昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   25

2011年06月17日 | 日記
「そう言えば柿本君、夏美さんと話したことないでしょ?!」 僕の目に警戒の色を見た和恵はカウンターに両肘を乗せ僕を覗きこみ、次いで夏美さんの方に軽く顎をしゃくった。 「確か、昨夜はお話できませんでしたね」 和恵に促され僕の前に立った夏美さんが、柔らかく微笑む。軽く化粧の乗った顔は、至近距離から見ると、随分と大人に思えた。 「おばちゃんやなあ、思うたんでしょう?」 「いえいえ、そんな&hel . . . 本文を読む