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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

モーニング娘。その傾向と対策 ~ 第二部

2007-12-16 12:37:26 | 芸能
前回第一部では、「ASAYAN」で、テレビ的仕掛けを連発して人気者になったモーニング娘。が、テレビ的仕掛けを打たなくなったことについて、書きました。

最新メンバーである、ジュンジュンとリンリンについては、モー娘。に入った経緯すら、ほとんど放映しない状態です。オーディションの模様を、逐一流して、後藤真希や、辻加護を、デビュー前に、人気者に押し上げた時代とは、隔世の感があります。

さて、今回のテーマは、

(その二) メンバーばら売りへの、理由なき抵抗

「野ブタ。をプロデュース」というドラマがあった。白岩玄の同名小説が原作で、堀北真希、亀梨和也、山下智久の三人が、主人公の学園ドラマである。

筋立てが面白いので、毎週見ていたが、ドラマの世界にのめり込むにつれて、三人のタレントとしての情報も、否応なく頭に入ってきた。

堀北真希は、売り出し中の新人女優で、「ケイタイ刑事」の主役だった。亀梨和也は、KAT-TUNというジャニーズのグループに属している。山下智久は、NEWSのリーダーらしい。

こういう情報が、一度入ると、今まで何気なく見ていた、他のドラマや、芸能ニュースの中に、引っかかるものが出てくる。

「ごくせん」の赤西仁は、KAT-TUNのメンバー。「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」の坊主頭も、KAT-TUNで、田中聖という名前らしい。NEWSは、フジテレビのバレー応援団になっている。「クロサギ」は、堀北と山下が、主演している。KAT-TUNのデビュー曲は、バカ売れしているそうだ。

私は、男性アイドルには、興味がないので、ジャニーズ関係の知識増大は、あまり嬉しくない(笑)。しかし、「野ブタ。をプロデュース」がきっかけで、KAT-TUNやNEWSの知名度が、自分の中で、一気に上がったの間違いない。そして、それは、世間での知名度アップを意味する。

実際、堀北真希は、このドラマが出世作となって、若手人気女優の道を歩み始めた。KAT-TUNやNEWSについては、語るまでもない。

ドラマやバラエティに、グループの、一人を参加させる。それを繰り返して、誰かがブレイクすれば、その効果を、他のメンバーにも、波及させていく。そして、複数のメンバーに、人気が出たところで、グループとして、曲を出したり、コンサートを行って、さらに、全員の知名度を引き上げていく。

SMAP、TOKIO、V6、嵐、KAT-TUN、NEWSなど、ジャニーズは、この手法で、ことごとく成功してきた。

グループを売り出すとき、個々のメンバーを、ばら売りすることから始める。いまや、ジャニーズに限らず、女性アイドルグループにも、使われる手法である。

ところが、モーニング娘。は、この手法を、ほとんど使ってこなかった。確かに、数多くのドラマ、バラエティ、舞台、映画に出てはいるが、それらは、多くの場合、モー娘。のために作られたものである。他のアイドルと競合する形での、いわば「他流試合」は、ほとんどない。

例えば、学園ものドラマは、多人数の若いタレントを出演させることが可能であるため、各プロダクションは、新人を、そこに滑り込ませる売り込み合戦を展開していると思う。また、クイズ番組も、多人数参加が可能であるため、同様のことが言えるだろう。

そういった役や出演枠の争奪戦に、アップフロントは、加わっているだろうか?

道重さゆみを、超美少女だが、性格の悪いお嬢様に配役して、主人公の堀北真希を徹底的にいじめるさせる(笑)。亀井絵里を、世間知らずの優等生にして、ジャニーズ系イケメン俳優扮するホストにのめり込んで、転落させる。田中れいなを、一人でクイズ番組に出して、みんなにいじってもらい、最後、彼女をぶち切れさせる(笑)。

なぜか、こういった売り出し方を、モー娘。は、してこなかった。そのかわり、グループとしての、コンサートや舞台は、驚くほど頻繁にこなしてきた。確かに、ドラマなどは、拘束時間が長いので、全体活動に参加できないという部分はある。だが、視聴率が10パーセントを越えてくる、ゴールデンタイムの全国放送の番組を蹴って、参加しなければならないコンサートなど、アイドルとしては、あり得ない。

制作者サイドは、モー娘。を、宝塚歌劇団のように、したいのかもしれない。全体コンサートこそが、中心活動というわけである。だが、宝塚は、舞台から誕生して、舞台で活躍してきた、舞台芸術である。一方、モー娘。は、テレビの企画で誕生し、テレビを通して人気を博してきた、テレビタレントである。

テレビタレントが、テレビに出るのをためらっては、話にならない。

さまざまなタイプの番組に出すことによって、個々のメンバーの得意分野が見えてくるメリットも大きい。道重さゆみが、バラエティに強いとか、亀井絵里は、役者に向いてるとか、田中れいなは、クイズで珍回答を出せるとか。やってみなけりゃ分からない。でも、やってみたら、思わぬ才能を発見する可能性がある。

里田まいは、そのよい例である。カントリー娘。として活動しているとき、彼女が、おバカキャラで、人気者になるとは、露ほども思わなかった(笑)。

幸いなことに、最近は、以前に比べると、テレビ番組への出演が、増えている気がする。曲のセールスが落ち込んでいるため、コンサートの数を減らさざるを得ないのかもしれない。だが、これは大きなチャンスである。モー娘。の知名度は、女性アイドルの中では、依然として高い。ドラマの端役でも、汚れ役でも、バラエティのいじられキャラでも、拘束時間が長くとも、条件を選ばず営業をかければ、かなりの番組に、出演出来るはずである。

そのテレビ出演を通して、名前を覚えて貰えれば、全体コンサートも、歌番組の出演も、意味が出てくる。今のままでは、いくら紅白歌合戦に出ても、光井愛佳の知名度を上げることは、難しいと思う。

一方、紅白に出なくても、里田まいのことは、多くのひとが知っている。なぜなら、普段から、よくテレビに出ているからである。それだけの違いである。

次回は、

(その三) 「よい子」イメージの足枷 ~ 純粋培養の功罪

の予定です。

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