昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

天使との二泊三日 ⑤

2017年08月21日 | 日記
一人暮らしを始め、直後に厄介な嫉妬という感情と向き合わざるを得なかった希子は、女子大でさらに面倒な感情の交錯を経験する。 学業成績という数値化された評価基準で互いの優劣を認識するという方策を失った同級生たちは、解き放たれたかのように明るく自由に見える一方で、自分の価値と居場所を見出せない心許なさを感じさせていた。学生同士の何気ない日常会話は通りがかりの挨拶の領域を出るものではなく、学食やカフェで . . . 本文を読む