俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月1日(火)

2013-10-01 07:21:37 | Weblog
★刈り進む稲田の真っ赤なコンバイン  正子
一面の黄金色の稲田にひときわ鮮明な真っ赤なコンバイン、刈り進むコンバインの収穫の音が稲田に明るく響きます。実りの秋を迎えた喜びが、豊かな色彩と音の中、爽やかに伝わります。(藤田洋子)

○今日の俳句
幾重にも石積みの畑秋高し/藤田洋子
段々畑は、石を積み上げて猫の額ほどの畑を山頂へと幾段も作った。作物にやる水も下から桶で運びあげねばならず、日本の零細農業の象徴のような存在だが、その景観は美しい。秋空を背にして山頂までの石垣がまぶしい。(高橋正子)

○木犀

[金木犀/横浜日吉本町]           [銀木犀/横浜日吉本町]

★木犀の昼は醒めたる香炉かな 嵐雪
★木犀の香に染む雨の鴉かな/泉鏡花
★木犀に人を思ひて徘徊す/尾崎放哉
★木犀の弾けるごとく咲き出でぬ/宮津昭彦
★木犀やしづかに昼夜入れかはる/岡井省二
★大徳寺は塔頭多し夜の木犀/鈴鹿野風呂
★木犀や雨に籠れば男饐え/上田五千石
★いづこの木犀朝の鞄は飯の重さ/瀧春一
★托鉢や木犀の香のところどころ/中川宋淵
★銀木犀身じろげばまた香もゆらぐ/篠田悌二郎
★木犀の香に昇天の鷹ひとつ/飯田龍太
★木犀に土は色濃うして膨らめる/原月舟
★木犀や屋根にひろげしよき衾/石橋秀野
★遠き日のごと木犀は咲きにけり/岡輝好

金木犀の匂いが流れてくる。ある日その匂いに気付くと、すぐに在所の祭りが近づく。子供は秋の服装になり、毛糸のチョッキを着たりする。新米も炊き上がる。栗もまだまだある。蓮根もおいしくなる。魚はなんだろうか。酢〆にした鯖なんかもある。祭りのごちそうが揃ってくる。そんな季節の花なのだ。金木犀は。

★金木犀こぼれし花もあたたかな/高橋正子
★青空に銀木犀の銀確かむ/〃

 モクセイ(木犀、学名: Osmanthus fragrans)は、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木。別名、ギンモクセイ(銀木犀)という。広義では、Osmanthus fragrans に属する変種、品種の総称。中国原産で、中国名は桂花 。ギンモクセイ(銀木犀、学名:Osmanthus fragrans Lour. var. fragrans)、キンモクセイ(金木犀、学名:Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino)、ウスギモクセイ(薄黄木犀、学名:Osmanthus fragrans Lour. var. thunbergii Makino)の総称であるが、単に「木犀」と言う場合は、ギンモクセイを指すことが多い。
 ギンモクセイは、中国原産の常緑小高木で、樹高は3-6mになり、庭や公園などで栽培されている。花には香気があるがキンモクセイほどは強くない。幹は淡灰褐色で、樹皮は縦に裂け目ができる。葉は長さ7-15mmの葉柄をもって対生する。葉身は革質で、長さ8-15cm、幅3-5cmとキンモクセイより葉幅が広く、楕円形で先端は急にとがり、縁にはあらい細鋸歯があるが、鋸歯がなく全縁の場合もある。葉脈の主脈は表面でくぼみ、裏面で突出する。花期は9-10月。雌雄異株で、花は葉腋に束生する。花柄は長さ5-10mmになる。花冠は白色で4深裂し、径約4mmになる。雄蘂は2個。果実は核果で、長さ1-1.5cmの楕円形になり、翌年の春に黒褐色に熟す。

◇生活する花たち「茶の花・犬蓼・吾亦紅」(横浜下田町・松の川緑道)
コメント (1)
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