんの小説のなかで、登場人物(たとえば妹の婚約者)とか猫の名前として多用されたんだけど、安西水丸の本名だっていうのは、今回「雑文集」(の巻末にある“解説対談”)を読んで、初めて知ったんだけどね。
で、本書は、ワタナベノボルとか、コロッケとか、海亀とか、大猿とか、ドーナツとか、くもざるとか、小人とか、とにかく村上春樹らしさ、いっぱい。ひさしぶりに読んだけど、楽しかった。
で、最後に、「夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について」っていうのがあるんだけど、これは村上さんの短文のなかで、私がかなり好きな一品。今回読み返すまで、どこに収録されてるか忘れてたけど。
女の子が男の子に質問する。「あなたはどれくらい私のことを好き?」
少年はしばらく考えてから、静かな声で、「夜中の汽笛くらい」と答える。
で始まる物語なんだけど、そのあと「夜中の汽笛くらい」の意味を男の子が語るんだが、これが美しい話なんだ。現実で、女の子と面と向かってそんなこと話したら、歯が浮くとか気持ち悪いとか言われちゃうだろうけど、こうして文章で読んでみると、それはそれは心地よいんである。

ホルン
鉛筆削り(あるいは幸運としての渡辺昇(1))
フリオ・イグレシアス
タイム・マシーン(あるいは幸運としての渡辺昇(2))
コロッケ
トランプ
新聞
ドーナツ化
アンチテーゼ
うなぎ
高山典子さんと僕の性欲
タコ
虫窪老人の襲撃
スパナ
ドーナツ、再び
II
夜のくもざる
ずっと昔に国分寺にあったジャズ喫茶のための広告
馬が切符を売っている世界
バンコック・サプライズ
ビール
ことわざ
構造主義
大根おろし
留守番電話
ストッキング
牛乳
グッド・ニュース
能率のいい竹馬
動物園
インド屋さん
天井裏
もしょもしょ
激しい雨が降ろうとしている
嘘つきニコル
真っ赤な芥子
夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について

おまけ 朝からラーメンの歌
あとがき その1 村上春樹
あとがき その2 安西水丸
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からくり民主主義

2012-06-21 20:15:56 | 読んだ本
高橋秀実 平成21年 新潮文庫版
(著者名ホントは橋さんなんですが、環境依存文字なので。)
村上春樹の『雑文集』のなかに、この本のために書いた“解説”が収められていて、それでとても興味を持ったので、読んでみた。
この文庫版にも同じ解説「僕らが生きている困った世界」が巻末にある。
そこで村上さんは、ノンフィクションの書き手の高橋秀実の三要素として「1とてもよく調査をする。2正当な弱りかたをする(せざるを得ない)。3それをできるだけ親切な文章にする。」という特徴があるとまとめている。
このなかの「正当な弱りかた」が一つのキーで、それでどうなるかというと「ほとんどの場合(略)結末に結論はない。」ことになる。
世のなかのいろんな問題を、よく調べて考えてみれば、そんな簡単に、こうすればいいとか、こっちが正しいとかって結論は出ないんである。
そのへん、テレビをはじめとするメディアの「わかりやすさ」至上主義みたいな最近の傾向を嫌ってる私には、読んでておもしろいというか気持ちよいものがあった。これは困ったことになってるなあ、が結論でもいいぢゃない。
著者によれば、この本のタイトルは、日本の民主主義はからくりだとかっていうんぢゃなくて、「からくり民主―主義」と読むんだそうで、「からくり民主」ってのは何かっていうと、「『みんな』を主にする」こと。
>一人ひとりとは別に「みんな」をつくって、それを主役にするのです。テレビ局や新聞社が躍起になって世論調査をするのも、「みんな」をつくるためです。「世論」「国民感情」「国民の声」などと呼ばれるもので、こうして主役を固定し、自分たちはその「代弁」という形で発言するのです。(略)「みんな」を主にすれば、怖いものなしです。
って終章に書いてあるけど、卓見です。
序章  国民の声―クレームの愉しみ
第1章 親切部隊―小さな親切運動
第2章 自分で考える人びと―統一教会とマインドコントロール
第3章 忘れがたきふるさと―世界遺産観光
第4章 みんなのエコロジー―諫早湾干拓問題
第5章 ガリバーの王国―上九一色村オウム反対運動
第6章 反対の賛成なのだ―沖縄米軍基地問題
第7章 危険な日常―若狭湾原発銀座
第8章 アホの効用―横山ノック知事セクハラ事件
第9章 ぶら下がり天国―富士山青木ヶ原樹海探訪
第10章 平等なゲーム―車椅子バスケットボール
終章  からくり民主主義―あとがきに代えて
各章のサブタイトルをみると、初出のころの90年代後半以降のいろんな社会問題があるんだけど。
たとえば沖縄米軍基地なんかだと、マスコミに言わせれば「みんな」反対=アメリカ出てけなんだろうけど、実際には軍用地を所有していると借地料が入るから、カネを生みだす奇妙な資産であって、高値で取引できる商品なんだという。
「基地が返還されたら大変です。あの土地はフェンスの向こうにあるからいいんです。返ってきたら財産争いで大変なことになってしまいます。(略)」とか「このままでないと困るんです。いまさらあの山をどうしろっていうんですか?」(※山には四万発以上の不発弾が埋まっていて利用できないの意)とかって地元の青年の発言を読むと、外野が賛成だ反対だって簡単に言えることぢゃなくて、やっぱ困ったもんだなあとしか言いようがない。
諫早湾干拓問題でも、「諫早湾周辺ではヨソから来る環境保護運動のことを、皮肉を込めて「趣味の人たち」と呼んでいる。」なんて一節があって、地元では「ムツゴロウが可哀相」とか言ってりゃいいような単純なレベルぢゃない、複雑な問題だってことを教えてくれている。
世のなかは、そんなに簡単ではない。「みんな」を主語にして、ものごとを一方的な視点からみるのはたいがいにしましょう。
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