俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月7日(土)

2012-07-07 03:19:14 | Weblog
★学生食堂ひとりの顔に夏日あり  正子
賑わしい学生食堂も、夏休みになり、少し落ち着いてきました。その中に、考えごとでもしているのでしょうか、厳しい陽射しに臆することなく、顔を上げている「ひとり」がいます。夏日を受けて憚らない、その強さを応援したくなります。(川名ますみ)

○今日の俳句
★パステルをやや強く押し青葉の絵/川名ますみ
パステルで絵を描く。青葉の絵だ。青葉の勢いを描こうとすれば、自然パステルを強く押しつけるようになる。いきいきとした句だ。(高橋正子)

○夕菅(ゆうすげ)

[夕菅/大船植物園]

★天が下万のきすげは我をつつむ/阿波野青畝
★夕菅は胸の高さに遠き日も/川崎展宏
★厩までユフスゲの黄のとびとびに/大野林火
★遠きほど夕菅の黄の満つる色/広瀬直人
★夕菅は實になってゐし花野かな/上野一考
★坪庭の暮れのはじめを花黄菅/本田日出登
★ゆうすげに月まだ淡くありにけり/高橋正子

 「ゆうすげ」という名前に惹かれる人も多い。夏のまだ明るい夕方の空を背景に開花する黄色いの花は、人を少なからずロマンティックな想いにさせる。花の姿が野かんぞうにも似ているが、野かんぞうの赤みがかった黄色ではなく、レモンに近い黄色である。遠くまで、はかなげなレモン色のゆうすげが咲く高原は、乙女でなくとも魅惑的な風景と思う。

夕菅(ゆうすげ)は、ユリ科ワスレグサ属の種の一つ。山野などに生える。夏の夕方に開花し、翌朝にしぼむ。くっきりしたきれいなレモン色の花。香りあり。別名、黄菅(きすげ)。学名(Hemerocallis citrina var. vespertina)の由来は、Hemerocallisは、ワスレグサ属(ヘメロカリス属)、citrinaは、レモン色、vespertinaは、夕方の、西の、Hemerocallis(ヘメロカリス)は、ギリシャ語の「hemera(一日)+ callos(美)」が語源で、美しい花が一日でしぼむところから、といわれる。

◇生活する花たち「凌宵かづら・百合・青ぶどう」(横浜日吉本町)
コメント (1)
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