茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年11月8日「肩こり・頸こり・腰痛・ばね指の鍼灸治療。」

2016-11-08 06:55:01 | 日記

肩凝り・頸凝り・腰痛の女性の患者さんが来院。

肩が凝りすぎて頭が痛いと言う事でした。

「澤田流太極療法」で治療を開始し、背中の肩甲骨の間を指頭で探ると督脈の中枢穴の脇付近に硬い凝りがある。

その硬結を探ると『右の拇指に響きます。』との事でした。

治療しながら話を伺うと『実は何年も拇指のばね指で困っています。』との事でした。

督脈の中枢穴の脇付近とは膈兪穴の事ですが「ばね指」の治療穴として有名なツボです。(詳しくは深谷伊三郎先生の本をご覧ください。)

膈兪穴は肩凝りの治療穴としても通常使用しますが、慢性疲労の時に「五華の灸」として使用するツボの一つでもあります。

今回は膈兪穴に反応を見ながら灸七壮、ほかに曲池・合谷・外関を組み合わせました。お灸後は膈兪穴を押しても拇指に響くことは無くなり、拇指のばね指も痛くないと言う事でした。

指が痛いのに背中にお灸をすると症状が緩和するのは不思議に思いますがこれは「遠通し」と言う東洋医学の伝統的な技法です。

四肢の症状は体幹部を治療することで治し、体幹部の症状は四肢を治療することで治すのが東洋医学の特徴の一つです。

肩・頸・腰に鍼とビワの葉温灸をして治療の最後にMT温灸器で経絡を温灸トリートメントし気血を全身に巡らせると、主訴である肩こり・頸凝り・腰痛は良くなりました。


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壽堂日記28年11月7日「坐骨神経痛で夜になると腓腹筋が攣る。」

2016-11-07 06:34:20 | 日記

今日は立冬ですね。朝晩の寒さが冬の訪れを感じさせます。

「坐骨神経痛」の患者さんが来院されました。一ヶ月余り調子が悪く、立つことも出来ないそうです。
腰から足先まで痺れ、大腿の前面の筋肉も痛く、夜間になると下腿の後面の筋(腓腹筋)が攣り痛くて堪らないとの事でした。

今回は症状が強いので治療は「澤田流太極療法」を採用し灸を主として鍼は置鍼しパルス治療・びわの葉温灸・ネパール棒灸・MT温灸を組み合わせて治療しました。

治療穴は澤田流基本穴に木下晴都先生の「坐骨神経痛」で大腿前面に疼痛がある場合の手技を加えて丁寧に温補し気血水の流れを調えました。

治療後に患者様が「とても足が軽い!ほら片足で立てる。」と喜んで頂きましたが、片足で立つのは程々にお願いしますね。

画像は当院で使用するネパール棒灸とびわの生葉です。比較で並べてある通常の棒灸に比べると太さの違いが良く分かりますね。


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壽堂日記28年11月6日「坐骨神経痛で痛い場所が上下に移動する?」

2016-11-06 08:20:34 | 日記

坐骨神経痛の患者さんから「痛い所が移動するんですけど?」と質問されました。

夜寝ていると痛みが下肢を上下して眠ることが出来ないそうです。

診察すると胆経のライン上を痛みが移動するとことが分かりました。胆経は下腿の外側を流れている経絡です。

まず考えられるのは「痺症」という症状です。

東洋医学では「風」「寒」「湿」の三邪が同時に身体を襲い、営衛の気の循環が悪くなり発生する病を「痺(ひ)」と呼び、症状として痛み・痺れ・腫れ・重怠い感じなどが出ます。

「痺」の中でも痛い部位が遊走するのを「行痺」と言います。

中国医学の古典である「霊枢」周痺篇「素問」痺論篇では「周痺」と記載されていて、経脈の流れに沿って上が痛んだり、下が痛んだりする症状です。

「坐骨神経痛」の時に稀にみられる症状で、最初は腰が痛く、次は臀部が痛み、その次に下肢が痛くなり、腰部を治療すると段々上部から症状が緩解して行きますが、腰の痛みが無くなっても、下肢が痛かったりします。

治療に際しては下肢の痛む場所だけでなく、腰部も併せて治療すると「痺症」も改善されますのでご安心下さい。


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壽堂日記28年11月5日「鍼灸とビワの葉温灸による冷え性と腰痛の治療。」

2016-11-05 06:46:16 | 日記

この時期「足先が冷たい」「腰が冷える」「腰が痛い」「膝が痛い」「肩が凝る」「頭が痛い」と言う患者様が増えます。

夜布団に潜り込んでも足が冷たくて眠れないという方が沢山居られるのではと思います。

季節が寒くなると冷えが足先から段々と膝・大腿部・腰部と昇って来て、夜中にふくらはぎが攣ったり痛む経験はありませんか。

これは体の中の「陰の気」が衰え陰陽のバランスが崩れたことが原因です。

「頭痛」「肩凝り」「腰痛」「膝痛」も実は下半身が冷えていることが原因であり、下半身の「陰」の「気」が弱まることで、「陽」の「気」が上半身に集中し「頭痛」「肩こり」が発生するのです。
これを東洋医学では「上実下虚」の症状と説明します。
つまりは全身の「陰と陽の気」のバランスが取れていないことがすべての原因なのです。

治療の一例をご紹介すると
患者さんは40代女性
「2週間前から腰が痛く仰向けで寝ることが出来ない。」との事です。寝るときは側臥位で寝ているそうです。

治療は側臥位で開始、触診すると足がとても冷たく、タオルの上から体表部を軽擦すると、頚部・肩背部・腰部部・脊柱起立筋が硬く張り詰めているのが分かりました。

今回は「腎虚症」として澤田流「太極療法」を用いて鍼をした後に、腰部にパルスをし、その後脊柱起立筋に沿う様にMT温灸を掛け、腎兪付近にビワの葉温湿布をしました。
温湿布をしている間にネパール棒灸を足底の踵から足先までを施術すと患者さんから「足が暖まりました。」「とても腰が暖かくて気持ちが良い」報告がありました。
側臥位での治療を終え。起きてもらうと。出来なかった腹臥位・仰臥位の姿勢が出来るようになりましたので、さらにうつ伏せ・仰向けで治療を行いました、患者さんは「上を向いて寝ていても腰が全然痛まない。」と驚いていました。

これからの季節「冷え」の強い患者様には鍼灸と「ビワの葉温灸」「温灸マッサージ」が効果がありますね。


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壽堂日記28年11月4日「足先の痺れを伴う坐骨神経痛の治療。」

2016-11-04 05:41:19 | 日記

「坐骨神経痛」で足先まで痺れが出ている患者様が来院。

腰椎2番の圧迫骨折が原因の「坐骨神経痛」と整形で診断され治療を受けていたそうですが、整形ではこれ以上症状が改善しませんと言われ、貼り薬と痛み止めを処方されていると言うことでした。

昨晩は下肢の外側や膝の裏側が痛み、痛み止めを飲んでも効かない。一晩中アイスパックを当てていたそうですが、一睡もできなかったそうです。

足先は痺れて感覚がない、膝に力が入らず歩くことも出来ないと言うことでした。

今回は澤田流太極療法を使い治療しました。

澤田流基本穴をベースにして、腹部は中脘・澤田流大巨、下肢は委中・陽陵泉・陰陵泉・外丘・附陽・崑崙、背部は身柱・肝兪・脾兪・腎兪・澤田流志室・大腸兪などを使い丁寧に鍼と灸で治療しました。

治療中に痛みが和らぎ、良くお眠りになっていました。治療終了後は足を地面に着けても痛くないと喜んでお帰りになりました。


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