昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   24

2011年06月10日 | 日記
思わず上から下、下から上へと、僕は目を動かしてしまった。和恵のジーパンに黒のノースリーブ姿は、数時間前とは別人のようだった。 「また気持悪くなるわよ」 僕の目が合うと、和恵は微笑み首を横に振った。後ろに束ねていた髪は下ろされていた。ノースリーブの肩に触れるか触れないかのところで2~3度揺れた髪に、僕は和恵の女を感じ、しばし目を離すことができなかった。 「面倒見よかったやろ?!和恵」 上村越 . . . 本文を読む