昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑫

2017年02月04日 | 日記
約一週間後、梅雨入りが宣言された翌朝、とっちゃんはこれまでになく苛立っていた。 キスチョコを隠す手付きさえ荒っぽく、これみよがしに掴み取り、ポケットに大げさにねじ込んだかと思うと、わざわざ目の前で1個を取り出し食べてみせた。 “おっさん”との間に何かがあったのか。二人の関係に質変化があったのか。それとも、“おっさん”自身に何らかの変化が起きたのか . . . 本文を読む