昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑮

2017年02月14日 | 日記
翌日から、販売所の朝は一変した。山下君が帰ってくるまではお菓子が出てこないこともあって、とっちゃんから僕たちに様々な質問が浴びせられるようになった。 質問の中心は山下君だった。山下君の口から出てきた言葉の多くが、とっちゃんにとって未知のものだったからだ。 「しかし、なんやあれ?グリグリ~~~、ほれ!ほれ!あれや。シ、シ、シ‥‥」 「新宿?資本論?」 「その後のほうや。あれ、なんや?ほれ、ヤ . . . 本文を読む