昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   26

2011年06月20日 | 日記
夏美さんは、恋に落ちた。そしてすぐに、それがうたかたの恋だと気付いた。しかしだからといって、身を引くわけにはいかないと思った。16歳の少女の心の強さは、遊び慣れたギタリストの想像を超えていた。 「あまり喋らへんし、我儘言わへんし、扱いやすい思うたんちゃうかなあ。彼が気持ちの優しい人やったのも確かやけど……。たま~に苛立ってたけど、手は出さへんかったしなあ。&helli . . . 本文を読む