逝去されたことを詠んだ『星になり』は、宗旨によっては相応しくない表現ですが、『彗星』に呼応させるために敢えて使いました。
ジャッキー吉川とブルー・コメッツというバンドのリーダー、板岡公一さん(芸名 ジャッキー吉川)がお亡くなりになりました。
板岡さんは力持ちなので、重いものを支えるジャッキから芸名が決まったそうで、そのメンバーであるコメッツ(彗星たち)の一人、井上忠夫(大輔)さんが亡くなった後も活動を続け力強いドラムを聴かせておりましたので、急逝に驚くとともに残念な気持ちでいっぱいです。
昭和40年代前半に一大ブームを巻き起こしたGS(グループサウンズ)の旗頭として大活躍したブルー・コメッツは、日本レコード大賞受賞、NHK紅白歌合戦出場、エド・サリバンショー出演、ビートルズ日本公演の前座として出演、美空ひばりのヒット曲『真っ赤な太陽』のバッキングを担当、など輝かしい足跡を残しております。
私が初めて買ったレコードがブルー・コメッツのLP盤(冒頭の写真)で、特に思い入れが強いものですからボツになった句も紹介します。
・ジャッキーが支えたコメッツ落胆し
・コメッツをブルーにさせて逝くジャッキー
・メンバーが支え亡くして青ざめる
さて、平成17年の秀逸を紹介します。
・住み慣れたプリンス後にプリズンへ
記録には「コクドの堤義明氏の逮捕、プリンスホテルから牢獄へ」とありますが、何をして捕まったのか記憶がありませんが、『プリンス』ホテルに対比させるための『プリズン』が適切なのか心配だったことは覚えています。
調べたところ、インサイダー取引疑惑で有罪判決を受けたことが分かりました、未公開情報を不法に共有・利用して証券市場取り引きを行い、情報を持たない投資家に損害を与える犯罪行為をインサイダー取り引きと言うそうですが、投資家でもない私にはピンとこないため覚えていなかったのでしょう。
記録にはコクドとありますが西武鉄道グループとコクドの関係はよく分からないまま、岩手県の雫石スキースキー場も西部グループで、プリンスホテルも立地しているので堤さんもプリンスホテルに住んでいたことにしたのですが、問題はプリズンでした。
戦後、戦争犯罪人を収容した『巣鴨プリズン』から閃いたものですが、『東京拘置所』を利用した施設であることから、プリズン=拘置所でいいのかなと思いながら見切り投句したものでした。
いま、プリズンを調べたら国語辞典には刑務所、監獄とあり、拘置所を和英辞典で調べたところPrisonとあり、刑務所もPrisonとありましたが、当時は職務にも専念しておりここまで調べる時間がなかったです。
次は平成17年の代表句(自薦)です
・新幹線函館の女が老けぬうち
記録には「北海道新幹線、新青森・新函館間の開業まであと十年」とあり、開通が当初の見込みより遅れ平成27年となると、函館で待っている女性が老けてしまうと言う悲痛な声を、北島三郎のヒット曲に託したものです。
実際に開通したのは平成28年3月26日でしたから、老け具合は化粧でごまかすことの出来る許容の範囲で、『はるばる来たぜ』のサブちゃんも喜んでいたことでしょう。
2031年春には札幌まで延伸されるようですが、1988年3月13日に開通した青函トンネルは43歳になります、コロナウイルスの影響で工程に遅れが出てトンネルの老化が進むことが心配です。
最後は元旦の入選句です
・元就に倣いて三本買う破魔矢
記録には「魔除けの対象が多すぎる世相を詠むのに、毛利元就の逸話を借用」とありました。
前の年に倣って12月29(水)に投函し土曜日の元旦に日の目を見ましたが、日の目を見なかった句も紹介します。
・月別に破魔矢12本買ってみる
・初詣破魔矢をごっそり買い占める
・増税分天引きされたお年玉
・お賽銭増税分を差し引いて
~続く~