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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ジャパンCがGIレース世界1位に23年のトップ100発表

2024-01-25 18:22:44 | Weblog
きのう見たニュースなんだけど、ジャパンカップが2023年のロンジンワールドベストレースになったと。
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/netkeiba/sports/netkeiba-254332
JRAホームページはこちら→世界のトップ100GⅠレースがIFHAから発表!ジャパンカップが「2023年ロンジンワールドベストレース」を受賞

こりゃ、すごい、と思った。
たぶん世間一般では、個々の競走馬がどのレースを勝ったとかランキング1位になったとか、ってほうしか興味ないのかもしれないけど。
世界一のレースを主催・開催してるってとこに至った、ってほうが私なんかはスゲエって感慨のようなものがある。
ま、順位つける数値は最終的にはなかば機械的な計算で求めるんで、ほんとにいちばんいいレースだったかって主観をもてるかどうかは、衆目の一致するとこぢゃないかもしれないけど。
(しかしねえ、ジャパンカップ終了直後に、ドバイシーマクラシックの129を上回る133を堂々とつけて、さらに最終的に135に上方修正するって、自信もって日本の競走はすごいって言ってるようなもんだから。)
あと、ねえ、世界のトップ中のトップのレースをつくりあげたといっても、ぢゃあ今後世界中の競馬関係者がこのレースを獲ること目指してやってくるかっていうと、そこんとこはわかんない。
(たぶん、そこまではしてこないんぢゃないかと。あるいは、たとえば、1年間にわたって滞在とか移籍していいんなら、って思うひとがいても不思議ぢゃないけど。)
(また、もしかしたら日本の競馬ファンのほうは、ほかのスポーツと一緒で、海外の場での日本馬活躍のほう重視して、目の前で最上級なものやってても価値認めないかも。(ほら、いるでしょ、日本プロ野球をろくに見ないで、後に同じ顔合わせがメジャーであると日本人対決大注目だとか妙に喜ぶひと、明治維新以来の西洋で認められたいコンプレックスなんぢゃないかと。)宝塚記念で1・2着馬がいい競馬してんの見ても面白くねーとか言っといて、凱旋門賞で同じ1・2着馬になったら大はしゃぎとか。)
ま、いずれにせよ、めでたい。
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ミステリーゾーン2

2024-01-18 18:11:44 | 読んだ本
ロッド・サーリング/矢野浩三郎・村松潔訳 1986年 文春文庫
前にあげた『ミステリーゾーン』といっしょに去年10月に買い求めた古本、読んだのはごく最近。
おそらくはテレビドラマ(トワイライトゾーン)の脚本が先にあって、そのノベライゼーションなんだが、ドラマは全部みたはずなんだけど、どれもよくおぼえちゃいない。
こんなのどういうふうに映像作品にしてたんだろとしばしば思ってしまうので、このあとヒマなときにダビング保存したはずのDVD探して観てみるしかないかなと。
収録作は以下のとおり。(後ろにつけたカギカッコは参考までにテレビドラマ版タイトル)
真夜中の太陽 The Midnight Sun 「狂った太陽」
地球が説明のつかない原因から軌道をはずれ次第に太陽に接近していく状態、暑さからアメリカの人々もとりあえず北へ逃げ出していき、ノーマの住むアパートにはあとは家主のブロンソン夫人しか残っていなかった。
免除条項 Escape Clause 「良心を売った男」
44歳のウォルター・ビーデカーは病気や死を異常に恐れていて、本人は病気だと言い張るが医者は何の問題もないというノイローゼのような状態。人の寿命が短いなんてけしからんと独りつぶやいていると、悪魔がやってきて魂をくれるなら不死にしてやると言い出す。
魔法の砂 Dust 「縄」
ピーター・サイクスはなんでも扱う行商人、南西部の小さな村にやってきた日は、馬車の酔っ払い運転で女の子を死なせてしまったメキシコ人の若者の死刑執行日だった、サイクスは若者の父親に魔法の砂だといって砂を売りつける。
奇跡の左腕ケイシー The Mighty Casey 「鉄腕ケーシー」 
メジャー球団ブルックリン・ドジャースは長年成績不振で、入団テストにもたいしたテスト生は集まらなかった。そこへスティルマン博士という人物が、ケイシーというがっしりしたサウスポーをつれてきたが、ケイシーは博士が組み立てたロボットだという。
核シェルター The Shelter 「生と死の世界」
ある夏の夜にビル・ストクトン医師の家には、町の人が集まりストクトン医師の不意打ち誕生日パーティーを開いていた。ラジオのアナウンサーが、合衆国大統領が遠距離早期警戒網で未確認飛行物体をレーダーにとらえたと声明を発表、シェルターのある家庭はそこに避難しろと言い出した、ストクトン医師は以前から自宅にシェルターを建設していたが、町の他の人々はシェルターなど持っていなかった。
ランス・マグルーとの対決 Showdown with Rance McGrew 「西部劇作法」
ランス・マグルーは西部劇の主役俳優で、撮影には遅刻してくるわ脚本にケチつけて自分のやりたいようにしかやらないわ小道具には文句つけて自分の趣味のものしか使わないわのわがままな男だったが、撮影中にランスがふと気づくと、セットも周りの人物の様子も変わっていてタイムスリップしたようだった。
リップ・ヴァン・ウィンクルの犯罪 The Rip Van Winkle Caper 「砂の上の宝」
四人組の男が砂漠を走る列車の線路を爆破し脱線転覆させて200万ドルの金の延べ棒を強奪した。リーダー格の男ファーウェルは化学と物理学の博士号をもっていて、彼の計画は金を奪ったあと洞窟に隠して自分たちは長期間仮死状態になって事件のことなど誰もが忘れている未来に目覚めるというものだった。
真実のみ The Whole Truth 「因縁も売り物です」
ハーヴィ・ヘニカットは中古車販売業者だったが、色彩豊かで想像力に富む独特な魅力の嘘を吹きまくることで、ろくに動かない車でも相手をだまして売りつけてしまう類まれな手腕をもっていた。ある日、銀髪の老人が古いA型フォードを売りにきたので安値で買い叩いたはいいが、老人は引き渡しが済んだところで「断わっておかなければならないことがひとつある、あの車は呪われているんだ」と言った。
フライト33 時間の旅 The Odyssey of Flight 33 「33号機の漂流」
1961年の六月のある午後にロンドンからニューヨークに向かっていた大西洋横断ジェット定期便は高度3万5千フィートを飛行中に異変に見舞われた、計器は異常な加速を示していたしどこの空港とも無線連絡がとれなくなった、ニューヨーク上空に到着するとマンハッタン島はたしかに見えるがそこにニューヨークの都市の姿はなかった。
孤独な男 The Lonely 「星に流された男」
殺人を犯したジェームズ・コリーは情状酌量の余地が認められて死刑にはならなかったが砂に覆われた小惑星への35年の流刑にされていた。訪れるものは年に四回の補給宇宙船だけでそれも着陸から離陸まで平均12分間の滞在時間だった。
柔和な人のクリスマス Night of the Meek 「弱き者の聖夜」
クリスマスに百貨店のおもちゃ売り場でサンタクロース役の仕事をしていたヘンリー・コーウィンは夕方の休憩時間中に近くの酒場で飲んだくれていたためクビにされてしまった。吹きつける雪のなか自分の住んでいるブロックの路地に踏み込んだとき、ソリの鈴のような奇妙な音を聞いたあと、なんでも取り出せる麻袋を手に入れた。
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特別料理

2024-01-11 19:19:24 | 読んだ本
スタンリイ・エリン/田中融二訳 二〇一五年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
これは前に読んだ『くじ』と同じように、『厭な小説』の巻末解説に、
>(略)厭な話好きな方は読んでおくべき作品。これのヴァリエーションとなる作品もあるので、基礎教養としても読まねばならない。(略)料理ミステリの古典としても有名な、厭な話である。
と読書案内されていたので、去年10月ころだったか買い求めた古本の文庫。(私は特に厭な話好きではないのだが。)
原題「MYSTERY STORIES」って短篇集は1956年発行らしいが、なんでも一年にひとつくらいしか短篇を書かないのでデビューから10年くらいかかったとか。
全部で10篇が収録されてるが、どれもなかなかおもしろい、あんまり厭だって感じはしないし。
「特別料理」 The Specialty of the House
ひとけのない街路の地下にあるレストランは、メニューもなく出された料理を食べるほかなく、テーブルの上には塩などの調味料なし、アルコール類も出さない。
しかし、そこの料理はまちがいなくうまく、常連に言わせれば芸術的とか人類の文化の頂点ってことになる。
ところが、そんなふだんの献立にもまして、ほんの稀にしか出ない特別料理の味ときたら、もう比べるもののないくらいすごいんで、
>(略)実際、わたしはただあれのことを考えるだけで気が狂いそうだ。脂がのったチョップでもなし、固すぎる脚肉でもない。そうじゃなくて、世にも珍しい種類の羊の一番いいところの肉なんだよ――原産地の名前をとってアミルスタン羊っていう(p.34-35)
というんだが、ここまで読んで私は思い出した、大昔に読んだ星新一の『進化した猿たち』のなかに、なんだかの肉はアミルスタンの羊のごとくうまいのだそうだ、とか書いてあったことを。そうかこの話だったのかとひとりで合点。
「お先棒かつぎ」 The Cat's-Paw
求人広告に応募したクラブトリー氏は、比較的簡単な事務仕事でいい給料をもらえる仕事についたが、ある日雇い主の男がオフィスにやってきて、与えられた役割を勤勉に果たしたいなら、ひとを一人殺してくれと言い出した。
「クリスマス・イヴの凶事」 Death on Christmas Eve
クリスマス・イヴのたそがれに顧問弁護士の男がベーラム邸を訪ねてチャーリーに面会する、チャーリーの妻ジェシーは以前に邸の階段から転げ落ちて死んだのだが、チャーリーは自分の姉セリアが突き落としたのだと疑っているが、死因審問では犯罪ではないと結論されていた。
「アプルビー氏の乱れなき世界」 The Orderly World of Mr. Appleby
アプルビー氏は美術骨董品店を営んでいて、食が細く、物があるべき場所にないと神経にさわるような男だったが、結婚しては事故で妻を亡くし遺産を受け取るということをもう六度も繰り返していた。
「好敵手」 Fool's Mate
五十の坂を越えようというジョージはさらに年配の人からチェスのセットをもらったが、妻のルイーズは興味を示さず相手になろうとしない、しかたなくジョージは一人で黒と白を交互に手を並べていく日々が続く。
「君にそっくり」 The Best of Everything
何度か職を変えてホートン社につとめているアーサーは家柄と出身校が一流ぢゃないことにコンプレックスをもっていたが、あるとき以前ホートン社につとめていたというチャーリー・プリンスという好青年と出会う、チャーリー・プリンスはいいとこの出なのだが家から追い出された身で仕送りのカネが届くまで現在は宿無しだという、アーサーは自分と同居するようにすすめて彼の所作を自分のものにしようとした。
「壁をへだてた目撃者」 The Betrayers
ロバートのアパートの壁は薄いので隣の部屋の音もふだんからよく聞こえた、彼は隣室の女性の声を聞いては愛らしい女性だと想像していたが、彼女の夫が乱暴者らしい様子もうかがえた、そしてある日隣室の男女の間で口論が起き格闘のうえ柔らかいものがどさりと床に倒れる音が聞こえた。
「パーティーの夜」 The House Party
俳優のマイルスは自宅の外で気を失っているところを見つけられて運びこまれて気がついた、自宅ではパーティーを開いていたのだが彼はそういう集まりに嫌気がさしていた、好評といわれている今の舞台もやめてしまいたいと思ったが、興行主は途中降板は認めないという契約書があるといって口論になる。
「専用列車」 Broker's Special
株式仲買人コーネリウスはめずらしく決まった列車ではない便で早く帰宅したところ、駅から家までの道で妻と誰か一人の男が同乗している車とすれちがった、妻の浮気相手に殺意をもったコーネリウスは自宅で拳銃を手にとったが、そのとき以前老判事に「完全な凶器はたったひとつ自動車だ、微罪で済む」という話を聞かされたことを思い出す。
どうでもいいけど、本文中に「(略)他の連中の様子に、そこはかとなくみだりがわしいものがつきまとっているように(略)」って箇所があって、「みだりがわしい」って語は知らなかったんで辞書ひいたら「猥りがわしい」ってちゃんとあった、いいトシして新しいボキャブラリーに翻訳もので出会うとは不思議なものだ。
「決断の時」 The Moment of Decision
語り手の「私」の義兄ヒュー・ロジャーは徹底的な自信家で伝統ある館に住んでいたが、あるとき敷地の隣にあたる館にかつての奇術王レイモンドが住むようになったのが非常におもしろくなかった、衝突した二人を仲直りさせようとヒューの妻は晩餐にレイモンドを招くが、さらにいさかいは激化することになりヒューはレイモンドへある賭けをもちかける。
一読したなかでは私はこの作品のラストあたりがいちばん好きだな。
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宗像教授世界篇

2024-01-04 18:55:44 | マンガ

星野之宣 2023年 小学館ビッグコミックスペシャル
去年11月くらいだったろうか、街の書店のコミック売場でこれを見つけて驚いた、新シリーズ出てたのって。
正確にいうと、今回読んだこの第1集ぢゃなくて、最新刊の第2集が、発売になったばかりらしく、店頭にあったんだが。
こりゃ買ってみるかと、近くで第1集を探したんだけど無いんだよね、これだから近ごろの本屋はダメさと思いつつ、買わずに帰った。
で、年末ころになってネットで、ようやくこの第1集だけを買ったさ、年明け早々に読んだ。
新刊見つけたときから、実際読むまでの約一か月のブランク、なにをしていたかというと、過去シリーズを読み返してた、『宗像教授伝奇考』文庫版7冊、『宗像教授異考録』単行本15冊(笑)
「異考録」の最終第15巻の日付をみると2011年なんで、なんと12年経ってのシリーズ再開か、そりゃ驚かされる。
前シリーズの最後では、主人公の宗像教授はイギリスに客員教授として招かれてって、それでしばしお別れってことだったんだけど。
今回はそこから日本に帰ってきて、ってことで、ちゃんとつながってる、描いてなかったけど前のころにあった話とかってんぢゃなくて、登場人物はちゃんとトシをとってる。
トルコのギョベクリ・テペ遺跡から発見された巨石遺構の謎から始まって、ヨーロッパにもアジアにもおんなじような遺跡や伝説があるのはなんでだ、日本にもおんなじようなものがあったり日本にだけはそういうのがなかったりってのはなんでだ、みたいなことを大胆な仮説たてて考察してくさまは、あいかわらずおもしろい、っていうか前よりスケールアップしてておもしろいかも。
そんな説は荒唐無稽だとか批判されると、
>誰も踏み込まなかった道を わしは単騎で 進むことにしたのだ。
>転倒しようが迷おうが、 ドン・キホーテと嗤われようがな…
>あとから来る者は せいぜい 安心できる道を 検索して選ぶがいい。(p.177)
とか堂々と答えます。
その背景には、人生の残り少ない時間を意識して、その時間を自分の研究のためだけに使うんだと決意して、
>自分の心の赴くところ 一人で生き、最後は一人で死ぬ。
>迷うつもりはない。(p.74)
って宣言したことがあります。んー、マンガの登場人物もトシとると覚悟とかできてくるんですねえ。
どうでもいいけど、前の「伝奇考」シリーズでは雑誌での紀行文干支シリーズの企画に執筆するってネタがあって編集者と取材旅行してたりしたんだけど、本シリーズでもなにやら執筆の依頼がくるのはいいが、その「月刊ビッグヒストリー」の編集長の芹沢って女性が右目に眼帯してる、これってゴジラの芹沢博士(平田昭彦演)じゃん、何故、って、ちと驚いた。
第1集のコンテンツは以下のとおり。早く第2集を読まねば。
第1話 獣の神殿
第2話 狼の星座
第3話 熊の王座
第4話 斑(まだら)の馬
第5話 鹿男(シャーマン)・前編

しかし、よく考えたら、以前のシリーズ全般について、
もっとちゃんとした感想みたいなものをまとめとかなきゃいけないなあ。

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