今日のシネマ
2009年 フランス/日本
日本ではあまり脚光を浴びてないような気がする諏訪敦彦監督ですが(違ったらごめんなさい)
ヨーロッパではわりと評価が高くて賞もそこそこ取ってる。
私は初めて彼の作品を観ました。
と言ってもこれは フランス人の俳優(この映画にもユキのパパ役で出てます)イポリット・ジラルド と共同で監督してます。
フランス人のパパと日本人のママを持つユキと ユキの親友ニナ、
諏訪監督は台詞を決めず 俳優の即興を生かす演出らしい。
だから一見するとドキュメンタリーみたいに見える。
もちろんストーリーの筋は決まってて、この映画では
ユキの両親の離婚でユキはママと日本に帰ることになるんだけど
帰りたくないユキがニナと一緒に森に逃げるって話になってる。
で、ユキ役の ノエ・サンビ・・・
この子がすごい。
森の中で一人になった時、当初の設定ではユキが寂しくなって泣きだす、って設定だったらしいんだけど
ノエが 「私は泣けない」 と言い張って とうとうその後のストーリーも変わった・・・て。
DVDに付いてるメイキングシーンを観て
〝共同監督″の難しさみたいなものもヒシヒシ感じました。
諏訪監督が温和な人だからうまくいくんだろうな、って箇所が何度もあった。
「彼はフランス人じゃないからわからないんだ」
みたいな事をジラルドが言ってて カチンときちゃった。
ノエ(ユキ)への評価も二人はずいぶん違ってたみたいです。
オーデションの時から諏訪監督はけっこう評価が高かったらしいけど
ジラルドはそれほどでもなかったみたいだし
撮影中もそんなニュアンスを含んだ発言が時々あったような。
でも ストーリーの中のユキが成長していくように ノエ自身も撮影を通していろんな経験をし、
それをジラルドもまたしっかり受け入れていく様子がわかって
出来上がった作品よりも ここに出てくる人たちそのものを楽しんだ気がしました。
こういう演出は好き嫌いがあると思うけれど私はけっこう好き。
フランス映画らしい、っていうか 俳優の素の部分も垣間見れる感じ。
ノエ・サンビ・・・・今後どうなっていくのかな。
それが一番楽しみだったりして。