昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

天使との二泊三日 ⑥

2017年08月24日 | 日記
隆志は鼻先をくすぐるフローラルな香りで目覚める。なじみ深く懐かしい香りだった。 薄く目を開ける。ベランダ側のサッシに下りたブラインドの隙間からリビングの床に陽が差し込んでいる。正午は過ぎているようだ。 休日の遅い朝。隣には妻の紗栄子がいて、隣室では小学校に入ったばかりの娘由香がミニコンポで好きなアイドルのCDを……。なんて懐かしく穏やかな朝…&hell . . . 本文を読む