うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

心に届いたものは、また次の心に届く

2011年03月28日 20時00分22秒 | お仕事
いい天気でしたね 風も殆どなく暖かで心地よい一日でしたv
そんな中をかもしたは今日も一日被災者の避難所巡りでした。避難先のお寺には有名な枝垂桜があるんですが、それが見事に咲き誇っていて、部屋にこもりがちだった被災者の皆さんをお外に連れ出すいい機会になりました
特にお年寄りの方はどうしてもお部屋にこもりがちなので(寒いと足腰に来るので、あまり出たがらない)、「今日はいい天気で桜が綺麗ですよv」とお誘いしたら「もう桜って咲いているんですか(・0・)!」と驚かれていました。そうか・・・東北だと桜は4月中ごろ~もっと遅ければ5月の連休あたりですもんね。
ちょっとしたお花見な雰囲気で、お散歩しつつ、枝垂桜を見上げてみれば、丁度青空にピンクが映えて、すごく綺麗でした
「お国の桜もきれいでしょうね。」と声をかけてみれば、ここ数日の訪問ですっかり顔見知りになった方々からは「ウチの方じゃ夜の森の桜が綺麗ですよ。」とか「やっぱり磐梯山でお風呂入りながら見る桜もいいよ。」とか、どんどんお話が弾む。かもした「こっちじゃ温泉ないんで入りたいですね~」といえば、おばあさんが「そったらこっちに来んさい。いいお湯があるから遊びに来て!」と温泉や地元の美味しい名物なんかを教えていただきました(^^) 今までは被災した街のことを思い出すのが辛くって、みんな話そうとしなかった・・・むしろタブーみたいになっていたんですが、本当はみんな大好きなんですよ。地元が。悲しさに押しつぶされていた心が、少しずつですが元気を取り戻してきてくれたようです。地元のことをどんどん自慢する皆さんの顔はお年寄りであれ、子供であれ、すっごく生き生きしていて綺麗でした!「あぁ・・・みんないい笑顔だな・・・」と思わず写真撮りたくなるくらい(*^^*)
悲しさを振り返ってばかりいた皆さんでしたが、段々と地元に帰った後の夢も話してくれるようになってきました。「今度は畑に何植えようかね?」「こっちでいただいた菜の花が美味しかったから、福島でもこさえたいね。」「リンゴなったら送るからね。食べてね!」etc・・・。
うん、大丈夫だよ日本。みんな一人じゃないよ。こんなにつらい目にあっても、みんなこうして夢を語れるくらい強さを取り戻せるんですよ。きっとみんななら乗り越えられるんじゃないかな。及ばすながら、皆さんが笑顔でここを離れられる時まで、一緒に頑張らせていただきますよp(^^)q
そんなみんなの心を癒してくれた桜に感謝です(^人^)
そして、また別の避難所を巡ればいい笑顔に出会えました。
そこの避難所はたまたま小学生のお子さん方が多いところだったんですが、近所の畑を持っている方から「ウチの菜の花取りに来て」とお誘いがあり、子供たちは元気に外へ飛び出していきました。
そして5分後―――「ママ見てー!」と元気に走ってきた男の子の手には・・・何故にぺんぺん草?(-△-;)
お母さん「それは菜の花じゃないよ。菜の花はもっと大きくて黄色くて・・・」 かもした「形は他の花に似てるけど、惜しかったね^^;」と言ったら直ぐに飛び出していき、また5分後「ママ取ったー!」と持ってきたのは何と黄色の水仙!Σ(-口-;) お母さん「アンタそれどっから持って来たの!?」 お子さん「そこ。」(←あっさり)と指差したのは、全く畑とは別の、近所の方のプランタンに植えられていた黄色の水仙・・・ どうにもお母さんの「大きくて黄色」までしか脳内にインプットされなかったらしい・・・orz
お母さんと一緒に誤りに行ったんですが、「どうぞお持ちください。少しでも楽しんでいただけたなら、きっと花も喜びます」とにこやかにお花を何本も頂いてしまいました。
「綺麗だねv」と殺風景な避難所に咲いた水仙はとてもきれいで皆さんの心を和ませてくれました。
あ、問題の「菜の花ってどれ?」のお子さんは、無事本物を教えてもらえたようです。そうか・・・最近の子供って菜の花見たことない子いるんだね^^;
そんな一件があって間もなく、男の子さん方が「ママ、見てみて!凄い!!」と言いながら「菜の花」+「何か」を背負って走りこんできました。その「何か」は何と、「黒いピカピカのランドセル」!! 皮の匂いもする新品のランドセルがやってきました。
もう大はしゃぎのお子さん方は、ランドセル背負ったまま部屋内かけずり回る(笑) 
お母さん「どうしたのこれ?」といって玄関ホールに行けば、そこにはボランティアさん方が。
「初めまして。私たち養護施設の○○の職員なんですが、実は先々月に、あの『伊達直人さん』(※つい最近まであった、あの謎の寄付の方々です)から施設に「使ってやってください」と贈られてきたものなんです。で、4月から使おうか、ってみんなで話していたんですが、この前の震災を見た子供たちから「先生、あの子たち(被災した子達)学校なくなっちゃったの?ランドセルなくなっちゃったの?津波で流されちゃったの? だったら、これみんなに使ってもらって!」って言われて、みんなで相談して「一番困っている子たちに喜んでもらいたい!」ということで、贈らせていただくことにしたんです。」
かもした&その場の皆さん感涙!(T0T) 凄いです。養護施設の子たちだって、色々な事情で辛い状況を抱えている子だって多いのに、自分ではなく更に大変な子たちを気遣って・・・。大人だって真似できないのに。「恵まれない子のために」と思って贈ってくださった『伊達直人さん』の心を、この子たちはちゃーんと受け継いでいるんですね。
実際に使ってほしかった施設の子たちではない子供のところにこのランドセルは行きますが、心はしっかりと子供たちが受け取っています。きっとこの心を受け取った被災地の子供たちは、またその心をきっとどこかで繋いで行ってくれるんじゃないかな。そうであって欲しいです。
桜とランドセル。新しい門出にふさわしいもので明るくなれた今日でした。
被災者の皆さんは、もうすぐこちらの施設から移動することになります。親御さんの仕事や子供たちの学校関係などのこともあり、今まで住んでいた土地を離れる決断をされた方は新天地へ。また地元に帰る方は、県外ではなくなるべく県内に戻るようにお達しがあったそうです。壊れた家や原発の放射能でまだまだ先が見えないですが、ここにいる間は力になれることはしてあげたいですね。
テガミバチはちょっとできなかったのが残念ですが、せめて桜とともに、新しい気持ちで復興に向かう皆さんの門出を見守ってあげたいと思います<(_ _)>

コメント
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