第二章:1969年:京都新聞北山橋東詰販売所 とっちゃんの宵山 ⑭ 2010年12月20日 | 日記 7月に入って間もない夕方、夕刊を配り終わって販売所に戻ると、とっちゃんがいない。おやつも手つかずだ。奇妙に穏やかで静かだが、なぜか心許ない。 「とっちゃんは?」。桑原君に尋ねると、彼が顔を横に振ると同時に“おっちゃん”が「帰ったんちゃうか~~?なんか落ち着かへんかったなあ。お菓子かて、食べてへんやろ~。よっぽどのことがあるんやろな~~」と笑った。 少し毒気を含んだ言い方 . . . 本文を読む