昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第二章:1969年:京都新聞北山橋東詰販売所   とっちゃんの宵山 ⑬

2010年12月17日 | 日記
いつものように配達が終わり、いつものようにお菓子が出され、いつものようにとっちゃんがむさぼってはポケットに押し込み、いつものように4人で残り物を食べる……。 銭湯に行った翌日から、そんな風景に流れる空気が変わった。 桑原君は山下君と額を寄せ合い、大沢さんは僕と話をしたいと思っているようだった。 とっちゃんはそんな4人を階段から高みの見物といった風情。“ . . . 本文を読む