昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   27

2011年06月24日 | 日記
夏美さんの夫は、大阪ミナミのライブハウスのオーディションに落ちてからというもの、すっかり音楽で身を立てる意欲を失くしてしまったようだった。しばらく荒れていく心のやり場に困っていたようだったが、近くに悪友もなく、憧れの目で見つめてくれる女の子もない大阪では、自分で解決していく他なかった。 「実家を一度も出たことない大人みたいなもんやったんよね~~。自分で動いて、自分で結果に責任を取る、いうのが大人 . . . 本文を読む