俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

6月22日

2016-06-22 15:53:43 | 日記
★ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり  正子
「ほうたる」とはとても柔らかな響きで、蛍火の儚げな点滅をうまく表していると思います。するとそこに思いがけない一方向への動きが生じ、静かに漂っていた蛍の火が散るように流されて行ったことが窺えます。その一瞬の美しさを瞼に留めようと、結句がどっしりと全体の骨格を支えています。(小西 宏)

○今日の俳句
手のひらに蛍あかるき少女かな/小西 宏
手のひらの蛍にほっと照らされた少女の顔が浮かぶ。少女と蛍をさらりとした抒情でうまく詠んでいる。(高橋正子)

○雪ノ下

[雪ノ下/横浜日吉本町]

★何代の灯篭の苔に雪ノ下/正岡子規
★長き根に秋風を待つ鴨足草/高浜虚子
★夕焼けは映らず白くゆきのした/渡辺水巴
★ゆれそめて雨となりけり鴨足草/今井つる女

ユキノシタ(雪の下、学名:Saxifraga stolonifera)はユキノシタ科ユキノシタ属の植物。本州、四国、九州及び中国に分布し、湿った半日陰地の岩場などに自生する常緑の多年草である。人家の日陰に栽培されることも多い。葉は円形に近く(腎円形)、裏は赤みを帯びる。根本から匍匐枝を出して繁殖する。開花期は5-7月頃で、高さ20-50 cmの花茎を出し、多数の花をつける。花は5弁で、上の3枚が小さく濃紅色の斑点があり基部に濃黄色の斑点があり、下の2枚は白色で細長い。花弁の上3枚は約3-4 mm、下2枚は約15-20 mmである。本種の変種または品種とされるホシザキユキノシタには、こうした特徴は現れず、下2枚の長さは上3枚と同じくらいとなる。開花後、長さ約4 mmほどの卵形の果(さくか)を実らせる。雪が上につもっても、その下に緑の葉があることから「雪の下」と名付けられた。また、白い花を雪(雪虫)に見立て、その下に緑の葉があることからとする説がある。このほか、葉の白い斑を雪に見立てたとする説もある。


◇生活する花たち「あさざ・山紫陽花・コアジサイ」(東京白金台・自然教育園)
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