茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年6月29日「湿邪?」

2014-06-29 07:50:59 | 日記
沖縄県は梅雨明けと言う事ですが関東地方は梅雨明けはまだ先の様です。

今年は治療院に除湿機を導入して乾いた空気を供給していますが昨日は気温も低く除湿機を使う前は湿度計は75%を指していました。

この様な天気の時は風寒湿の三邪が同時に体を襲い、「気血水」の流れが悪くなります。

このとき発生する病を東洋医学では庳(ひ)と呼び、湿による痛み痺れを「湿庳(ひ)」と呼びます。

東洋医学では、自然界には風・暑・火・湿・燥・寒の六つの気が存在するという考えがあり、これらが病気の原因に変化した時をそれぞれ風邪・暑邪・火邪・湿邪・燥邪・寒邪といいます。

その中の「湿邪」は自然界の湿という気が体内に侵入し病気の原因となります。

「湿邪」は陰性の邪気で体の下部を犯しやすく、重く停滞し陽気を損傷し「気」を阻害します。症状としては頭や体が重く、手足に倦怠感がでたり、湿邪が関節に滞ると痛みや腫れがおこります。

雨の日に関節が痛いと高齢の方が治療院にお見えになりますが、年齢が若くても「湿邪」の影響で関節が痛むことがあります。

昨日来院された患者さんは「湿庳」の典型的な症状でした。

頭が重怠く痛み、頸肩が凝り・手が痺れ・腰が痛く・冷え・脹脛が攣る等様々な症状を訴えられましたが、原因が「湿庳」であるならそれを取り除けば痛みなどの症状は改善されるわけです。

四診した結果「腎虚証」として治療する事とし「温補補腎」を治療方針としました。

治療方法は本治法は「積聚治療」を用い、補助治療としてお灸とビワの葉灸とネパール棒灸を使用しました。

治療前は冷たかった手足も、徐々に暖かくなりそれに伴い頭痛・頸凝り・肩凝り・腰痛も和らいできました。

今回は行気を促し痛庳を鎮めるため「四関穴」と虚労の治療ため「五華の灸」を使用しましたが。

治療を終えた患者様は「すっかり痛みが取れました。」と喜んで帰られました。

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壽堂日記26年6月28日「卵巣過剰刺激症候群の鍼灸治療。」

2014-06-28 05:54:18 | 日記
数日前に「排卵誘発剤」を服用して「不正出血」が止まらない方に鍼灸治療を行いました。

当院では「不妊症」の鍼灸治療に取り組んで居りますので「排卵誘発剤」を使用して体調を崩された方の治療も行っております。

その患者さんが再来院されたので「お加減如何ですか?」と尋ねたところ『前回鍼灸治療を受けてその日の内に続いていた「不正出血」がピタッと止まり鍼灸の効果に驚きました。』と言う事でした。

治療内容的には刺さない鍼を使用した「積聚治療」で全体治療を行い補助治療として営池四穴と三陰交と腹部にお灸を行いましたが、よく効いた様です。

「卵巣過剰刺激症候群」については以前書きましたので詳しくはそれをご覧ください。

昨日の新聞に赤ちゃんの30人に一人は「不妊治療」で生まれると特集がありました。「排卵誘発剤」を使う方も多いと思います。

鍼灸治療は陰陽バランを調え母体となる女性の体を妊娠し易い体に創るお手伝いをいたします。

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壽堂日記26年6月23日「東洋医学による不妊治療を受けて見ませんか。」

2014-06-23 05:51:20 | 日記
昨日「排卵誘発剤」による副作用についてブログに書きました。

誤解されるといけないので当院では「排卵誘発剤」を使用した「不妊治療」を否定しているわけではありません。

私は現代医学と伝統医学が協力して「妊娠できる体を創る」ことが最善であると考えます。

昨日の例ですと「ホルモン剤」の副作用による「帯下」などの症状や「虚労」「気虚」の回復に鍼灸治療は有効であると考えます。

現代医学による「不妊症」の治療を受けておられる方、伝統の東洋医学の「不妊症」の治療を受けて見ませんか。


昨日はブログを読まれた患者さんが東洋医学による「不妊症」の治療を受けてみたいとお見えになりました。

症状を伺うと、冷え性・生理不順・生理痛が強く、現代医学による「不妊症治療」を受けているとの事です、併せて東洋医学で体の陰陽バランスを調えて妊娠を目指したいと言うご希望でした。

刺さない鍼の「積聚治療」で治療を進め、腹部接触鍼・脈調整後に「腹診」したところ、左下腹部に圧痛とザラザラした冷感域があります。
東洋医学では「小腹急結」という典型的な「瘀血」の証です。

不妊症の治療では「肝・腎・脾」の3臓が大切です。

「瘀血」の関係が深い臓も「肝・腎・脾」となりますが、肝は血を蔵し(肝蔵血)、肝血が不足すると月経量が少なくなりひどい場合は閉経したりします。

また肝不蔵血の場合は月経量が多くなりひどいと不性器出血が起きます。

肝の血流調節の機能は蔵血と疏泄機能のバランスが保たれて初めて正常に行われるもので、肝の疏泄機能が衰えると生理不順・生理痛が起きやすく、「瘀血」が出来やすいのです。

肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。

東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しいストレスを受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・瘀(お)血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、瘀(お)血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

この瘀(お)血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。

今回は「腎虚証」で治療を進めましたが、治療の流れとしては通常の「積聚治療」と変わらず仰臥位での治療を終えて、伏臥位になって頂いて、指標を確認しながら背部に接触鍼を行いその後に膀胱経に鍼を押し当て気が至るのを待ちます。

治療を進めて行くと、患者さんから
『胸から手の先に暖かいものが流れて行きます、こんな感覚は初めてです。』
『足先にも暖かいものが流れて行きます。足湯に入っているみたいです。子宮内から溜まっていた物が流れ出していく感じがします。』
と言葉がありました。

「瘀(お)血」を下す経穴としては「血海」が有名ですし「三陰交」も生理に関する経穴としては有名ですが、今回は「腎虚証」の本治法で治療して「瘀(お)血を下す。」ことができました。

肝と腎の関係については「肝腎同源」と言う言葉があり「腎陰虚証」を治療することで「肝陰虚証」も治療出来ます。

当院の「不妊症」の治療に対する考え方は現代医学と伝統の東洋医学が力を併せて妊娠しやすい母体を創ると言うことです。

現代医学による「不妊症」の治療を受けておられる方、伝統の東洋医学の「不妊症」の治療を受けて見ませんか。


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壽堂日記26年6月22日「排卵誘発剤と副作用(卵巣過剰刺激症候群)。」

2014-06-22 05:36:44 | 日記
当院では「不妊症」の治療に取り組んで居りますが、最近気になるのが「排卵誘発剤」を使用した後体の不調を訴える患者さんが多いことです。

具体的な症状としては下腹部痛、帯下(たいげ)(おりもの)の増加、腹満感、尿量減少などがあります。

「排卵誘発剤」は卵子(らんし)が卵巣(らんそう)から排出(排卵)されるのを促進する薬です。

一般的には、月経不順や無月経、排卵障害が原因の不妊症の治療に使われますが、排卵が普通にある場合でも、人工授精や体外受精のときに、妊娠率を上げる目的でもよく用いられます。

 卵巣には、卵子を包んでいる卵胞がつまっており初潮から閉経までの間に、毎月1個ずつそれが成熟して、左右交互に排卵されます。
 
排卵の調節には、脳の中の間脳視床下部と脳下垂体と卵巣とが、相互に関連しあっています。

間脳の視床下部から黄体形成ホルモン放出ホルモンが分泌され、その刺激により脳下垂体から卵胞刺激ホルモンが分泌され、このホルモンが卵巣を刺激し、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)が脳に作用して排卵がおこります。

したがって、脳の間脳、下垂体系や卵巣に問題があると、排卵がスムーズにいかなくなり、無排卵の状態になって、妊娠も不可能になります。

 クエン酸クロミフェン製剤(内服剤)は、間脳にはたらき、黄体形成ホルモン放出ホルモンの分泌を促し、その結果、下垂体から分泌された卵胞刺激ホルモンが卵巣にはたらき、排卵をおこさせます。

この薬は、無排卵周期症や第1度無月経などの比較的軽い排卵障害では、非常に高い効果がありますが、頸管粘液(けいかんねんえき)の減少や、子宮内膜(しきゅうないまく)の発育が悪くなったりすることがあります

hMG(下垂体性ゴナドトロピン)製剤(注射)は 卵巣を直接刺激することによって排卵をひきおこす、排卵誘発剤です。

hMG製剤を使用すると同時に多数の卵胞が刺激を受けるので、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と言う症状が起きることがあります。

同時に多数の卵胞が刺激を受けて発育してくるため、卵巣が腫(は)れてしまい、おなかに水がたまります。さらに重症になると胸にも水がたまり、血管の中の水分が不足するので、血液が濃くなって粘り気が増します。

自覚できる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、腹満感や、下腹部痛、体重増加、腹囲増加、尿量や尿の回数の減少、口が渇く感じなどです。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)がおきてしまったら、卵巣が腫れ、下腹部痛、帯下(たいげ)(おりもの)の増加、腹満感、尿量減少などの症状がみられます。

そのような症状がある患者さんには治療を受けた病院で至急相談するようにお話しています。

患者さんのお体を拝見すると脾陽虚であったり腎陽虚であったりと様々ですが受ける印象としては体の陰陽バランスが崩れている状態です。鍼灸治療は陰陽バランスを調え、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状を軽減するのに有効であると考えます。


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壽堂日記26年6月20日「メニエール病と妊娠できる体造り。」

2014-06-20 04:02:14 | 日記
5回の治療でメニエール病と耳の閉塞感で鍼灸治療を受けていた患者さんの病状がすっかり良くなりました。

病院で検査の結果も左右の聞こえの差も無くなり目まいも完全に治まったそうです。

治療後に今後の生活の仕方についてについてお話したのですが『これからも妊娠できる体造りのため、体調管理に定期的に鍼の治療を受けたい。』と患者さんから申し出がありました。

現代医学的にはメニエール病は、内リンパ液の生産と吸収のバランスが崩れることで起こり、内リンパ液の過剰生産により、音を伝える「蝸牛」、平衡感覚を司る「半規管」「耳石器」に内リンパ液が溜まって腫れ上がる「内リンパ水腫」が原因だと考えられています。

内リンパ液の過剰生産の原因は不明ですが、一般的には、ストレス、疲労、あるいは睡眠不足などが引き金になって起こることが多い様です。また神経質とか凡帳面な人に多く見られます。

また東洋医学的には耳は「腎」と密接な関係があります。「腎気」が衰えると難聴や耳の閉塞感が起こります。

妊娠するためには「肝・腎・脾」の3臓が重要な要素を占めますし、これからも「腎気」を補う治療を続けることは「妊娠しやすい体を造る。」上で良い効果をもたらします。

また鍼灸治療はストレス、疲労の改善に効果がありますので定期的に鍼灸治療を受けて「妊娠」を目指すことは賛成です。

当院では妊娠を目指す女性の経済的な負担を軽減するために「ハッピーチケット」と言う回数券をご用意しておりますのでお気軽にお尋ねください。


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