昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑯

2017年02月17日 | 日記
僕たちは準備を始めた。大沢さんの部屋にそれぞれのタオルと着替えを用意。日頃の会話に、それとなく「今度一緒に銭湯に行かへんか?」という言葉を混ぜるようにした。その言葉に、みんなが楽しそうに反応することも忘れなかった。 そして、7月に入って間もなく、努力は報われた。 僕が、午後の激しい夕立に汚れた足を表の水道で水洗いしている時だった。 「ひどい夕立やったなあ」 バイクを止めたカズさんが、声を掛 . . . 本文を読む