俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月17日(月)

2014-02-17 07:46:23 | Weblog
 東海道53次川崎宿
★下萌えの六郷川の水青し   正子
冬枯れの地面のそこかしこから、野にも川辺にも萌え出た草を見出す事が出来、春らしい景色の中六郷川の川の水も春の青空を映してゆったりと流れている素晴らしい景ですね。(小口泰與)

○今日の俳句
蕗の芽や利根の支流に毛鉤打つ/小口泰與
蕗の芽が出はじめ、利根川の支流の愛着の川だろうが、春を待ちかねて毛鉤を打った。川の水にも蕗の芽にもある早春の息吹が何よりも嬉しい。(高橋正子)

○雪割一華(ユキワリイチゲ)

[ユキワリイチゲの花/東京白金台・自然教育園]

★雪割一華へ浅春の陽が燦々と/高橋信之
★一華咲く春の確かな陽の中へ/高橋信之

四季の森公園で初めて「キクザキイチゲ」を見た。去年3月22日のこと。「イチゲ」とは、どんな字を書くのだろうと名札のカタカナを見ながら思った。「一華」である。一茎に一つ花を咲かせる。
先日2月14日に小石川植物園に行った。園内を巡り、売店で柚子茶を飲んでもう帰ろうかと思ったところ植物園で作業をしている男性に出会って立ち話を少々した。一旦別れ、歩いているとまた出会って「下にユキワリイチゲの蕾がちょうど出たところだよ。神社の下の小さい池がある辺り。」と東北訛りで教えてくれた。神社は太郎神社、小さな沼池は榛の木が生えているところと見当がついた。危うく見逃すところだったが、言われた所に行くと、榛の木の生えている少し上に名札が立ててあるのに気付いた。近づくと、紫がかった三つ葉の葉に似た叢に小さな白い蕾が見える。名札がなければ、発見は難しいところだった。一輪だけが咲きかけていた。白い小さな蕾が葉に浮くように、どれも向こうを向くか横向きであった。沼に足を滑らせないように気をつけて、写真を撮った。

★うす青き沼の光りに一華咲く/高橋正子
★榛の木の根方一華の蕾みたり/高橋正子

雪割一華(ユキワリイチゲ、学名:Anemone keiskeana)はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草である。日本固有種である。本州の滋賀県から九州にかけて分布し、林の中や渓流沿いなどに生える。「雪割」は早春植物を意味し、「一華」は一茎に一輪の花を咲かせるという意味である。草丈は20から30センチくらいである。根際から生える葉は3小葉からなる。小葉は三角状の卵形でミツバの葉に似ていて、裏面は紫色を帯びる。茎につく葉は茎先に3枚が輪のようになって生える(輪生)。開花時期は3月から4月である。花の色は白く、淡い紫色を帯びている。花びらは8枚から12枚くらいである。ただし、花弁のように見えるのは萼片である。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。花言葉は「幸せになる」である。属名の Anemone はギリシャ語の「anemos(風)」からきている。種小名の keiskeana は明治初期の植物学者「伊藤圭介さんの」という意味である。圭介はオランダ商館のシーボルトのもとで植物学を学んだ。(花図鑑、©龍&華凛)


◇生活する花たち「満作・椿・蝋梅」(神奈川・大船植物園)
コメント (1)
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