1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―⑥ 2017年01月22日 | 日記 「さ、行こか~!」。 自分の配達を早めに終えたカズさんは、僕が販売所に到着するやいなや僕の尻をポンと叩いた。彼が乗った自転車には、僕の配達分と思われる新聞の束が載っている。 「付いといで!」 言うが早いか、カズさんの自転車は北山通りを突っ切り、鴨川沿いの道を下っていく。振り向きもしない。後を追う。朝の冷気が頬に心地よい。 「まず、ここに半分置いておくんやけど、雨の日は‥‥、ま、それはまた終 . . . 本文を読む