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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

言葉ショック ~ 再び、逆「秘密のケンミンSHOW」

2007-12-08 17:36:56 | Weblog
大学二年生の頃、化学の実験で、何人かで班を作って、作業を進めていたとき。使い終わった器具が、邪魔だったので、

「それ、なおしといて」

と、手の空いている友人に言った。すると、彼は、しげしげ、その器具を見て、

「どこも、壊れてないよ」

何を言っているのか、意味が分からなかった。で、はっと気がついた。「なおす」という言葉が、「片づける」という意味を持っているのは、関西特有なんだと。その友人は、東京出身だった。

上京して何年かは、こういった言葉のすれ違いを、よく経験した。当初は、語尾に、「~やねん」とか、「~やろ」さえ付けなければ、大阪弁は、即、標準語になると思い込んでいた。しかし、東京生活が長くなるにつれ、どうも、そうではないことに、気づかされた。

同じ言葉でも、発音自体が、全然、違う場合が多かった。加えて、「なおす」のように、発音が同じでも、意味が違うケースも、結構、あった。しかし、これは、大阪人だけではなかった。

再び、化学の実験でのこと。北海道出身の友人が、濃硫酸の入った試験管を、こちらに見せながら、一言、

「これ、なげていいか?」

慌てて、答えた、

「投げていいけど、僕の方には、投げるなよ」

後で聞いたのだが、北海道では、「捨てる」ことを、「なげる」と言うそうである。その場合、「なげる」には、「投げる」のニュアンスは、一切入ってないそうな。そんなこと、大阪人が、知るわけない(笑)。

方言による言葉の行き違いにも、随分慣れた頃のこと。風邪を引いた私を見て、東京出身の友人が尋ねた。

「風邪?」
「ああ、昨日、布団を踏み抜いて、寝てたみたいで。朝方、かなり冷えこんだから」
「布団を踏み抜くって、どういうこと?」
「寝てる間に、布団をはだける、とか、布団から足がはみ出す、とか、そういう感じかな」
「それは、大阪弁なの?」
「子供の頃から、使ってるから、間違いない。関西弁や」

その言葉は、かなりインパクトがあったのか、何日か経って、その友人が、再び、聞いてきた。

「あの、布団を踏み抜く、という言葉だけど」
「うん、どうした?」
「他の、大阪とか、関西出身のやつに、聞いてみたけど、みんな、そんなこと言わないってよ」
「えっ ・・・・」
「大阪弁とは、違うのでは?」

すぐに、関西出身の友人何人かに聞いてみた。全員に、そんな言葉、知らないと言われた。

ショックだった。自分は、関西弁をしゃべる人間だと思っていたのに、違う部品が、紛れ込んでいる。オレは、自分で思っているほど、大阪人じゃない可能性がある。

そもそも、この言葉は、何なんだろう?我が家だけで使っていた、家庭内方言みたいなものだろうか?それとも、やはり、祖父祖母が九州出身というのが、関係しているのか?

実は、未だに、よく分からない。

大阪出身なのに、大阪人が知らない言葉を使っている。まさに、逆「秘密のケンミンSHOW」である。

ところで、私は、「食べ物が甘すぎる」ことを「あまちくい」、「歯の間に食べ物が挟まる」ことを「はさかる」、と言うのですが、関西の方、如何でしょう?そういう言葉、使いますか?

これらも関西弁でなかったら、いよいよ、自分が何人なのか、見えなくなっていきますね。たぶん、日本人であるのは、間違いないと思いますが(笑)。

コメント (1)
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