1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章― ① 2017年01月11日 | 日記 玄関、ガラスの引き戸を開けて正面、2階へと続く階段の下から3段目に、彼は大股開きで座っていた。タバコを挟んだ人差し指と中指の先を鼻の穴に突っ込んでいた。入り口に向かってVサインをしているようにも見えた。 僕は一瞬ひるんだ。元気いっぱい張り上げたはずの「ごめんくださ~~い」がか細い。 すると彼は、フィルターまですっぽり口の中に納まっていたタバコを引き抜いた。ジュポンと音がしたような気がした。 . . . 本文を読む