第二章:1969年:京都新聞北山橋東詰販売所 とっちゃんの宵山 ⑮ 2010年12月24日 | 日記 「なあ、宵山に連れてってくれへんか~?」 甘える目つきで見上げるとっちゃんの言葉が粘りつく。 もう一度折れそうになった膝を立て直し、糸を引きそうな言葉を振り払うように、手を左右に振る。 「なんで?なんでや~?ええがな。ええやんか~~。行こうや」 「とっちゃん一人で行き。僕は、ええわ」 突っぱね歩き始めると、とっちゃんは僕の前に立ち塞がった。 「ガキガキ~。まあ、聞いてえな。いろいろあん . . . 本文を読む