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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

アリスとシェエラザード

2022-04-17 18:52:42 | 諸星大二郎

諸星大二郎 2022年4月 小学館・BIG COMICS SPECIAL
新刊が3月30日発売だっていうんで、すぐ買った、「諸星大二郎劇場第4集」。
『雨の日はお化けがいるから』『オリオンラジオの夜』『美少女を食べる』につづく第4集なんだが、短編集といっても、主人公たちが同じなんで、シリーズもの。
初出は「ビッグコミック増刊号」で2020年から連載状態らしい。
主人公は、ミス・アリス・ミランダと、ミス・シェエラザード・ホブソンという二人の若いレディ。
このうちミス・ホブソンは、ファーストネームで呼ばれるのを嫌がる、詳しい理由はよくわかんない。
舞台はヴィクトリア朝のロンドン、いいですねえ、人智でははかりしれない怪奇があっても許される時代です。
二人の仕事は「人探し」なんだけど、そこは普通の方法ぢゃなくて、霊媒体質のアリスが、降霊会で霊を呼びだしたりして依頼を解決するという、諸星ワールド、大好きです、こういうの。
たとえば第1話では、ドクターと名乗る男性が、結婚相手を探しているのだが、条件は手というか腕の美しい女性だという依頼を持ち込む。
アリスが候補者をピックアップしてリストをつくって渡して、とりあえず依頼にこたえるんだが。
行方不明の姉をさがしてくれって別の依頼者が現れ、消えた姉はドクターに渡したリストにのせたうちの一人であって、さらに調べるとリストの五人全員が行方不明になっている。
そのうち、ロンドンでは、腕を切りとられた女性の惨殺死体が相次いで見つかるという事件が発生。
行方不明者の妹を呼んで、降霊会をおこなって、被害者たちの霊に腕はどこにあるのか問いただす。
二人の若い女性コンビがなんだかんだ掛け合いながらトラブルにぶつかっていく様子は、お、「栞と紙魚子」みたいかも、って思わされる。
著者あとがきによれば、今後もこのシリーズを描く予定がありそうなので、楽しみにしたい。
第1話 ファーストネームで呼ばないで(「手を愛する男」改題)
第2話 プリマの復讐(「プリマの嘆き」改題)
第3話 眼球泥棒
第4話 海から来た男
第5話 首を捜す幽霊
第6話 紅玉の首飾りの女
第7話 椅子になった男
第8話 スピード大好き!


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