昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   23

2011年06月06日 | 日記
「お前、ここ知ってたんか、わしらの店やいうの。……小杉さんに連れてきてもろうたか」 僕の左肩に乗せた手を右肩に移し、そのまま身を捩るようにして左隣のストゥールに、彼は腰掛けた。僕は抱きかかえられんばかりに引き寄せられ、左に傾いた。 「ええタイミングやったなあ。小杉さん、今夜来とるで。……ほら、あそこ、あそこや。奥の角」 指差された方に目 . . . 本文を読む