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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

イチレツランパン破裂して

2024-08-22 20:11:41 | 読んだ本
高島俊男 2005年 文春文庫版
「お言葉ですが…(6)」なんで、前に読んだ『キライなことば勢揃い』につづくもの、ことし6月ころに古本買い求めた。
初出は「週刊文春」の2000年から2001年ころだという、べつに読んでて古い感じはしないけどねえ、最後のほうに小泉総理大臣が靖国神社へ行くとか行かないとかって話題があって、そんな時代のことかあとか思ったが。
しかし、シリーズも6作目ということになると、やっぱちっと飽きてくるな私は、たぶん週刊誌で週にいちど数ページだけって形で読むなら毎回おもしろく読んで楽しみにするとは思うが。
タイトルの「イチレツランパン破裂して」っていうのは、数え歌だという、著者の幼少期に、近所の年上の女の子がお手玉とかまりつきするとき歌ってたんで、おぼえたという。
>イチレツランパン破裂して
>日露戦争はじまった
>さっさと逃げるはロシヤの兵
>死んでもつくすは日本の兵
>五万の兵をひきつれて
>六人のこしてみなごろし
>七月十日の戦いに
>ハルピンまでも攻めよせて
>クロバタキンの首をとり
>東郷元帥万々歳(略)(p.101)
って調子で1から10まで数えてくっていうんだけど、私は知らない、まあ昭和12年生まれのひとの子どものときの話ですからねえ、それにしても歌詞に時代を感じるなあ。
その歌詞の、ランパンは談判だろうが、イチレツってなんだろねって話なんだけど。
本シリーズには、各章のうしろに「あとからひとこと」ってのがつくことあって、雑誌で掲載されたあとに寄せられた意見なんかを単行本にするときに補足として載せたり、さらには単行本出たあとわかったことなんかを文庫化するときに注釈として載せたりするのがお決まりになってんだけど、この章については本文よりも「あとから~」のほうが分量が多い、っつーのが、なんかおもしろい。
歌に関するはなしでおもしろいのは、「背くらべ」の歌をどう歌うかって話題があって、「小生の大好きな、楽しい問題である」としている。
「はかってくれた背のたけ」のとこを、「せえのたけ」と歌うのはいかがなものか、歌詞集をみたら「せいのたけ」と書いてあったから、正しい発音で歌ってほしい、という新聞読者の投書について、
>(略)歌詞集に「せい」とあるから「せい」が正しい、と言うのは基本的まちがいである。この誤解は、表記は発音をあらわす、と思いこんでいることによる。(p.115)
と断ずる。「ぞうさん」だって発音するときゃ「ゾオサン」でしょうがとか。
これ、表記と発音とは別、っていう国語にとっての基本的ではあるが大問題を論じてんだけど、わかってないひとが多いって嘆くことになる。
>かな表記を発音表記と思うのは基本的まちがい、と上に言ったが、実際にはそう思っている人が多い。特に戦後、発音にちかづけた新かなづかいがおこなわれて以来、多くなったようだ。そうすると、口頭語が文字表記にひっぱられる、という現象がおこるのである。(略)毎度申すとおり、赤信号みんなでわたれば青になる、ことばの世界ではたいがい無知なほうが勝つ。(p.117-118)
ということになる、「計」とか「藝」とか「税」とか「礼」とか、「イ」ってカナ書いても、通常の発音はケエ、ゲエ、ゼエ、レエなんだけどねと。
ちなみに、べつのとこでも
>ことばは算数とちがって、みんながまちがえるとそれが正しくなる、という困った性格がある。(p.270)
って言ってたりする。
旧かなではハ行で活用してたり「ゑ」をつかうワ行で活用してたりしてわかりやすかったのが、みんなア行のウとかエとかで書いちゃうからかえってわかんなくなっちゃってるけど、もともとを知らないひとが多いからどーしよーもない、ということのようです。
井上ひさしさんなら、ことばのゆれってのは認めるしかないでしょと言うのかもしれないけど。
コンテンツは以下のとおり。和製英語として名高い「ナイター」をつくったのは誰だったのかなんて話もおもしろい。
数学のできない大学生
 昔大学怠慢教授
 数学のできない大学生
 野口英世
 この魚変だ
 杏仁豆腐
 踊り字の話
 「ナイター」誕生
 オリンピックの思い出
イチレツランパン破裂して
 柿山伏
 おーい、ねえちゃん
 わが祖父
 ゆーたやんけ
 駆逐水雷
 イチレツランパン破裂して
 はかってくれた背のたけ
木くずと木屑
 平手造酒の墓
 木くずと木屑
 白髪三千丈
 船坂山や杉坂と
 桜の幹の十字の詩
 女はあおむけ男はうつぶせ?
 勉強べやの名前
 「全集」は全集か
天が落ちて来やしないか
 お送りいただきますよう
 奇怪な朝日文字
 表外字の字体
 手書き字と印刷字
 李陵搏戦
 「××一揆」
 「あがり」と「くずれ」
 「べきどめ」再説
 天が落ちて来やしないか
赤鷲の謎
 赤鷲の謎
 「赤鷲」判明
 ヨクにかがやく
 ロード・オブ・ブレナム
 ブレナム後話
 植うる剣
 「植うる剣」再論
ぼろぼろ
 むめの大罪
 ぼろぼろ
 任侠ものがたり
 不戦と恒久平和を誓った
 ケッタクソの問題
 正しい歴史認識
 鳶魚の『夜明け前』批判
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短歌ください 海の家でオセロ篇

2024-08-15 19:28:24 | 穂村弘
穂村弘 2023年 KADOKAWA
これは今年5月の古本まつりで見つけて買った、読んだのは最近だけど。
新刊出てたの知らなくて、いきなり古本見つけてややおどろいたんだが、第4弾の「双子でも片方は泣く夜もある篇」までは読んでたんで、せっかくだから読むかあって。
ってのは、最初の2冊くらいはたしかにおもしろいおもしろいって読んだ記憶があるんだけど、第3弾、4弾くらいになると、もういっか感もちょっと感じてたんで、まあ、それだけ私には短歌愛みたいなものがないってことなんだけどね。
「ダ・ヴィンチ」の連載の第121回から166回までをまとめたものだということで、2018年から2022年くらいの時期なんでしょう、毎回のテーマに沿ったお題投稿と、常に募集している自由題作品があります。
タイトルの「海の家でオセロ」ってのは、なんのことかっていうと、「アルバイト」ってテーマで募集された回の一首が、
「海の家でオセロを売っていましたと夏の終わりにあなたは笑う」(p.82)
っていうところからきている。よくわからんなあ私には、なんのアルバイトなのか。
同じアルバイト題のなかでは、私は、「そんなこともできないのかとあきれられどんなことかもわからずにいる」(p.80)ってほうが好みだな、これは全部ひらがなで書きたくなる気持ちもうすうすわかるような気がする。
うーん、今回一読してみたところ、あんまり、これ、いい、って直感的におもうものが多くなかったなって気がする。
それは上に書いたように、私の歌に対する関心がうすれてるというか、感度のようなものが落ちちゃってるせいぢゃないかとおもう。
それでも、こういうのおもしろいかもって思ったのをいくつか引用しておきますか。
「大丈夫あなたの見つめるくちびるであなたの天敵やっつけてあげる」(p.153)
これはテーマ「苦手な食べ物」ですね、すてきな宣言です。
「乱気流に突入します、すみません機長は乱気流が好きなので」(p.185)
これはテーマ「飛行機」、妙におかしい。
「平安にウインクとかはあったのかなあ自由研究はそれがいいのに」(p.232)
これはテーマ「宿題」、宿題をヤダとか大変とかでとらえない発想がいいと思います。
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電動バナナ倶楽部

2024-08-08 19:41:58 | マンガ
原律子 1988年 スコラ・バーガーSC
これは、ことし3月の古本まつりで見つけたもの、なんかめずらしい気がして買ってしまった。
原律子って、『フロムK』の「風雲原律子」が私にとってはいちばん情報量多いくらいで、ちゃんと読んだことないなー、とか思ったもんで。
なんか「スピリッツ」で連載してなかったっけ、詳しいこと細かいことおぼえてないが、それくらいの記憶しかない。
本書は、巻末初出一覧によると「スコラ」で1984年から1985年に連載していたという、「電動バナナ倶楽部」が中心で、全部で160ページくらいの単行本だけど90ページくらいを占めてます。
連載の一回あたりは3ページで、全30回つづいたようですが、ほかには「月曜漫画」という作品が「サンデーまんが」で4回連載されたものだけど、あとの収録作は1985年ころの時期に、あちこちで単発で掲載された2ページとか4ページの作品を集めたってところ。
そのへんの仕事量が、『フロムK』で言われてた、締め切りを守らないとか、編集からの電話に出ないとかってあたりと、関係あるのかどうかはわからないけどね。
初めて読むものばかりだったんだけど、それにしてもなー、内容は、予想してたよりすごいなって感じ、感想を言えといわれても困ってしまう。
『フロムK』のなかでは初期の作品について、「スケベネタは充分にやらしく かつ可愛らしさがあった」と評されてて、そういうの期待してたんだけど、このころにはもう独自路線を突き進んでんのか、あんまりカワイイって感じはしない。
よく言われることだと思うけど、下品なネタのオンパレードである、おもしろいかって言われても、答えようがない。
(うん、いつもだと、収録作のタイトルをずらっと書き並べるんだけど、ちょっと本書の場合は、ブログの品性疑われちゃったらヤだなというワードがあるので、やめておく。)

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パリ2024オリンピック 総合馬術で日本チームが団体銅メダル

2024-08-02 18:34:05 | Weblog
すっかりニュースとしては出遅れてしまって面目ないんだけど。
日本時間29日の夜は所用で決勝が観られなかったもんで、昨日今日で録画しといた(グリーンチャンネル、グッジョブ)のをようやく観たわけだ。
おめでとう、日本代表チーム。
いやー、いいですね、凄すぎてどこがどう難しいのかすらわかってないんだけど、ひさしぶりに馬術の試合見て、やっぱいいなあと思った。
特に総合って、馬場と障害はまだ理解可能な範囲内にありそうな気もするけど、私が馬だったら、クロスカントリーは絶対やだ、拒否する自信しかない。
だって人はコース下見してんのかもしれないけど、馬はこの向こうになにがあるのかどうなってんのかわかんないようなもの飛ぶんでしょ、無理だよ。
ほんと馬はえらい。
これで2024年夏のオリンピックは、日本が馬術競技でメダル獲得したって形で私んなかでは記憶に残るんぢゃないかと。
(なんかオリンピックに対する関心が年々薄ぅくなってくんだよね、オリンピックでやんなくてもいいだろがって競技が増えてく気がするのと関係あるのかも。)
それにしても、たまには、馬乗りたいもんだねえ。(障害は遠慮しとく。)
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扇子が当たった(ほかのことも)

2024-07-26 18:14:27 | Weblog
毎年恒例のプレゼント企画に応募したら、ことしは扇子が当たった。(2年前には色紙が当たった。

使うかどうかはわからんが、こういうの持ってるだけでもうれしい。
これは単に応募したのの抽選だけぢゃなく、まぐれでも一応正解当てないともらえないので、そこちょっと達成感はある。
(抽選はずれたかと思ってたけどね、正解したのが5月19日、当選のお知らせきたのが6月12日。)

ちなみに、以前2017年にも当たったことある。

(ここへ書いたと思ってたんだが、書いてなかった。)

どうでもいいけど、この夏は扇子が届く2週間ほど前に、これは前触れなしに、初めて当たったものがいきなり届いて、軽くおどろいてた。

べつに(扇子とちがって)そんなにほしいとも思わないものだったが、くれるものはありがたくもらっとく。
(これはただの運だけ。)

それよか、この夏いちばんおどろいたのは、扇子届く1週間ほど前の暑い日に当たったやつ。

猛暑日の私の定番、ガリガリ君の当たりだ!
これがいちばんラッキーなんぢゃないかという気がした。(金額の問題ではない、たぶん人生初だから。)
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