昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑩

2017年01月30日 | 日記
翌朝から、僕はとっちゃんに積極的に語り掛け始めた。桑原君はそ知らぬ顔を決め込んでいたが、おっちゃん、カズさん、大沢さんは、うれしそうに二人の会話に時々加わってくれた。 「とっちゃん。いつも何時頃起きてんの?」 「早いで~~」 「朝刊終わってから、何してんの?」 「いろいろやな~~」 「家のこと手伝ってんの?」 「それは、おばはんがやることやがな」 僕が掛ける言葉はほとんどが暖簾に腕押 . . . 本文を読む