昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

天使との二泊三日 ⑦

2017年08月28日 | 日記
最初にナオミを部屋に迎えたのは暑い夜だった。隆志は20歳。大学2年生の夏休みを引っ越したばかりのアパートで過ごしていた。 コンコンと窓を叩く音がする。アパートは一階、窓は表通りに抜ける路地に面している。人一人がやっと通れるくらいの狭い路地で、野良猫が入り込んできたことはあったが、もちろん野良猫が窓を叩くはずもない。 時間は夜10時。絞っていたラジカセの音量をさらに絞り窓を開けた。するとそこには . . . 本文を読む