昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑪

2017年02月01日 | 日記
ある朝突然、とっちゃんは、“おっさん言うてたわ”を枕詞に話を始めるようになった。そして、その様子にそこにいた全員が驚かされた。とっちゃんの目は輝き、言葉には起承転結があり、しかもその語り口が熱を帯びていたからだった。 とっちゃんが帰るやいなや、“おっさん”とは一体誰なのかに、僕たちの話題は集中した。 おっちゃんは販売所の所長、おばちゃんはその夫人 . . . 本文を読む