昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑰

2017年02月23日 | 日記
“松の湯”は、驚くほどの盛況だった。客はざっと数えて20名ほど。湯船も洗い場もざわついている。先に入って行くとっちゃんに、湯船に腰かけていた数名から声がかかる。 「おお~、とっちゃんやないか」 「とっちゃん、今日は大変やったな~~。ひどい雨やったもんなあ」 「とっちゃん、今日は早いんちゃうか~?」 ズヒズヒと笑いながら、とっちゃんは声を掛けてくる人に「おっさんは、い . . . 本文を読む