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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

美加と境界の神/夢見村にて/悪魚の海

2021-10-03 18:08:05 | 諸星大二郎

諸星大二郎 2021年7月 集英社文庫〈コミック版〉
最近になって書店で見かけて買った、新しい文庫。
「妖怪ハンター 稗田の生徒たち」シリーズ。
最初、なーんだ、また焼き直し文庫版かあ、とか思ったんだが、「コミックス未収録作品」の帯の文字みてビックリ。
2014年のコミックス『夢見村にて』には入っていなかった「美加と境界の神」という作品が加わっての全三編収録。
そら、もう読むしかないでしょ、って買って、さっそく読んだ。
巻末の初出一覧によれば、「美加と境界の神」は他二作品よりも前の、2009年ウルトラジャンプ発表のものだという。
著者あとがきによれば、
>2014年のコミックスの時は、ページ数の関係から『美加と境界の神』は入れられませんでした。そのうちシリーズの続きを描くこともあるだろうと思って、その時は断念したのですが、なんとなくその機会が来ないまま、10年以上もたってしまいました。初めての単行本化が文庫というのは残念なのですが、このまま眠らせておくのも悔しいので、このさい収録することにしました。
ということだそうですが、シリーズの続きはぜひぜひ描いてくださいますようお願いいたします。
文庫版はねえ、今回これ、初めて読むことになった作品見て、思ったんだけど、やっぱサイズが物足んない気がする。
読んだことあるやつが文庫化されるんならまだしも、やっぱ、ちゃんとマンガ読むなら、A5版くらいは欲しいなと思った。
「美加と境界の神」
『天孫降臨』シリーズでおなじみの天木美加は、村の境界に置く大きな藁人形に興味をもち、四方口村を訪れる。
そこで出会った男の子は、結婚して村に住んでいた姉を探しに村に来たという。
半月くらい前に姉が死んだと知らせがきたが、村の習慣だという葬儀は、火葬にはしないし、親族は埋葬に立ち会わない決まりだった。
初七日の後、東京に戻っていると、姉の携帯からメールが来て、寂しいところにいる、坂を登れないとか書いてある。
義兄に問い合わせても、まちがいなく死んだんだし誰かのいたずらだと言い、とても動揺していて何か隠しているらしい。
「夢見村にて――薫の民族学レポート――」
『天孫降臨』シリーズでおなじみの美加の兄である天木薫は大学生になっていて、民俗学を専攻していた。
実地調査に訪れた夢見村は、夢を売買する習慣や伝説がある土地だった。
温泉で出会った少女についていくと、「村に泊まると夢を見ると思うけど、その夢を誰かが買うといっても売っちゃだめよ」と言われる。
「悪魚の海」
『六福神』等でおなじみの小島渚は、ある夜の海岸で、中学のときの同級生だった後藤カオリが倒れているのを見つける。
カオリは出身の村で海女になり、厳しい訓練を受けていたが、逃げ出してきたのだという。
具合悪そうにしていたカオリは、次の日の夜になると、海に行きたいと言い出し、海に行くと「呼んでる 行かなけりゃ」と意識ふらふらした様子のまま沖に泳いでいってしまった。
小島渚はいつものとおりボーイフレンドの大島をつれて、カオリの家のある尼捨岬の余利集落へ出かけていくが、海の近くに行ったところ、いつものように霊媒体質のせいで、魂が抜けたような状態になってしまった。


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